やっとデートらしくなってきた·····かな?
朝市で魚を買って、有力な情報を手に入れた私たちはお店の人に教えてもらったお店へと向かっていた。
「どんなのがあるかなぁ、フィッシュアンドチップスとかハンバーガーが食べたいなぁ」
「確かにフィッシュアンドチップスもいいね、でもあれ当たり外れあるから·····」
「いや流石に市場なら大丈夫でしょ」
アレがマズいのは、イギリスの料理が下味を付けないのが悪いし、揚げ時間とか油の温度も悪くて衣がグジョッとなってしまうからなのだ。
あと魚の下処理が悪いからとも言われているらしい。
日本で食べた時はめっちゃ美味しかったから、絶対料理の仕方が悪いに違いない。
そしてこの国にはとあるダンジョンで様々なスパイスを採れる魔物が出現していて、しかもダンジョン内には年中スパイスが実る植物が生えてる。
だからスパイスが安く手に入るし、下味を付ける文化が発展してるし、料理に対するこだわりも強いから美味しいに決まっている。
不味かったら私がお店を買収して美味しくしてやるわ。
「そ、ソフィちゃん?顔が怖いよ·····?」
「あっ、ごめんごめん、確かこの辺りだっけ?」
「だと思うけど·····あっ!アレじゃない?」
「おお!あった!」
フィーロ君が指さした先には看板にこっちの言葉で『魚好き』と書かれたお店があった。
うん、ポップにデフォルメされた、三枚おろしにされた魚が自分の切り身らしき魚を食べてる意味不明なイラストがあるのは気にしないでおこう。
「·····すっごくいい香りする」
「だね、じゃああそこでご飯を買って堤防のところで食べる?」
「フィーロ君ってもしかして天才?」
という訳で、私たちは『魚好き』というお店に入っていった。
◇
お店の中には優しそうなおばちゃんと、厨房に魚にはうるさそうなこだわりが強そうな若めのおっちゃんを筆頭とした料理人がいた。
「いらっしゃい、何か食べたいものはあるかい?」
「ちょっと見てもいいですか?」
「僕もなに食べるか決めます」
「はいよ、好きに見てってね」
魚好きのお店の中は割とシンプルな、海外のファストフード店みたいな感じだった。
そして壁に掛かっていたメニュー一覧を私たちは眺めて、何をたべるか決め始めた。
「あっ、フィッシュアンドチップスバーガーってある!私これにしよっかな·····」
「僕もそれがいいな、あとなんかもうちょっと·····」
「おっフグの唐揚げ!?安っ!」
「あとこっちにはココナッツバターパンケーキってのもあるよ?」
「よしそれも買う!」
「·····お昼ご飯食べられなくなるよ?」
「スイーツは別腹だよっ☆」
という訳で私は
・フィッシュアンドチップスバーガー
・フグの唐揚げ
・ココナッツバターパンケーキ
の3つを食べる事にした。
そしてフィーロ君はフィッシュアンドチップスバーガーとなんかの貝の串焼きを食べるようだ。
食べるメニューが決まったので私たちは店員さんの元に行って、早速注文し始めた。
「じゃあこれを2つ、あとこれとこれとこれをください、飲み物は····· フィーロ君はどうする?」
「うーん·····僕は炭酸オレンジジュースで」
「んじゃ私はトロピカルジュースで、あと全部テイクアウトでお願いします」
「あいよちょっと待ってね」
待つこと10分·····
「お待たせ、熱いから気をつけるんだよ」
「ありがとうございますっ!じゃあフィーロ君いい感じの場所探そっか」
「うん、あと僕が持つ·····熱っ!!?」
「ほら言わんこっちゃない····· 熱々のバーガーは私に任せて、フィーロ君はこっちのジュース持ってきて」
「うぅ·····ありがと」
フィーロ君が男気を見せてテイクアウトの料理を持っていこうとしたが、出来たて熱々だったハンバーガーを持った瞬間落としかけてしまった。
私はそれを空中キャッチして、代わりに熱くないジュースを差し出して持ってもらう事にした。
「んじゃ出発!」
「はーい」
◇
まぁ出発とは言ったけど、このあたりは港のすぐ近くな事もあって眺めのいい堤防はすぐに見つかった。
そこに私たちは腰掛け、のんびりとハンバーガーの包みを開けて景色をみながらかぶりついた。
「いただきまーす!はむっ!」
「いただきます····· もぐっ」
まずはお腹がペコペコなのでカロリーのあるフィッシュアンドチップスバーガーを食べた。
感想は····· めちゃくちゃ美味しい。
その名の通りフィッシュアンドチップスがそのまんまパンに挟まれてる中々イカれたハンバーガーだけど、衣はカリッカリサクサクで、芋は外がカリッの中はジューシーにモソっとしていて、野菜でトマトとレタスが挟んであり、ソースはタルタルとケチャップに少しマスタードが入ってる感じがする。
そして何より魚が美味しい。
身は白身で肉厚だけどフワッフワでジューシーな食感で、味は淡白だけど旨みはちゃんとあるし味付けもバッチリだ。
「美味しい····· 大当たりだ·····」
「だね、これかなり美味しいかも·····」
「じゃあほかのも期待できるかも!はむっ!」
今度はフグの唐揚げにかぶりつくと、これまた淡白だけど、先程とは桁違いの旨みが口の中に爆弾のように広がった。
しかもめちゃくちゃジューシーで美味いっ!
