ぶらり街歩きデート!
靴の中の砂を魔法で出した私たちは、2人一緒になってルーラル街の観光地にしてこの街のメインストリートにやって来ていた。
「うわぁ凄い····· 普段は避けてるから新鮮だわぁ」
「えっ!?ごっ、ごめん····· 避けてたなら別の場所いこっか」
「いやいや違う違う!見てたら全部欲しくなっちゃうっていうか、気になったもの全部買っちゃうからさ·····」
「あっ·····」
「昔みんなにも言われてから自制してるのよ?こう見えて」
そう、私は前世からそうだったんだけど、こういうお土産屋とかに行くと、少しでも『欲しい!』と思った物があったら即買ってしまったり、全部欲しくなってお金が足りなくて困るってことが良くあったのだ。
だからこういうお土産屋とか観光地特有の変な物が売ってるお店を見かけるとつい全部欲しくなっちゃって、ウズウズしてしまうのだ。
懐かしいなぁ、前世の頃は北海道に行くたびにクマの木彫り買って帰ってくっそ怒られてたなぁ·····
「·····よし!行こっ!早く行こっ!」
「わわわっ!?ちょっ!?全部買う気っ!?」
「そうなりたくなりならフィーロ君が私の手網をちゃーんと握っててね?·····もちろん私も自重するつもりだけど」
「わかったよ····· お小遣いは3000円だからね?」
「ええーー!!!?少なすぎるよっ!!」
「ぷぷっ、冗談だよ?」
「もうっ!行くよっ!」
フィーロ君も浮かれていたのか、珍しく冗談を言ってきたからちょっぴり驚いてしまった。
驚いたというかガチで信じてしまった。
·····まぁいいや!
フィーロ君の珍しい一面も見れたし、目の前には魅力的なお店が沢山あるんだ。
私はもう早く行きたくて仕方ないので、フィーロ君の手を掴んで先程とは逆に引っ張りながら商店街へと突撃して行った。
◇
「フィーロ君これ見てよ!マジ可愛くない?」
「えっ!?·····うーん?」
「·····えっ?キモ可愛くない?」
商店街にやってきた私が真っ先に入ったお店は、いかにもお土産屋らしい雑多なお土産屋が沢山置いてある店だった。
そこで私が手に取ったのは、逆半魚人という感じで上半身が魚で下半身が人型という、なんとも言えないジワリティ値が高い置物だった。
「うーんうーん·····」
「まぁ保留でいいや」
私は逆半魚人の置物を元の棚に戻して、別のモノを探しに行った。
「これどう?」
「なになに·····うわっ!?」
「シャチブリのリアルなガラス細工ってなかなかジワリティ高くない?」
「·····ジワリティ?っていうか高っ!?」
確かにこのシャチブリのガラス細工はめっちゃ高い、1つ5万円もするからねっ☆
·····本物が1匹数十円だったのを考えると高すぎる気がするけど、めっちゃリアルだから仕方ないだろう。
だって本物はすぐ腐るし。
「これも保留でいいや、なんか他にジワリティ高いの無いかなぁ·····」
「だからジワリティって何?」
「あっ!あっち行ってみよ!」
「ソフィちゃん·····ん?」
私はフィーロ君を置いてけぼりにして、ジワリティ率高めな物が置いてあるエリアに向かった。
そこはブサカワ深海魚のぬいぐるみが沢山置いてあるエリアで、私が好きなブサカワやキモカワ系な深海魚が沢山居た。
「メンダコにミドリフサアンコウにシャチブリに·····うわっ!?ニュウドウカジカにダイオウグソクムシまで!?うわぁめっちゃ欲しいんだけど····· フィーロ君はどれがいいと思·····あれ?」
私が深海魚のぬいぐるみに興奮してフィーロ君の方を振り返ったつもりだったが、そこにフィーロ君はいなかった。
「あれ?どこいったんだろ·····いたっ!」
お店の中を見渡すと、フィーロ君は私の居るエリアとは別のぬいぐるみエリアに居た。
そして何かをジーッと見つめていた。
「むぅ、可愛い可愛い私を放置して何見てんのよ·····」
ちょっぴりジェラシーな私は、気配を消してフィーロ君の後ろに回り込んだ。
そして手に持ったニュウドウカジカのぬいぐるみをフィーロ君の目の前に出してビックリさせようとして、彼が見ていた商品が目に入った。
およ?なんか、すっごく可愛らしい·····
彼が見ていたのは、海のアイドルと呼ばれるカワウソの親戚の魔物『ウミウソ』とモフウサの海バージョン『モフアザラシ』のぬいぐるみだった。
「うーん····· どっちも可愛い·····でもまずはこっち·····いややっぱりこっち·····うーんうーん····· どっ、どっちも····· いやソフィちゃんに無駄遣い云々って言ったからやっぱりダメだ·····」
そしてフィーロ君は悩んだ末に両方のぬいぐるみを棚から取り出すと、乙女みたいにキュッと抱きしめてモフモフモフモフし始めた。
だけど周囲をキョロキョロと見ると、残念そうな顔をして棚に2つのぬいぐるみを戻すと、頭を優しくポンポンっと叩いてどこかに行こうとしていた。
えっ何あれ可愛いんだけど!?
