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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
238/298

独白




 私がずっとずっと、みんなに黙っていた事


 私の両親も兄も知らない、隠しておきたかった事実


 彼に伝えなくてはいけない真実






 それは『私が異世界転生した男』だったという事だ




 



「ずっとずっと、隠してたの」


「知られちゃったら、みんなに、君に、嫌われると思ってたから」



「でも、君の告白に答えるには、伝えなきゃいけない事だから」



「本当は誰にも知られたくないし、知らなくても世界は普通に回っていく····· でも、君には知ってて欲しいの」

「受け入れてくれなくてもいい、ただ、聞いて欲しいだけなの」


「聞いたら私の事が嫌いになるかもしれない」


「だけどっ!伝えなくちゃいけない事なの·····」



「·····わかった」




 ·····元男で、異世界からやってきた私は、この世界の存在じゃない。

 本当はなかよし組のみんなの学校生活は、私抜きで成り立っていて回っているはずの物語だった。


 なのに、私という存在が後から現れて、みんなが繰り広げる紙芝居の上に、私が描かれた紙が貼り付けられた割り箸で外から侵入して、無理やりストーリーを書き換えてしまっている。


 元々異世界人で、元男だった、私のせいだ。



 バレれるのが怖い


 拒絶されるのが怖い


 皆に嫌われるのが怖い


 この楽しい日常が崩れるのが、怖い



 1度全てを失った私は、この世界に転生して入り込んだ事で、新たな日常を手に入れた。


 だから、私はもう失いたくない、



 私は嘘に嘘を重ね、明るい無邪気な女の子をひたすら演じて隠してきた。


 今まで散々アホをやったのも、全部、全部、私の本当の姿を見せたくなかったから。





 本当の私は、臆病なんだ。





 だから、彼に私の支えになって欲しいんだ。

 私の、理解者になって欲しいんだ。





「·····私はね、本当はこの世界で生まれた存在じゃないんだ」





「·····どういうこと?」



「異世界転生って知ってる?」



「伝説の勇者たちが来た時の魔法の事?」



「似てるけど違うよ、転生は『死んで生まれ変わる』って意味なの、異世界転生は死んだ人が別の世界で生まれ変わる現象の事なんだ」



「·····ソフィちゃんは、違う世界から来たの?」



「魂と記憶だけはね、肉体はこっちの世界で作られたモノだよ」



「つまり、体はフシ町、魂と記憶は違う世界····· 校長先生と同じ世界から来たって事?」



「うん·····」



「·····なんか納得した、ソフィちゃんの作る物って僕達じゃ思いつかないような物ばっかりだったから」


「·····」


「僕は凄いと思うな、違う世界の物をこの世界でも作るなんて、だから·····」



「違うのっ!!」



 ·····別に、異世界人だったなんてどうでもいい。

 この国には、私たちの学校には、元日本人の先生もいるから、異世界人は普通に受け入れられてる存在だ。


 そんなことは私もわかりきっていたし、言わなかったのは異世界人だってバレたら、幼い私では対応しきれない問題に発展するからだ。



 それよりも、私が隠したかった事は·····



「私が隠しておきたかったのは異世界生まれなんかじゃないっ!」



「私はっ、私の、前世は····· ぜんせは·····」



 伝えようとすると、怖くて、苦しくて、辛くて、今まで嘘をつき続けていた私に嫌気がさして、言葉が出なくなる。



 声が出ない


 怖い


 伝えたくない


 嫌われたくない


 みんなに可愛いって言われたい


 秘密にして、みんなと、ずっと、女の子として、一緒に、いっしょにずっとずっとずっと、なかよくしてたかった



 嫌だ

 嫌われるの、いやだ



「っっ····· 」


「大丈夫っ!?」


「近寄らないで·····!」



 私は1歩歩み寄ったフィーロ君から離れ、柵際まで下がると、ぽつりぽつりと独白を始めた。



「·····私は、君が思ってるような人じゃない、私の前世の名前は『藤石 賢人』、今の年齢の倍 27歳の男だったの」


「もう、耐えきれないの····· 14年間、この世界で女の子として生きて行こうと思って生きてきた」



「けど、過去は消えない」



「私は必死に女の子になろうと頑張ってた、スイーツを食べてみたり、可愛いもの集めをしてみたり、おままごともしてみた、オシャレもお化粧も、君に·····恋だってしてみた」


「でも、どんなに足掻いても私が男だった過去は、消えなかったんだ·····」


「中身が男の小娘が、無理して女の子のフリをして、変なキャラを演じて、男っぽい所を誤魔化して、みんなを騙して生きてきただけだったんだ·····」



 言った


 言ってしまった



 ずっとずっと、かくしてたこと




 好きだった人に、1番隠していたかった人に




「ねぇ、フィーロ君····· 私どうしたらいいの」


「私、男なのに、フィーロ君の事が好きになっちゃった·····」



「·····君の告白に告白されたの、すっごく嬉しかった」


「すぐにOKって言いたかったし、君と付き合いたいってすごく思う····· だけど、こんな紛い物の女じゃなくて、もっといい子は居るんだから、考え直して·····」


「アルムちゃん、グラちゃん、ウナちゃん、みんな君の事が好きだし付き合ってもいいって思ってる、だから·····





 私なんか好きになっちゃ、ダメ、だよ





挿絵(By みてみん)





