ソフィアの槍
『「はあぁぁぁぁあああっ!!」』
『Kyryaaaaaaaaa!!!!』
ルーラル湾沖の海上で、巨大な蛇のような龍と、クソでかい幾何学的な形状の鎧を身にまとった槍を持つ神的な超絶美少女が激突した。
『「どぉぉぉりゃぁぁぁああっ!」』
『Gyrgyaryrrrrrrrr!!!!』
ズドォンッ!!
私はソラ色の『ソフィアの槍』を超高速で突き出し、リヴァイアサンは超高圧の激流の槍を撃ち出してきて、お互いの槍が正面衝突した。
『「刺されぇええぇぇぇえっ!!」』
『Kyryaaaaaaa!!!!』
身長40mになった私の筋力から繰り出される神速の突きは音速を超えていたが、リヴァイアサンの激流槍を穿てずに拮抗し始めた。
このソフィアの槍にはありとあらゆる物を穿つ神の力を宿してあるが、私はまだ使いこなせていないからその真価を発動できていないようだ。
でもっ!使えない訳ではないっ!!
『「加速っ!!」』
私の槍はただの槍じゃ無いっ!
魔法の力で加速をして穿つ強制加速システムがあるのだっ!
ドシュッ!
『Gyryyyyryyryyyyaaaaaaaa!!!!!!!???』
『「い゛っ!!こなくそがぁぁあっ!!」』
そして加速した槍は激流槍を木っ端微塵に吹き飛ばし、リヴァイアサンの胴体に深く突き刺さった。
だが、爆散した激流槍を構成していた水が私に殺到し、散弾銃のように飛び散った水の弾丸が私の全身を傷付け血が吹き出した。
『「効くかこんなもんっ!」』
全身を覆う鎧を貫通した攻撃で受けた傷を回復魔法で再生し、槍を引き抜いてバックステップでリヴァイアサンから距離を取った。
『「くっ、かなり頑丈なはずの鎧が貫かれてる····· さすがはドラゴン、概念の上書きが発生してるかな」』
私の経験則的に、ドラゴンは『遮る物を上回る』という魔導法則をこちらに押し付け、ありとあらゆる装甲を貫通して攻撃してくる。
強いドラゴンだと純粋な星核合金でさえ貫通してきて、コイツの場合は無理だけど装甲に使ってる超軽量ミスリルー星核合金の部分は貫通できてしまうようだ。
幸いダメージの多い部分は使ってないから守れてるけど、それでも相当痛いのに変わりは無い。
『「こりゃ早く決めないとダメだ·····ねっ!!」』
私は今再び槍を構え、おぞましい程の数の激流の槍を浮かべてこちらを狙うリヴァイアサンに向けて海上を駆けて行った。
◇
時は少し遡り·····
砂浜でBBQをしながら、遥か遠い海上でリヴァイアサンと戦っている想い人を見ながら、僕は焼いていた魚を食べた。
それと同時に頭を抱えていた。
「あんな大きいソフィちゃんなんて僕の手には負えないよ····· 」
遠い海の上で激しい戦いを繰り広げていたソフィちゃんだったが、ある時突然ここからでも見えるくらい大きくなって、腕を噛まれてブンブン振り回されていたのだ。
その後は頭をタコ殴りにして離れた後、不思議な美しい槍を出して熾烈な戦いを繰り広げていた。
「ねぇみんな、波は大丈夫なの?」
「何回も津波が起きてるわね·····特にソフィの周囲はもう酷いことになっているわ、でも私のダンジョン編集能力で波を抑制しているから若干潮位が上がったくらいで済んでるわ」
「ん、だいじょーぶ、しゅういの波は、アイギスで守ってる」
良かった·····
あれだけ暴れてると波が物凄い事になって、こっちまで被害が出ちゃうからね。
ソフィちゃんはあんまり気にせず戦ってるみたいだけど、それが出来るのは僕達が縁の下の力持ちになってるからだろう。
·····なんてカッコイイ事を言ってみたけど、僕に出来ることはほとんど無い。
僕のユニークスキルの『マジックエミュレータ』は、ソフィちゃんの影響か10回まで魔法をコピーできるようになった。
でもぶっちゃけて言うと、この状況をどうにかする魔法を僕は見てないし知らないから使いようが無いんだ。
だから僕はひたすら魚を焼き続ける。
「あれだけ大きいと、どのくらいご飯食べるかわかんないからなぁ·····」
「なにいっとるんじゃこやつは」
大きくなった想い人のお腹を満たすために。
そう、彼はソフィに色々抜かれすぎて賢者タイムしすぎて、幻の大賢者フィーバータイムへと至っていたのだ!
