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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第二章 TS賢者は魔法学校へ行くっ!
25/86

5人1組は意外と集まらない


 入学式が終わると、早速だけどクラスごとに別れてクソ広いこの運動場の各地に集まって魔法の練習をすることになっていた。


 まぁ、入学式に杖を持ってこいって言ってる時点で察していたけど·····


 うん、面倒くさいなぁ·····



「ソフィちゃん!初めての授業たのしみだねっ!」


「僕、魔法の適性高くないけど大丈夫かなぁ·····」


「大丈夫じゃない?入学できたんだし」



 不安がっているフィーロ君と、気分ルンルンなアルムちゃんと、面倒くさくて足取りが重い私の3人は先生の後に付いていった。


 私のクラスは寮の番号と一緒のB組で、B組は運動場の中に流れる川辺で行うようだ。




 ·····なんかB組って3年になった時がすごく不安だけど、大丈夫だよね!


 副担任が『エイト・ゴールデン』って名前のロン毛の男の先生だけど多分大丈夫。


 この世界に坂本龍馬は居ないから大丈夫、たぶん。

 あと、私はソーラン節踊れないから不安だけど多分踊らないからたぶん大丈夫。


 ·····多分。



 この学校の校庭はクソ広い·····

 というか、ここ校庭じゃなくて思いっきり街の外だわ、かなーーーり遠くにゴブリン居るし。


 あ、冒険者さんがゴブリンを真っ二つにした。

 うへぇ····· グロい·····


「はいみんな集合!ここで魔法の練習をします!」


『はーい!』


 おっと、遠くを見てたら魔法の練習場所に着いたみたいだ。


「じゃあ、今日は魔力を感じてもらう練習です!まずは5人のグループを作って下さい」



 ·····魔力を感じる練習?

 もうできるしサボっててもいいかな?



「私たちは当然同じグループでしょ?でも1グループ5人だから、あと2人はどうする?」


「はっ!考えてなかった!!ワタシとソフィちゃんとフィーロくんの3人しか居ないもんね!」


「みんな同じ町から来た仲間で集まってるみたいだし、余った人を探すしか無いんじゃないかな·····」


『あら?そこの貴方たち、人数が足りないなら私の所に来ないかしら?』


「ん?誰·····ひゃっ!?」



 声の方向に振り返ると、輝くようなプラチナブロンドの髪をした、真っ白で美しい杖をもって、気品に溢れる女の子が居た。

 あと後ろに執事っぽいお兄さんも居た。



「えっ!?あっ!えっと、えっと、誰?」


「アルムちゃん!ウィザール家の子女様だよっ!」



 うわぁ、ifの私だ·····


 一応貴族の人らしいし、前世で書物(ラノベ)で勉強した貴族っぽい仕草でもしとこ。



「えーっと、私たちみたいな平民と一緒でもよろしいのでしょうか?」


「構わないわ、むしろ伝説の魔導師の家系であるウィザール家の私が貴方たちに魔法を教えてあげるわ、感謝なさい」


「お嬢様、そんな態度だから断られるのですよ、これだからお嬢様はボッチで·····おっと失礼しました、ご友人もなかなか出来ず地元で有名な悪ガキ共の仲間入りでしかご友人が作れないのですよ」

「ちょ!ちょっと!何言ってるのよ貴方は!!余計なことはいわないで頂戴!!」


「は、ははは····· それは大変ですね·····」


「嘘よウソ!アビュースは嘘つくのが好きなヤツなのよ!!」


 ウィザール家の令嬢ちゃんはなぜか執事に罵倒され、しかも罵倒され慣れてるのか怒らずに逆に私たちに『アレは違うっ!嘘なんだ!』って必死に釈明していた。


 なんだこの変な奴ら·····

 こんなのが私候補だったなんて、選ばなくて良かったわ·····


 うん、お嬢様はコミュニケーションがヘタクソなだけの普通の女の子かな?