 私は全てを彼に打ち明けた。


 もう、私にはどうする事も出来ない。




 ありとあらゆる魔法を使える私でも、人の心を変える事は出来ない。


 『泡沫ムゲンの眠り姫』で無理やり事実を捻じ曲げる事ができたとしても、それは本当の気持ちじゃない。

 そんな卑怯な手を使ったら、私の心がより蝕まれ、耐えきれなくなっちゃうから。



 嘘をつき続けていた私が言えた事じゃないのはわかってる。


 ワガママな男ってことも、卑劣な女ってことも、わかってる。



 でも、私は·····



「·····それでも、私んむっ!!?」

「っ!!」



 私の視界いっぱいに、今まで感じた事も無いくらいいっぱいに、フィーロ君の顔が広がった。


 彼の息遣いがかつてないほど近くに感じられる。


 彼のプルっとした唇が、私の唇に触れている。


 彼の温かみが唇を伝って私に伝わってくる。



(あっまつ毛長い·····)



「·····っっっ!!!??!!!??!!?」


「ん·····っ!」



 っ!!?


 まつ毛観察してる暇じゃないわっ!!!!!?!!


 えっ!!?えっえっえええっえっええっっっ!!?



 ききききききききききききキスっ!!?!!?



 確実に今私の唇とフィーロ君の唇が触れてる!?



 キスとは唇で相手の唇、頬、額、その他の部位に触れる行為。恋愛感情や、愛情を背景に行われることが多いが、親密さや歓迎を表現する挨拶としても行われる、特に唇同士の接触は愛情表現や恋愛感情を示し愛情を確認し合う行為としてホモ・サピエンス、この世界ではマギ・サピエンスの間で行われる行為であり、口づけ、接吻と呼ばれる行為で、この状況は高確率で恋愛感情や愛情によるモノのはず·····



 っ



 て



 こ



 と



 は



 ・


 ・


 ・






「んんんん〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!?♡」


「んっ·····」



 色々聞きたいのに、彼が唇も、抱きついた体も離してくれないっ


 彼が答えてくれたんだから、私だって言いたいのに·····



 ·····こうなったら、私も行動で示すしかない。




「んっ♡」


「んんんっっ!!?」



 私はフィーロ君に抱きつき返して、より深いキスを、大人のキスをした。


 唇同士が触れるだけのキスよりも、もっともっと強い愛情を伝えるキス。


 箱根の特務機関の三佐がしていたのと同じ大人のキス、ディープキスだ。



 流石にこれにはフィーロ君も驚いたのか、ガバッと顔を離して甘い甘い時間は終わってしまった。




 そして、彼がその想いをぽつぽつと語り始めた。




「僕は、ソフィちゃんの前世を知らない」


「僕が知ってるソフィちゃんはね、テンションが高くて、無茶やって、僕やみんなにイタズラしたケラケラ笑って、やり返されて泣いて、ズボラで、真面目で、可愛くて、優しくて、初めて会った僕に馬車の中で抱きついて話しかけてイタズラしてくる、そんな面白い女の子なんだよ」



「前世とか昔とか関係ないっ!僕が好きになったのは、今の君なんだっ!!!」



「もう一度言うよ、ソフィちゃん、僕はソフィちゃんの事が好きですっ!ソフィちゃんの心配事も悩み事も、僕が一緒に抱えてあげるから!だから僕と、付き合って下さいっ!」


「フィーロ君·····私も、君のことが好き····· うんん、大好き、愛してる、好き、好き、大好きっ!!私とずっとずっと一緒に居て欲しい、私のそばに居て、私の事を守って欲しい、ただひたすら私だけを見て、私の事を愛してほしいっ!」


「だから、私と····· 付き合って下さいっ!」



「·····うん、ソフィちゃん、これからもよろしくね」

「フィーロくん····· んっ♡」



 私はいつのまにか背が高くなってたフィーロ君に、ちょっと背伸びをしながら抱きついて2度目のキスを、舌を絡め合う大人のキスをした。



 そのキスの味は、幸せの味だっだ。





「ぷはっ·····」


「はふぅ·····」



「フィーロくん····· 帰ったら続きをしない?」

「うん····· でも、いいの?」



「んふふ····· そろそろ帰ろっか」



 私はフィーロ君と手を繋いで、指と指を絡める恋人繋ぎと呼ばれる繋ぎ方で、肩を寄せあって2人並んで宿泊所に向かった。




名前:ソフィ・シュテイン

年齢:14歳

ユニークスキル:『ソフィの石』

恋人:フィーロ

ひと言コメント

「そっか、前世があっても私は私なんだ、んふふ····· 悩んでたのがバカみたいじゃん、·····ほんとに幸せ者だなぁ、私って」


名前:フィーロ

年齢:15歳

恋人:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「ソフィちゃんが元々男だったって聞いて驚いたけど、それでも僕はソフィちゃんの事が好きだから性別なんて関係ないよ」



名前:ヤバい事を聞いたなかよし組


アルム

「えっ!?ソフィちゃんって元々男の子だったの!?だから女子力低かったのかぁ·····」


グラちゃん

「異世界·····お姉様と同じ世界なのかしら?」


ウナちゃん

「どっちかと言うとソフィちゃんよりアルムちゃんの方がスケベな男子っぽいよねヘンタイだし····· あっなんでもないよ?ソフィちゃんが男の子って聞いて、わたしビックリしちゃった!」


エビちゃん

「なんかウナの黒い部分を見た気がするのじゃ····· あと甘過ぎて砂糖が出なくなったのじゃ、ユニークスキルが壊れたのか『品切れ』とか書かれておるし·····」


ミカちゃん

「ん、ふたりともおめでと」



フィーロ&ソフィ

「「続きはノクターンで見てね!」」


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