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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第四章 TS賢者は世界を往くっ!
301/369

初めまして!そしてただいま!





 光のトンネルを抜けた瞬間、私の目に飛び込んできたのは懐かしい私の実家の部屋だった。


 あぁ、この匂い、間違いない、ウチの匂いだ·····



 本当に帰ってきちゃったんだ、日本に·····



「(フィーロ君、手筈通りに)」


「(了解、じゃあお願い)」


「(おっけー!『転移』っ!)」




 まぁ、今私はこの世界の科学的には実証されていない魂しか繋がりがない赤の他人の家にいる訳で、この国の法律では不法侵入でしょっぴかれること間違いなしだ。


 って訳で、私の元親にバレないよう転移魔法で安全地帯に避難するように事前に打ち合わせしていたのだ。



「(·····また来るよ、父さん、母さん)」



 そう小声で言い残し、私たちは私のじゃない私の実家から転移を使って去っていった。



\バァンッ!!/


「であえであえ!曲者じゃ!!!·····あっるぇ?賢人の気配したんだけどな、はぁ····· 私ももう限界かな」


\ぱたんっ/





「よっと、フィーロ君もう喋っていいよ」


「ふぅ····· なんか悪いことしてるみたいでちょっと罪悪感あるかも·····」


「大丈夫大丈夫!バレてもお金あげたら許してくれるから!だって私の両親、結構現金な人だったし·····」



 まぁ後で手に入れた数千万円の一部を上げれば許してくれるだろう。

 あと今頃このお金の本来の主は怒りながらも喜んでいる事だろう。


 あの人たち、あのダイヤモンドの塊を現金にできるのかなぁ·····



 まぁいいや!それより先にやることやらなきゃ!



「ソフィちゃん、ここって何処なの?」


「ん?近所の河川敷だよ?」


「へぇ····· って凄い、何これ!?」


「あー!懐かしっ!マンションとかビルなんてひっさしぶりに見たわ!」



 私たちの目の前には、平野部特有の流れてるのか流れてないのか分からないような、物凄く幅の広い巨大な土手があり、その土手の向こうには高層マンションやビルが立ち並ぶ東京の景色が広がっていた。


 そして遠くに天をも穿つような日本一高い巨大なタワーが聳え立ち、すごく目立っていた。



「あぁ、日本だ····· この澱んだ排気ガスの匂いがする空気も日本だ····· おえっ、臭っ!なにこれ、うげぇ····· 吐きそう·····」


「確かに、ちょっと、空気悪すぎるかも·····」



 びっくりした、都会の空気ってこんな汚いの!?


