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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
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告白はディナーの後で


 私は前菜のカプ····· なんだっけ?


 やっべ忘れた·····


 とりあえずチーズと生ハムとトマトが乗って香草のソースが掛かったやたら皿がデカい前菜を綺麗にパクッと食べた。



「うま····· いや、美味しいっ」


「·····なんで言い直したの?」

「いや、お上品に言うべきかなって·····」


「たしかに」



 美味しいとは言ったけど、ぶっちゃけ味がほとんど分かんない。

 いや美味しいんだよ?


 でも緊張してて、雰囲気に呑まれて味がほとんどわかんないわ。


 でもめっちゃ美味しいのは確かだ。



 だけどひと口サイズだからあっという間に食べおわってしまったのはちょっと残念かも?

 腹ぺこな私たちガキンチョにはちょっと少なかったなぁ·····



「お待たせしました、こちらはスープの『スープ・ド・ポワソン』でございます」


「おおぉ····· すっごい魚介·····」


「美味しそう·····」



 続いてやってきたのは、ポタージュみたいな感じのスープだった。


 しかしただのポタージュじゃない。


 めっっっっちゃ魚介。


 いや語彙力が足りないのは分かってるよ?

 でも魚介としか表せないくらい魚介なんだ。


 私の庶民レベルの馬鹿舌と鼻じゃよく分からなかったけど、中々強い魚系の香りの中に混ざって甲殻類の香りが漂ってきている。


 あとは香辛料っぽい香りもある?


 何にせよ、飲まなきゃなんも言えないから早速飲んでしまおう。


「「いただきます·····」」



「めっ·····凄く美味しい·····」


「濃厚だ·····」



 めっちゃ美味しい。


 これは飲むスープじゃない、食べるスープだ。

 それくらい濃厚でインパクトのある味だ。


 なんて言えばいいかな、うん、魚とカニに思い切りビンタされたような旨みって感じだ。


 我ながら意味不明だけど、とにかく美味しいって事が伝わってほしい。



「レシピ·····気になる·····」


「いや絶対秘密だと思うよ?」


「·····閃いたっ」



 私はスプーンでスープを掬うと、口の中に入れ·····ると見せかけ、口の中に展開したインベントリの入り口に突っ込んでスープを保管した。


 少しゲスい方法だけど、これを呼び水にして魔改造水魔法でコピーしてあげれば何時でも無限にコレが食べられるっていう訳だ。


 ·····まぁ、いつかは自分で作るつもりだから参考資料としてね?



「おぉ·····ソフィちゃん、パンにつけて食べても美味しいよ」


「ホント?·····うわ本当だ」



 確かにこれはご飯というよりかはパンで食べた方が美味しいわ。


 まぁシチューご飯みたいな感じで食べれない事も無いというか絶対美味しいけど、今日の気分はパンだったからめっちゃ美味しく感じられた。





 次に出てきたのは魚料理だった。


 ウェイターさんの説明によると、金目鯛の香草焼きらしい。


 まぁ名前はそうなんだけど、正確にはバターを使った揚げ焼きみたいな感じでガーリックやその他のハーブの香りがめっちゃして良い香りだ。


「んふっ」


「んむっ!?」


 柔らかくてホロホロの身を口に入れると、じゅわっとバターと金目鯛の脂が合わさったジューシーなスープが口の中に溢れ、焦がしバターソースには·····何これ?鑑定!·····ケッパー?っていう緑のヤツとトマトが入っていて酸味がアクセントになってめっちゃ美味しい。


 ·····さっきからめっちゃ美味しいとしか言ってないけど、私と編集中の私の語彙力が足りてないだけなので許して欲しい。



「美味しいっ、めっちゃ美味しいっ!」


「昼に食べた煮付けと全く違うのに、同じくらい美味しい·····」


「わかる、煮付けも脳汁がドバドバ出るくらい美味しかったけど、こっちもめっちゃ美味しいよね」



 後々知ったけど、どうもここの料理長は元々王宮で働いてた王宮料理人らしくて味は1級品だとウナちゃんが言ってた。

 ウナちゃん曰く彼の作るプリンは美味しいらしい。

 苦味のないカラメルソースを作れてバケツプリンをあそこまで綺麗に作れるのは彼しか居ないとか、居なくなって悲しいとか色々教えてくれた。


 ·····プリン以外の腕前も聞きたかったんだけどなぁ。





 魚料理を堪能した後に出てきた料理はなんと肉料理だった。


 ·····私の記憶だと一旦冷たいデザートで口直しだったはずなんだけど?


 いやまてよ?

 この世界には冷蔵庫なんて都合のいい物は無い。

 いやあるっちゃあるけど魔道具で高級品だし、この世界の歴史から考えると伝統的っぽい料理だったらアイスが付いてこない可能性も充分有り得る。



 ·····じゃあ肉でもいいのかな?


「ソフィちゃん食べないの?」


「あっ、もちろん食べるよ」



 確か·····

 何の肉だっけ?