 でも特にクセが凄いのはアビュースとかいう執事の方だ。

 一応凄い家系の子女に、ここまでグサグサと的確にダメージを与える言葉を言えるなんて只者じゃない。



「「ソフィちゃんちょっと集合」」


「なに?」


「どうする?」


「私はいいと思う、残念な感じだけど」


「僕も賛成、ちょっと予想外だったけど、一応凄い人だから」


「ワタシもいいよ!ボッチで可哀想だから!」


「うううぅぅぅぅうう〜!!!」


「ブフッ」


「あー!!アビュース笑ったぁぁあ!酷いーっ!」


「わw笑っwておりまwせんよ、お嬢様www」


 ·····やっぱり断って良いかな?





「ええと、それじゃあこれで5人かな?」


「いえ、私はお嬢様の執事で、本日は付き添いに来ているだけでございます、学生ではないのでもう1名探す必要がありますね、お嬢様のような誰からもハブられる存在はなかなか居ないと思いますがね」


「私、泣くわよ!!?」



 あー、確かに17歳とかそこら辺っぽいもんねこの人、てっきりその歳で入学したのかと思ったわ。


 なんか漫才師のコントをしているような2人を加えた私たちは、残り1人を探し始めた。



「中々1人だけの人って居ないなぁ·····」


「あの辺りの大きなグループに話して1人入って貰うしかないかなぁ····· 誰が行く?」


「ワタシがいこっか?」


「いいえ!ここは私が行ってボッチでない事を証明してみせるわ!」

「お嬢様が行かれるとまたハブられますよ?」


「えっと、()()()は行きたくないです·····」


 ·····


 ん?



「点呼!アビュース以外!はい私1!」


「ワタシは2!」


「僕は3かな?」


「私が1が良かったわ、4よ」


「わ、()()()は5、ですか?」


 ·····5?


「ん?うん?5?えっ?誰か居る?」


「えっと、目の前に居るよ·····?」


 え?目の前?


「うひゃぁぁああっ!?!?」



 えっ!?言われないと全く気が付かなかった、いつの間にか、私の目の前に突然白と黒の2色の髪色を持つ女の子が現れていた。

 そしてちょっと脅えた、気弱だけど可愛らしい、白黒のオッドアイの瞳が私をじっと見つめていた。


 いや、現れたんじゃない、影が薄すぎて気が付かなかったんだ。



「その、人が足りないんだよ、ね?えっと、わたし、はいっていいかな·····?」


「えっ、あっ、いいよ!」


「ねぇソフィちゃん、誰と話して····· うわっ!?誰っ!?」


「えっ?あっ!ホントだ!いつのまに居たの?」


「わ、私は気がついてたわよ! ·····ところでアビュースはどうかしら?」

「いえ、私()気が付きませんでした····· 一応公爵家の諜報・暗殺部隊ッゲフンゲフン、それなりに護衛の心得はあるはずなので分からないのは異常ですね」



 ん?今アビュースさんしれっとヤバいこと言わなかった?!


 まぁもうどうでもいいやっ!



「まぁ、とりあえずこれで5人かな?」


 目の前に居ても存在が認識出来ない謎の女の子を加え、これで5人揃った事になる。


 ·····ところで、なんか全員クセ強くない?



名前:ソフィ・シュテイン

年齢:6才

ひと言コメント

「あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!「私は皆と話していたと思ったら、いつのまにか目の前に知らない女の子がいた」な、何を言っているのかわからねーと思うけど(略)」


名前:グラシアル・ド・ウィザール

年齢:6才

ひと言コメント

「やっと混ぜてくれる班が見つかったわ·····」


名前:???

年齢:6才

ひと言コメント

「わ、わたし、幽霊さんじゃないよ?」

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― 新着の感想 ―
面白くて、一気見しちゃいました。私はこれから更新待機勢になろうと思います。
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