要するに『バカと天才は紙一重』と言うやつだ。
◇
『「やぁっ!せいっ!どりゃぁあっ!!」』
『Kyruyaaaaaaaaaa!!!!』
大賢者フィーバータイムのフィーロ君がとんでもない量の魚を焼いてるのを知らない私は、無我夢中でリヴァイアサンとの死闘を繰り広げていた。
ズガァァァアアン!!
『「うひゃんっ!?雷は反則よっ!」』
私は槍で何度もリヴァイアサンを傷付け、段々とダメージを負ってきたヤツは全身に雷を纏わせた新たな形態になった。
多分アレだ、最終形態ってやつだ。
そして行動パターンも変化し、周囲に雷を落とし、鋭い剃刀のような氷片が入った海上竜巻を何個も発生させて私を追尾していた。
多分あの竜巻に巻き込まれたら中の私もろとも粉砕されてしまうだろう。
あと雷に当たってもアウト、痺れて動きが止まってる所をズタボロにされるだろう。
といった所で、リヴァイアサンが口を大きく開いて電撃と水流をごちゃ混ぜにした弾を口の中に出してチャージし始めた。
『Kryyyyyyyyyyy!!!!!!!!!』
『「そのパターンはヤバいって!!」』
カッッッッッ!!!
『「うひょあっ!?」』
私はその場で跳躍すると、すぐ下を加粒子砲みたいなヤバいレーザーが通り抜けて遥か遠い海上で大爆発が発生した。
『「にゃ〜ろぉ〜·····とんでもない技連発しないでよっ!お返しだよっ!!」』
ズドンッ!!
私は手に持っていたソフィアの槍をフルパワーでぶん投げ、飛翔した槍はリヴァイアサン目掛けて一直線に飛び·····
『Kyryrrrrrrrrr!!!!』
雷の力なのかリヴァイアサンは瞬間移動の如き高速移動をして槍を避けてしまった。
『「んなっ!?」』
『Gyaryyyyyyyy!!!!!!!!!』
『「ぎゃんっ!!?」』
そして電光石火のタックルが私の鳩尾に直撃し、お腹から血を噴き出し感電して意識を失いながら、私は吹っ飛ばされてしまった。
◇
「あっ、避けられた」
遠い海上で大嵐の中戦っているソフィちゃんを眺めていると、リヴァイアサンが放った光線を避けた彼女が投げた槍をリヴァイアサンも避けてしまった。
そして、その雷のような速度でリヴァイアサンがソフィちゃんにぶつかり·····
「ねぇ、ソフィちゃんこっちに来てない?」
「だね、凄い威力だったんだ·····」
「·····おい、このままだと街に直撃するのじゃ!」
「マズいわ!ソフィは動けないみたいよ!」
「あ、あわわわわわっ!どうしよう!」
「ん、やばそう」
『『·····ヤバくない?』』
狼狽えている間にも巨大なソフィちゃんがグングン近づいてきていて、丁度僕達のいる街に落ちそうになっていた。
「みんな!うけとめるしかないよ!」
「分かってるわよ!でもどうするのよっ!」
「わ、わわわたしはむ、むりかも!」
「ワシも無理じゃ!ソフィが死ぬのじゃ!」
「ん、わたしのアイギスじゃ、怪我しちゃう」
だが僕達にはあの巨大なソフィちゃんをうけとめる手段は無い。
ミカちゃんの結界を展開したら街に被害は出ないけど、ソフィちゃんが死んじゃう。
そしたら今もソフィちゃんを追って接近してきてるリヴァイアサンが街を襲って、結局街が壊滅状態になってしまうだろう。
考えろ僕っ!きっと解決方法はあるはずだっ!
·····ダメだ、僕だけじゃ解決できないっ!
「こうなったら····· 『マジックエミュレータ:完全回復』っ!みんなはソフィちゃんが着水した時の大波を抑えてっ!」
『『わかった!』』
だから、僕だけじゃなくてソフィちゃんにも頼る事にした。
その方法は、ソフィちゃんを回復して彼女自身の力で止まってもらう方法だ。
『「·····ぅうん、はっ!ここはっ!?」』
そして前にソフィちゃんが大怪我をした時に自分に掛けていた魔法をコピーして放つと、ソフィちゃんの怪我が治って目覚めたようだ。
だが状況を飲み込めていないのか、大きくなった体に比例して大きくなった声が聞こえてきた。
そこで僕はソフィちゃんに気が付いてもらえるように、僕の魔力を声に乗せて話しかけた。
「ソフィちゃん危ないっ!!このままだと街に落下しちゃうよっ!」
『「マジでっ!?『飛翔』っ!」』
ブワッ!!