私もフィーロ君に抱き着いてぬいぐるみみたいに扱っていいかな、いいよね!?
私はもう乙女心がオーバーフローして、僅かに残る男としての理性をも蹴飛ばして後ろから抱きついてモフモフしたくなったが、アダマンタイトの意思でなんとか堪えた。
ほんとマジでめっちゃ堪えた。
変なこと考えてるけど、理性をぶっ飛ばさなかっただけマジで凄いと思うから褒めて欲しい。
そして私は前世の記憶を限界を超えた限界の先まで全て掘り出し、完全攻略したR18を含む数多のギャルゲーのシチュエーションを思い出してその中から今の状況と似ていて最適な行動を瞬時に割り出した。
「あっ、これ可愛いじゃん、買っちゃおっと」
「あっっっ!!?」
私はフィーロ君の横をヌルッと通り抜け、彼が置いたぬいぐるみを買い物カゴの中に優しく入れた。
もちろん見られるのが恥ずかしいはずのフィーロ君の方は見ないようにしてだ。
まぁ視界の縁には写ってるんだけど、一瞬ビックリした顔をして恥ずかしそうな嬉しそうな顔をしたのを見て、私は発狂しかけるくらいしゅきゲージがオーバーフローしてニヤニヤ顔になったけど必死で堪えてでも絶対顔に出てるから見られないようすぐにそっぽを向いて深海魚コーナーに向かった。
「そ、ソフィちゃん、そのぬいぐるみ·····」
「んふふ、無駄な買い物は私の役目でしょ?私が欲しいって思ったんだから気にしなくてもいいよ」
「ソフィちゃん、ありがと·····」
「んふふっ、どういたしましてっ!」
ぬいぐるみを買った私の後をフィーロ君がトコトコと付いてきてきた。
私はその様子を千里眼を使ってこっそり見ていたが、その顔は永久保存確定だったとだけ言っておこうと思う。
だって困り顔だけど恥ずかしそうに嬉しそうな顔をしてるなんてマジで可愛すぎない?
はぁ····· 私もショタ喰いお姉さん(※私が年下)になっちゃいそう·····
でも幸せだからOK!!
「あっ、メンダコとダイオウグソクムシのぬいぐるみ買っていこっと」
「えぇ·····」
◇
「お買い上げありがとうございましたー」
追加でやたらリアルな深海魚の置物やポストカードをカゴに入れた私たちは、お会計を済ませて店の外に出てきた。
「じゃあ次のお店行こっ!」
「うん····· いいの?僕払うよ?」
「いいのいいの、はいこれ、フィーロ君欲しかったんでしょ?」
「う、うん·····」
私はフィーロ君に特大サイズのウミウソともふもふアザラシのぬいぐるみが入った布袋をフィーロ君に差し出した。
そして彼は袋を受け取ると、中身をチラッと見て顔を緩ませた。
「あふんっ♡」
「ど、どうしたの?」
「なっ、なんでもないっ⤴︎ 」
私はその緩ませた顔が可愛すぎてキュンっとしてしまい変な声が出たし語尾がおかしくなってしまった。
やっぱり、私はフィーロ君に完全に惚れてるんだなぁ·····
顔も良いし、優しいし、気弱だけどいざとなれば自分を犠牲にしてでも誰かを守る覚悟と勇気もあるし、頭も良いし、可愛いし、心優しいし·····
マジで100点満点·····
うん、点数で表せないわ、例えるなら9999不可説不可説転億兆万点だわ。
「んふふ、じゃあしまったら次いこっ!」
「うん、ソフィちゃんほんとありがとうね·····」
「んへへ····· どういたしましてっ!」
私はフィーロ君の手を取ると、2人一緒に仲良く並んで次のお店へと向かった。
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:14歳
ひと言コメント
「あぁ·····もしフィーロ君が前の世界に居たら絶対にアイドルグループとかにスカウトされてただろうなぁ····· 今ならアイドルグループの人に女性がキャーキャー言ってたのがわかる、これ絶対言っちゃうわ」
名前:フィーロ
年齢:15歳
ひと言コメント
「ソフィちゃんがカッコイイ·····でも本当は僕がカッコイイ事しなきゃいけないのに····· あぁでもやっぱりソフィちゃん優しいし照れ隠しするのも可愛い·····」
名前:なかよし組
アルム
「流石にお店の中に入るとバレちゃうから入れないから外から見るしかない·····くっ!中で甘々してるっ!近くで見たいっ!」
グラちゃん
「·····後で私ももふもふアザラシのぬいぐるみを買おうかしら?」
ウナちゃん
「ソフィちゃんのセンスがよくわかんない·····でもメンダコさんは可愛い!」
エビちゃん
「あのダイオウグソクムシ····· なかなか良いのじゃ、おっとアルム、次の砂糖袋を頼むのじゃ」
ミカちゃん
「·····あのぬいぐるみ、枕にしたい、ダイオウグソクムシはやだ」