「(ミドルワイバーンだよ)」


「(ありがとっ!)」



 そうそう、ミドルワイバーンだ。


 ミドルワイバーンはそんなに大きくない中サイズのワイバーンだ。

 ドラゴンとワイバーンの違いについては前世でよく議論になってたけど、この世界では大雑把に説明するとドラゴンは四足+背中から翼(に相当する器官)があるドラゴンという魔物、ワイバーンは前足が翼になっているトカゲ系の魔物って感じだ。


 ちなみにドラゴンはこの翼に関しては『翼』である必要が無く、飛膜のある腕みたいな感じのヤツとか、翼が魔法のジェットエンジンみたいになって彗星みたいに飛ぶやつも居る。


 というかそもそも翼が無いヤツも居るけど、そこら辺は見た目と魔力で判断してドラゴンか否かを判別されるらしい。

 ちなみにちなみに、いつかの『賢者の杖』で爆撃したダンジョンのドラゴンには翼が無かったりする。



 まぁそんなことはどうでもいい、この肉は『ワイバーン』系の肉なのだ。


 ドラゴン肉は昔食べた事があるけど、脳汁ドバドバになって美味しすぎて1週間経っても記憶だけでご飯を10杯くらい食べられるくらい美味しかった。



 そんでワイバーンなんだけど、こっちもかなり美味しい。


 ドラゴンに比べると肉質がちょっと硬くて味も劣るんだけど、それでもオーク肉とかと比べるとめっちゃ美味しいし、ちゃんと処理をすると肉質も物凄く柔らかくなってぽわぽわの綿みたいに柔らかくなるのだ。


 逆に言えば、調理方法が悪いとあんまり美味しくないって訳だから、ワイバーン肉をうまく調理できるか否かがシェフの評価を左右するとまで言われてる。



 そして·····



「うっっっっ·····」


「大丈夫?」


「まぁぁいっ!!」


「·····良かった」



 思わず溜めが出来てしまうほど美味しかった。


 さすが高級店、普通に焼くとスーパーの安物の肉みたいな『テメーはタイヤか!』ってツッコミ入れたくなるくらい硬くなる肉が、歯も要らないくらい柔らかくなっている。

 ちなみに下手な焼き方のワイバーン肉はエビちゃんでも噛みちぎれない。


 そんでしかも焼き加減も当然だけどソースも美味しい。

 何味かわかんないけど、酸っぱくてフルーティーだから多分ビネガーとかなんかだと思う。


 これがまたいいアクセントになって、ほんのり脂が乗ったワイバーン肉と相性抜群だった。



「んふふふ、美味しっ!」


「うんっ、凄く美味しい」


「私の手料理とどっちが美味しい?」


「···············」


「んふっ」



 心優しいフィーロ君は、お店の中でどっちが美味しいとか優劣を付ける様な事は言いたくなかったのか黙って肉を食べていたけど、私の事をじっと見ていた。


 きっとそれが彼の答えだろう。


 その後食べた肉はなんかちょっと美味しかった。



「デザートです」


「おおぉ·····」


「チョコだ·····」


 そしてこのコースの最後を飾る料理が運ばれて来て、私たちは困惑した。


 なんというか、チョコでできた上が凹んだボールみたいな感じで、その凹みには何やらシロップらしき液体が入っている。


 どう食べたらいいんだろ·····?



「では失礼します」


「にょあはっ!?」

「わっ!?」


 液体の正体が分かったわ。


 ブランデーだわ。


 ウェイターさんが魔法で火をつけて燃やしたから分かったわ。


 そしてそこからが凄かった。

 アルコールによって生じた炎がチョコレートを溶かしてその包みを開き、中に入っていたフルーツにチョコレートが掛かってすっごくオシャレだ。


 というか見えなかったけど、これ下にケーキっぽい生地があったってことはケーキなのかな?



「「いただきます·····」」



 私たちは火が消えたのを確認すると、スプーンを使って早速1口食べた。


「「っ!」」


 めっちゃ美味しい、驚くくらい美味しいわ。

 いや今日何回驚いてるんだって言われそうだけど、何回でも驚けるわ。


 少し暖かくなったチョコとブランデーの風味がするフルーツと生地が合わさって、口の中で舞踏会が始まったようだ。


 ·····なんて頑張って食リポしてみようと思ったけど意味不明になってしまった。


 まぁアレよ、めっちゃ美味しいオシャンティーなフルーツチョコケーキって感じよ。



 あまりにも美味しくて、はしたなくない程度にがっついて食べてしまった結果、デザートの時間はあっという間に終ってしまった。


 それはつまりこの豪華なディナーも終わりということだ。



「·····ソフィちゃん」


「なぁに?」


「この後、宿泊所に帰る前にちょっと散歩しない?」


「·····んふふ、いいよ」



 ·····はぁ、緊張する。


 この後、私は彼に告白するつもりなんだから·····



 告白はディナーの後で·····なんちゃって☆


 いや冗談言っても落ち着かないわ·····


 うわあぁぁあああっ!!

 めっっっっちゃ緊張するうううぅぅぅぅっ!!!



名前:ソフィ・シュテイン

年齢:14歳

ひと言コメント

「あぁ美味しかった·····幸せ····· さて腹拵えも済んだし、急いで魔法で口臭ケアしないと!·····って私、なんでキスする前提で考えてんの!?!?!?」


名前:フィーロ

年齢:15歳

ひと言コメント

「ぶっちゃけ緊張しすぎて味がほとんど分かんなかった····· まぁ美味しかったけど····· 落ち着け僕····· 頑張れ僕····· おっとその前に口臭ケア魔法使わなきゃ、·····って、なんで僕ソフィちゃんとキスする前提で考えてるんだ!?」


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