「よしっ!そのまま着水してっ!」
『「おっけー!」』
バッッッシャァァァアン!!!
無事に魔法で減速と姿勢制御をしたソフィちゃんは、街の目前の海に降り立った。
すると足元に大波が発生したが、みんなの働きで波がすぐに抑えられて被害は出なかった。
『「あっ!みんなありがとー!」』
「うん!それよりソフィちゃん!リヴァイアサンが近づいてきてるよっ!!」
『「うわわっ!ヤバっ!」』
だが脅威はすぐそこにまで迫っていた。
全身に雷と水を纏った巨大なリヴァイアサンがすぐそこまでやって来ていたのだ。
「ソフィちゃん!街が!」
『「分かってる!来いっ!『ソフィアの槍』っ!」』
キランッ
ソフィちゃんがそう言って手を前に出した瞬間、遥か遠くの海上で何かが輝いた。
◇
ヒュゴァァァァァアアアアアア!!!!!!
パシッ!!
『「よっ!とぉう!!」』
そして私はリヴァイアサンより遥かに早い速度で飛来してきたソラ色の槍を掴むと、投擲の姿勢を取った。
更に槍は投擲形態に、左右の刃部分が中央の槍部分に近付いて合体し、三股の槍が1つの穂先へと変化した。
『「みんなっ!街の周囲に結界を張って守って!」』
「わかった!みんな守るよっ!」
『『ーーー』』
私の耳にはフィーロ君の声だけが届いていたが、微かになかよし組のみんなの声も聞こえてきていた。
フィーロ君の判断は的確だった、声に魔力を乗せてくれたお陰で遠く離れてても私の耳にフィーロ君の声がハッキリ聞こえてたのだ。
『「街に被害が出るなら、なりふり構ってられる暇は無いか····· 『ソフィアの槍』覚醒」』
キィィィィイイインッ!!!
私は槍のチカラを覚醒させると、青白く煌めく槍を構え、投擲の姿勢を取った。
それと同時に、私目掛けて一直線に進んでいたリヴァイアサンが口を開き、さっき放ったのとは比べ物にならない、全身全霊の一撃を放とうとしてきていた。
あれが放たれたら、例え街を守っていても余波だけで相当な被害が出る。
その前に、ヤツを倒すっ!!
『「いっけええええええええええっ!!」』
『Kyriiiiiiiiaaaaaaaaaa!!!!』
私は助走を付けて槍を思い切り投げ飛ばす····· その瞬間、世界がスローモーションになった。
そしてその遅延した世界の中で、私と『ソフィアの槍』だけが等速で動いていた。
それこそがこの槍の力、相対時流加速だ。
その遅延倍率は街の周囲という事も考え1/100、等速で見れば100倍の速度で加速し相手を穿つのだ。
その遅くなった世界の中で、私は槍を全力全開で投げ飛ばし·····
ドッゴォォォォォォオオオオオオオオオンッ!!!
等速になった世界に一筋の青白い光の軌跡が走り、マッハ200という常識外れの速度に加え空間を引き裂く程鋭い切っ先が空間を断裂する際のエネルギーにより空中電子がプラズマ化、約240万度という恒星の如き熱を帯びてリヴァイアサンの真正面から直撃した。
マッハ200というあまりの速度を認知出来なかったリヴァイアサンは、そのまま槍が口蓋上部を貫通し脳を破壊して頭頂部から抜け、頭部に大穴を開けて即死した。
そしてリヴァイアサンを穿ったソフィアの槍は、そのまま宇宙の彼方へと飛び去っていった·····
ちなみに飛びすぎて火星にぶっ刺さってたから後日泣きながら回収しに行った。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「うーん····· やっぱりエグい威力だなぁ····· 普段使いにはちょっと不便かも·····?」
名前:アルム
ひと言コメント
「そ、ソフィちゃんにバストを抜かされちゃった·····いや、全体のバランスからするとギリギリBカップで変わってないけど、私の体より大きい·····」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「·····こんだけ魚を焼いてて今更気がついたんだけどさ、ソフィちゃんってもしかして元の大きさに戻れたりするのかな? あれなんで僕こんなアホな事考えてたんだ??」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「ほんと大暴れしたわね····· まったく、後処理はどうするつもりなのよ·····」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「ソフィちゃんすごーい!なんか、こう、でっかいのとでっかいので戦うのすごい!あっ!わたし頭の上とかのってみたい!」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「·····これは流石に騒ぎになりすぎるのじゃ、鎮圧が面倒くさそうなのじゃ」
名前:ミカちゃん
ひと言コメント
「·····はっ、あれだけおっきいなら、夢のおっぱい布団ができるかも、そふぃちゃん、あとでのせて?」