 いや、雨水も飲めるような向こうの環境の方がおかしいのか。

 だって向こうは石炭燃料でさえそんなに普及してないお陰で空気がすごく綺麗なのだ。

 まぁフシ町は石炭で製鉄とかやってるから多少空気悪いんだけど、フシ連峰から風が吹き下ろしてくるから空気が淀む事はほとんどないから日本よりも綺麗だ。


 あと圧倒的な自然の多さも関係してるのかも。



 そんな超クリーンな環境で産まれ育って慣れていた私たちにとっては、この東京の排気ガスまみれの空気はちょっと厳しかったのだ。


 うっぷ、吐きそう·····



「し、新章が始まったのに、いきなりゲロインになるのは嫌だ、ゲロインは嫌、ゲロインは嫌、ゲロインは嫌·····ヴっ」


「ソフィちゃん!?」


「·····無理っ☆ お゜ぇっ」


「ぎゃぁぁああっ!!?」











 〜少々お待ちください〜















「はぁ、スッキリしたし慣れてきたっと」


「たしかに空気わるいけど、そんな吐くほど酷い?」


「うーん····· 嗅覚が鋭かったからかも?」



 めでたく新章になった途端にゲロインになってしまったが、そんなことも気にせずきっちり後始末をして、早速こっちで不自由なく暮らす為の準備を始めることにした。



「まずは·····『ウォーターボール』」



 私は賢者の石から魔力を生成すると、それを使って水魔法を発動した。


 するとこの世界ではありえない物理を超越した現象が発生し、私の手のひらの上に水の玉が現れた。



 どうやら魔法の発動は私の賢者の石を使えば問題ないようだ。



「僕も·····ん?使えない?」


「そりゃそうよ、だってこの世界の魔力量っほとんどゼロに等しいもん」



 私が元いた世界は魔法なんぞ存在していない世界なんだけど、ごくごく僅かにだけ魔力は存在していた。

 ·····なんか、ちょっとだけ違和感を感じるから、もしかしたら私には感知できない魔力みたいなものがあるかもしれないけど、基本は魔力なんて無かった。


 なにせ魔法なんて撃てないレベルだからね!


 って訳で、ほぼ魔力ゼロの世界で生きていくためには、自力で魔力を生み出せる私の賢者の石が必須というわけだ。



 ちなみになんだけど、この世界の人間と向こうの世界の人間はちょっとだけ種類が違う。


 具体的に言うと、向こうの世界の人は臓器の中に魔力を司る器官が存在していて、魔力が少ない環境に長時間いると体調不良を引き起こすのだ。



 ちなみにちなみに、魔力を活動エネルギーにしている魔物がこっちにくると普通に死に至るから注意が必要だ。



「まぁ魔法は使えるから、後は問題ないかな」


「うん、でも無理やりこの世界にいた事にするなんてできるの?」


「できるよ!」



 というわけで、死んで戸籍が無くなったというか、そもそも別人になって国籍さえない私と、異世界人だから当然の如く国籍の無いフィーロ君の2人を『この世界に元から存在していた』という事にしてしまおう。


 私は目を瞑って、不可能を可能に変える禁断の力を解放した。


「いくよ、『泡沫ムゲンの眠り姫』っ!」






 システム干渉開始


 ワールド██████のアカシックレコードに神族権限により強制アクセス開始·····


 アクセス完了、編集を開始します




 編集先

 仮称『地球』→日本→個人データ等



 編集内容

 ソフィ・シュテイン

 フィーロ・シュテイン

 以上2名の存在を元からいた事にする


 実行内容

 国籍、戸籍などのデータの追加

 上記2名のデータを怪しむ者に対する記憶操作

 各種必要データ及び証明証の発行、届け先:ソフィ






「·····よし、完了っと」



 私が目を開くと、その手の中には個人を示す番号や、その他色々な個人を証明する物が握られていた。


 これで私とフィーロ君はこの国に居ても不法滞在にならなくなった。



 え?事実を書き換えて私たちが居たことにするのは犯罪だって?


 別に法律上で『魔法を使って元から住んでたことにしてはいけない』なんて法律は無いし、どんなに過去を調べても私が戸籍を追加した情報は出てこないよ?


 神の力だもん。



「これでこの国にいても僕達が怪しまれなくて済むの?」


「うんうん、じゃあフィーロ君もこれ持っておいてね」


「わわっ!ちょっ!?」



 私がフィーロ君に投げ渡したのは、郷美さんが在学してるはずの学校の学生証だ。

 まぁこことは離れた場所の学校なんだけど、なんか言われたら遊びに来てるって言えば大丈夫だろう。


 ちなみに郷美さん、学校生活に結構苦労してるらしくて、学校の校長先生やってたせいで同級生も子供に見えるし、身体能力が他の勇者パーティの人達よりも遥かに高いせいで運動すると大変な事になったり、頭も良すぎて成績不良者だったのがいきなり学年トップになったり·····


 ·····って連絡が来たから『おもしろ!』って言ったら画面越しにゲンコツ食らった。

 あの人、自力で次元超えて来やがったわ。



「っと、それはさておき····· じゃあ早速観光でもしよっか!目的地はこの国の首都にして、世界有数の大都市東京だよっ!」


「おー!!」



名前:ソフィ・シュテイン

年齢:15歳

ひと言コメント

「さてと、まずはどこ行こっかな〜、秋葉原とかいいかもなぁ」


名前:フィーロ

年齢:15歳

ひと言コメント

「ここがソフィちゃんの故郷····· なんか、すごく不思議な場所だ····· 物凄く発展してる·····」


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