しかし·····
「あふっあふっ!!はふひっ!!?」
「だっ、大丈夫っ!?はいこれジュースだよ!」
「はひはほっ!!」
唐揚げはもうビックリするほど激激激アツだった。
あんまりにも熱いので、私はフィーロ君が差し出したジュースを一気に飲み込んっ
\ジュゴッ!!/
「〒÷♡7〄○*\㌚〆◆#¥〠€ ッッッッッ!!?」
「うわあっ!?」
買ったジュースが炭酸だったことをすっかり忘れていた私は、一気に飲み込んでビックリしてしまい鼻から吹き出してしまった。
むぐぐ····· 鼻がシュワシュワしてめっちゃ痛い·····
「·····見た?」
「·····ミテナイヨ?」
「·····忘れろッ!!『泡沫ムゲンの眠り姫』ッ!!」
私は現実改竄能力『泡沫ムゲンの眠り姫』を使って、鼻からトロピカルな色合いの炭酸ジュースを吹き出した事実を無かった事にした。
◇
「はぁ、このココナッツバターパンケーキめっちゃ美味しい·····あぁ太っちゃいそう·····」
「確かにカロリーヤバそうだね·····」
さっきの失態を無かった事にした私は、続いてデザートのココナッツバターパンケーキを頬張った。
すると、口に入れた途端フワッフワなパンケーキの中からココナッツの香りがするバターがジュワッと溢れ出てきて、同時にココナッツとか関係ない甘みが私の口を蹂躙した。
ハッキリ言おう、めっっっっちゃ美味しい。
確かにハンバーガーも唐揚げも美味しかったんだけど、こっちは別方向で美味しいのだ。
「あぁ美味しい·····脂肪と糖分は至福·····」
「また太るよ?」
「なんか言った?」
「ナンデモナイデス·····」
もう、これでも毎日ちゃんと筋トレしたりキノコ神拳の修行をやったりしてるんだからね?
リバウンドしないように頑張ってるんだから·····
まぁ毎日脂肪と糖分がたっぷりな物を食べてるせいで痩せないんだけどね?
むしろ筋肉がついたせいで少しずつ体重が増えてきてるし·····
「痩せたいなぁ·····」
「僕は今のままでも充分だと思うけど·····」
「えっ、そう?」
「だって昨日ソフィちゃんのお腹見た時さ、腹筋凄くてカッコイイなって·····」
「私は可愛いって言われたいの!」
「うえっ!?えっ、あっ、·····可愛いと思うよ?白色のワンピースに麦わら帽子、よく似合ってて可愛いよ」
「·····っっっ〜〜〜〜〜〜っ!!!?!?!?」
やばばばっばばぱばばっ!!?
一瞬思考が完全にストップしてたわ!!
えっ!?可愛いって!?私が!?フィーロ君が!?えっえっえっえっえっ!!!!?
「しょっ、そんなに、かわいい?」
「まぁ、うん·····」
·····マジでおめかしして来て良かったわ。
アルムちゃん、ほんとありがとう·····
私もう死んでもいいや·····
生き返るけど。
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:14歳
ひと言コメント
「わわわっ、私の事可愛いって····· にへへぇ·····」
名前:フィーロ
年齢:15歳
ひと言コメント
「うわっ、ソフィちゃんの顔が見た事ないくらいだらしなくなってる····· いつも秘密基地のソファでダラダラ寝てる時より酷い事になってるんだけど、そんなにパンケーキ美味しかったのかな」
名前:なかよし組
アルム
「あっ、このパンケーキ確かに美味しい····· 美味しいけど、なんでフィーロ君ソフィちゃんが喜んでるって気が付かないのかな」
グラちゃん
「うわぁ····· エビちゃん印の砂糖が既に特大5袋分も溜まったわ····· このペースで足りるかしら?」
ウナちゃん
「イチャイチャしてるー·····いつ告白したんだろ?えっ?まだなの?おっそ!!」
エビちゃん
「おぼろろろろっ!!はぁっ、はあっ、砂糖を、吐きすぎて、魔力が、足らんのじゃ····· じゃが、この日のために、大量に、魔結晶やら、魔石を、集めておいたのじゃ····· ガリュッボリッボリッ····· ふぅ、何とかなったのじゃおぼぼぼぼぼほろろろろろっ!!」
ミカちゃん
「·····きたない」
(※エビちゃん印の砂糖は不思議な力でとっても清潔になってます)




