異世界より異世界してるTOKYO
ってわけで、フィーロ君を連れて私は千葉県上空を飛行していた。
私は車とか電車とか飛行機はオタクまでは行かない程度で大好きだけど、やっぱり飛んで移動できるのが便利すぎて使わなかったのだ。
ん?上空を飛ぶのには許可が必要だって?
んっふっふっ、実は飛行魔法に関してはたぶん許可とか必要ないのよね!!
私の事前リサーチによると航空法第11条も適用されない超軽量動力機の範囲外にあるから法律的に考えても問題ない。
まぁ、多分飛んでる飛行機に近づいたら怒られちゃうけどねっ☆
だからステルス状態で、航空機が飛行する高度150m以下を新幹線くらいの速度で飛んでみてるけど、今のところ大丈夫そうだ。
「えーっと、フィーロ君はどこ行きたい?」
「す、凄い、地面が見えないくらい建物が沢山ある!しかも全部大きい!1つ作るのに何百年掛かってるんだろ·····」
話聞いてない·····
どうやら眼下に広がる東京のコンクリートジャングルの方がすごく気になるようだ。
仕方ない、行き先は東京らしいところにして、色々教えてあげながら向かうとしよっかな。
「そんな掛かんないよ?普通のマンションとかだったら1棟あたり2年かかんないんじゃないかなぁ·····」
「えっ!?凄っ!この世界ってそんな凄い魔術師が沢山いるの!?」
「んにゃ?居ないよ?そもそも魔法ないから」
「あっそっか、僕達くらいしか魔法使えないもんね····· えっ?じゃあどうやってるの?」
「んふふ、それこそがこの世界の技術が爆発的に進歩した理由でもあるよ、ほら、あそこ見て」
「どこ?」
「あの白と赤の大きいスケスケの塔みたいなやつ」
私が指さしたのは、ビル建設などに使われる大型クレーンだ。
アレもこの世界の人類が作りあげた叡智の結晶だろう。
「なにあれ?」
「電気····· 雷の力だけで動く魔道具の代用品ってとこかな?駆動にも完全に魔法を使ってない、純物理現象のみで構築された、荷物運搬専用の機械だよ、大体50トンくらいの物なら持ちあげられるんじゃないかな?」
「えっ、あんな大きいのに魔法を使ってないの!?重量軽減とか掛けてないのにそんな重いもの持ち上げて折れたりしないの?」
「んふふ、だから言ったでしょ?『人類の叡智の結晶』だって」
「本当に凄いや····· ソフィちゃんの故郷·····」
どうやらフィーロ君はこの世界の技術に魅せられてしまったようだ。
なんか、私の前の故郷を褒められてちょっと誇らしかった。
◇
そんなこんなで遊覧飛行をすること5分、私たちは日本を象徴するであろう場所までやってきた。
といっても上空1000メートル以上にいるせいでよく見えないから降りるとしよう。
そうそう、私たちは『泡沫ムゲンの眠り姫』を使ってウナちゃん状態、つまり他人にその存在を察知できなくしているし、光魔法で光学的にもその他色々な感知機能からも見えなくしてるから、飛んでいても『UFOだ!』とか『フライングヒューマノイドだ!』とか言われてネットで大騒ぎされる心配は無い。
だからこうして銀座のど真ん中に降り立っても騒がれないし、ステルス状態を解除しても誰も違和感を覚えないのだ。
「ここが日本屈指の繁華街であり超高級商業地の銀座だよ!凄いでしょ!」
「なにここ····· 人が沢山····· それに色んなお店に建物に魔動車も····· 王都よりずっと凄い·····!!」
「アレは魔動車じゃないよ、自動車っていって魔法を使わず化石燃料を燃やして排気ガスを出しながら走る車両たちだよ!」
「·····そうなんだ」
「まぁ最近は排気ガスが出ないとかエコだとか謳う見かけ上はエコな車はあるけどね」
まぁそんなことはどうだっていい、早く銀座でウィンドショッピングしたいわ!!
なんせ予算2000万円の超大金持ちだもんね!
