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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
229/259

フィーロ君とのデートっ!


【建国1227年7月23日 午前6時30分】



 今日はフィーロ君と2人きりで····· デート?うーん·····街の探索?うーんうーん·····


 2人きりで遊ぶ!·····でいいかな?

 フィーロ君はみんなと遊べないから総当りで私のとこに来た可能性もあるし·····


「·····緊張しすぎて早く来ちゃった」


 集合時間まで1時間もあるけど、緊張しすぎて寝れたっちゃ寝れたけど早起きしてしまって、いても立っても居られなくなって着替えて集合場所である宿泊先の前に来ていた。


 しかも着替えると言ってもいつも通りのテキトーな服ではなく、事前にアルムちゃんと相談して決めたサマーファッションで、軽く髪のセットをしたり化粧水で顔をぷるツヤにしたりと色々やった上でこの時間に来てしまったのだ。



「·····2人きりってあんまり無かったなぁ」



 いつも私たちはなかよし組全員で行動してたから、誰かと2人きりっていうパターンは年に1度あるかないかくらい珍しい出来事だ。


 だが今日はそんな事よりももっともっと重要な出来事が起きるのだ。



 そう、私は今日のどこかのタイミングでフィーロ君に告白する予定なのだ。



 そう思った瞬間、私の心臓がドクンッと跳ね上がる感覚がした。



「·····もう完全に女の子になっちゃったなぁ」



 14年·····いや、ほぼ15年前まで私はこことは違う世界で、男として暮らしていた。


 だが私は死んで、こちらの世界で女の子として生まれ変わり、こうして元々は同じ性別であったはずの男の子に恋をしているのだ。


 でも、心の奥底に残る男の私が、元同性の男に恋をする事を拒んでいるような気もする。



 いや、違う。

 『男だった』その記憶、男だった私という存在が忘れられて、男の私が消えてしまうのが怖いんだ。



「·····でも私は私、性別が変わっても私は私に違いはない、体が変わったなら、私は女の子なんだ、もう戻らないって決めたから·····」



「あれっ?待たせちゃった?」



 好きな人の声


 振り返ると、そこには私が好意を寄せる相手、フィーロ君が居た。


 彼はいつもとは違う、かっこいい服に身を包んでいて、気弱でへにゃっとした困り顔ではなく凛々しくカッコイイ顔で私を見ていた。



「あっ!今来たとこだよっ!えへへ、楽しみすぎてちょっと早く来ちゃったけどね!」


「ぼっ、僕もなんだ····· ちょっと予定より早いけど行こっか」


「うん!」





 恋する私、女の子の私、男だった俺



 私は、今日で男だった俺を捨てる


 今までありがとう俺、今日からは私は私として生きるよ



 だから、最後まで見届けて、私になってよ




 ()はそう願いながら、彼の手を取って街へ向かった。





 まだ朝の空気が残るルーラル街の中を、私とフィーロ君は並んで歩いていた。



「ねぇフィーロ君、まずはどこに行く?」


「うぇっ!?あっ、えっとね·····」



 この瞬間、びっくりしたフィーロはデートプランの大半が頭からすっぽ抜けてしまっていた。


 だがフィーロはとっさの判断で取り繕った。



「何個か行こうと思ってる所はあるんだけど、まだちょっと早いしたぶんやってないかな····· だから予定は無いけどどうする?」


「ふんふん····· じゃあ街をブラブラ歩き回ろっか」


「いいね!あっそうだ、2人で行くようなとこでも無いけど朝市があるって聞いたんだけど行ってみない?」


「おおっ!いいねっ!」


「わかった、じゃあ着いてきて」


 私は彼に連れられ、港の辺りへ向かった。





「ええと·····あったあった、ここだよ」


「おおー!」


 宿泊所から暫く歩くと、まさに朝市らしい朝市が行われている場所に出た。


 そこでは様々な魚や海藻や貝類、それに魔物系の素材まで色々売られていた。


「·····フィーロ君、朝ごはん食べた?」


「食べてないよ?」


「じゃあなんか新鮮で美味しい魚介類の朝食セットでも探さない?もしかしたら朝市ならあるかも!」


「えっ、いや、それはお昼の予定·····」


「予定·····?」


「ああいやっ、そのっ、お昼に海鮮系のを食べたいなぁっておもってたから·····」


「まぁいいじゃんいいじゃん!だって何回食べても美味しいし、せっかく海辺の街に来たんだから食べなきゃ損だよ!」


「·····うん、確かに僕も食べたくなってきたかも」



 よし!そうと来れば早速朝ごはんが食べられる所を探さなきゃ!