「さてと、フィーロ君、どこ行ってみたい?」
「うーん····· オススメは?」
「えっ、あっ、うーん·····」
そういえば私って前世で銀座なんか来たことないや、いや銀座にある鉱物のお店に何回か行ったことはあるけど、それ以外は恐れ多くて行ったことないわ。
しかも私は銀座にあるような高級な服より、近所のショッピングモールにある量販店の服の方が好きだから興味もそんなに無いんだよね·····
「あっそうだ、フィーロ君ちょっと付き合ってもらってもいい?」
「どうしたの?」
「んふふ、お遊びだよ?」
◇
という訳でやってきのは、超有名スマートフォンメーカーのお店だ。
たしかここが日本の本店なんだっけ?
「凄い····· マギスマートフォンが沢山····· まって、言いたいことは分かる、これが原型なんだよね?」
「うんうん、これが本当のスマートフォンだよ」
「いらっしゃいませ、何かお探しでしょうか?」
おっと店員さんに話しかけられたわ。
うん、やっぱり銀座といえばこういう感じだよね!
「ちょっとスマホを1台買おうかなって思ってまして、一括払いで買えたりします?あと買った直後からネットにアクセスとかってできます?」
「少々お待ち下さい····· はい、設定を終えればインターネットへの接続は可能です」
「わかりました、んじゃ最新機種をお願いします、色は····· とりあえず黒でお願いします」
「承りました、ではこちらへお越しください」
よし、買えそうだ!
今やろうとしてるのは、このスマホをアカシックレコードで徹底解析して機能をマギ・スマートフォンに組み込むという魔改造行為だ。
ぶっちゃけ犯罪かもしれないけど、捕まったら無かったことに書き換えたり、なんなら元の世界に逃げてしまえばいいのだ。
「ソフィちゃん、いんたーねっとって?」
「なんて言うんだろう····· 人が作ったアカシックレコードみたいなもの?」
「へぇ、凄いや·····」
「まだできてから50年·····も経ってるのかな?わかんないけど結構新しいものだよ!」
「それに接続するのにスマートフォンが必要なの?」
「まぁね、一応電波ジャックすれば接続出来ないことはないだろうけど、サンプルがあるに越したことはないからねっ!」
そんなこんなで、あまり聞かれたくない内容だったから向こうの言葉で話していると、店員さんがお目当てのスマートフォンを持ってきてくれた。
その後は偽造住所やら戸籍やらを使ってスマホを確保し、現金一括払いでようやくスマホをゲットすることに成功した。
◇
スマホを手に入れたあと、私たちは設定をしたりするためオシャレなカフェに来ていた。
「設定完了っと、あとはこれをアカシックレコードで解析するだけっと」
「ふわぁ····· このケーキすごく美味しい····· それにすごくオシャレ·····」
スマホの設定を終えた私は早速インターネットを開き、それをアカシックレコードで追跡してデータバンクを捜索し始めた。
ちなみにフィーロ君はこっちの世界の料理に夢中で話しても無駄だったから放置してる。
·····あのケーキ、ひとつ1200円もするから一気に食べるの勿体ないなぁ。
「ん?あっ、セキュリティ·····」
なんか通信を辿ってたら凄そうな場所にたどり着いたんだけどセキュリティに拒まれたような感じがした。
まぁそこはスーパーコンピュータさえ軽々超越する神の書庫『アカシックレコード』、そんなもの簡単に突破出来てしまうのだ。
そのセキュリティを軽々突破した先にあったのは、うん、やばいわこれ、超国家機密だわ。
眠り姫で見なかったことにしておこう。
そして超国家機密を知れた私はほくほく顔でサンドイッチを頬張った。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「まっさかこの世界にも魔法とか超能力が実在してるとはね、ところで3億円事件の犯人って知ってる?いや、それよりも鮫島事件の真相を知りたくない····· おや?こんな時間に誰か来た?うわなにをするやめ」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「異世界の料理も技術も人も道具も街も建物も魔道具?も全部凄い····· 本当に違う世界に来ちゃったんだ·····」