 まぁとりあえずは売ってる海鮮食品を見ながらでも問題ないはずだ。


「んじゃ行こっ!」


「うんっ」



 という訳で私たちは2人で市場街を歩き始めた。



「うわ安っ!みてフィーロ君!色んな魚が入って500円だって!」


「おおー、フシ町とかだともっと高いもんね、しかも生きてない?」

「生きてるね、ほらコレとかエラ動いてるし」


「おっ?そっちのカップルは山育ちかい?」


「あっはい、マグウェル魔法学校から来たんで、こんな新鮮なのが売ってるのを見るの初めてで·····」


「カッ!?い、いや、ともっ、友達ですっ!」



 たくさんの魚が売られているお店の前で足を止めていたら、店員のオッチャンに話しかけられた。



「アンタら新鮮な魚の見分け方はわかるかい?」


「まぁ一応は····· 目が濁ってなくて、エラをみて綺麗な色のヤツですよね?」


「おぉ、よく知ってるな」


「·····なんで知ってるの?」


「まぁね」



 前世でよく魚の買い付け動画とかを見てたから知ってるんだけど、バカ正直に言えるワケないんで誤魔化しておいた。



「あっそうだ!なんかこの辺りで美味しい朝ごはんが食べられるお店ありません?」


「おー·····ウチが魚を卸してる店がそっちの飲食店街にあるぞ、名前は『魚好き』だったはずだし市場に来たヤツ向けに早くからやってるはずだ」


「わかりやすっ!?」

「愚直すぎる·····」


「安心しろ、愚直だがその名に恥じぬ美味さだ、なんたってウチの魚を使ってっからな!」


「わかりました!じゃあ····· いや、なんか買っていこっと」



 教えてくれたお礼と言ってはなんだけど、このお店で何か魚を買うことにした。


 このお店には色々な商品が売られていて、浅瀬に居る魚や底物と呼ばれる海底に住む魚、それに深海魚まで置いてある。



「·····あの、これ」


「それなぁ····· 一応物好きもいるから置いてるんだが、基本的に魔物のエサにもならないし水ばっかりで肥料にもならねぇヤツだ·····」


「なにこれ····· スライム?」


 そこにあったのは、魚好きがこぞって『クソまずい』と太鼓判を押す最強に不味いと言われている深海魚『シャチブリ』らしき魚が20匹くらいまとめて売られていた、しかも500円で。


 名前はシャチとブリで強くて美味しそうだけど、実際は全身がゲルのごとくブルブルで鼻水を啜ったような感じとまで言われるヤツだ。



「·····買います」


「おいおいマジかよ····· 不味いぞ?」


「いや、前々から存在は知ってたんで食べてみたかったんですよ」


「おいおいおいおい!?嬢ちゃん正気か!?」

「正気だと思います····· 何でも気になったら食べてお腹壊してるんで·····」


「うっ····· 言い返したいのに事実だから言い返せない·····」


 ゲテモノとか見ると食べたくなっちゃう性格なのよね、私。

 で、大抵お腹壊して苦しむのがお約束のパターンでみんなから呆れられてるのよ。



「まぁ食べられなくても魚のエサとかゴブリンにでも食わせますよ」


「まぁいいが·····他にも何か買うか?」


「あー、じゃあこのフグを下さい」


「またゲテモノか····· 大丈夫か?下手に捌いて毒の部位を食ったら死ぬぞ?」


「大丈夫ですよ!解毒魔法で完全に毒抜き出来ますんで!」



 そう、私は猛毒のフグ毒を魔法で完全に除去する方法を確立していたのだ。


 尊い私×10人の犠牲のおかげでねっ☆


 だからこのヒガンフグも安心して全身まるごと食べる事ができるのだ。

 ちなみに完全解毒したフグの肝臓は美味しい、まぁ私はピリリとした毒のアクセントが効いてる方が好きだけど。



「ところで、捌くのに免許とかは必要ですか?」


「自分で捌いて食う時は自己責任だから必要無いが、基本的に他人に提供する時とか、外で食う時は免許を持ったヤツのところで食べるのを勧めるぞ」


「あっ一応あるんだ·····」



 そこら辺は現代日本とほとんど同じなんだ·····


 まぁ今回は私が無毒化して食べる予定だから問題ないよねっ☆



「あとは····· フィーロ君はなんか食べたいのある?」


「ぼぼっ、僕っ!?僕は····· なんか美味しい魚ってありますか?」


「そうだな·····何にして食べたいかによるな」


「うーん·····煮付けにしたいかなぁ」


「おっ、新しい食い方とは珍しいな、美味いよなあれ·····ここだけの話、俺はカレイが1番うめぇと思ってるからオススメだ」


「カレイ?」


「フィーロ君これだよ、この平たいヤツ」


 カレイの煮付けは確かにめちゃくちゃ美味しいよね!特に卵が美味しいんだよね〜

 この時期は卵ないけどねっ!


 あとカレイは確かこの時期が旬だったはずだ。


「·····ん?目が上に2つ·····?変なの」


「ええと·····よし!これオススメ!」



 フィーロ君がカレイの奇妙な形に困惑していたが、私は気にせず1番美味しそうなのを選んでいた。


 まぁ見分け方とか知らないから、鑑定を使って1番良さそうなのを選んだだけなんだけどねっ☆



「これ?じゃあ1匹ください」


「はいよ、全部で2500円だが·····2000円にまけてやるよ、彼女さんに美味しい料理を作って貰いな」


「「まだ彼女じゃないですっ!」」


「「はっ!?」」



 魚屋のおっちゃんに『彼女』と言われて、2人同時に否定してしまった。


 これじゃ本当に夫婦みたいじゃん·····



「はははっ、仲がいいみてぇで良かったぜ、ほら魚だ、夏場は腐りやすいから早く食べる事を勧めるぜ」


「むぅ·····」



 私は少し頬を膨らませながらも2000円を払って買った魚を受け取った。

 そしてそれを鮮度が落ちないよう時間が止まるインベントリに入れて保管しておいた。


 海鮮系は足が早いからこうして保管するのが1番なんだよねっ☆



「·····時空魔法の収納か、羨ましいな、ボウズ、彼女さんを大切にするんだぜ?」


「まままっ!まだっそのっ!違いますからっ!」



 ふーん·····?


 『まだ』


 ってことは·····もしかして·····?


 いやいや、咄嗟に出た言葉だからミスったに違いない!

 自惚れないで私っ!


 でも·····ぐへへ·····



 私はちょっと悶々としながら、店員のおっちゃんにお礼を言って教えられたオススメの店へと向かった。


名前:ソフィ・シュテイン

年齢:14歳

ひと言コメント

「いやぁフグ毒を完全解毒するのホント大変だったんだよ?そのおかげでフグの卵も肝臓も美味しく食べられるようになったし····· 方法?化学魔法でテトロドトキシンとかそういった有害な成分をぶっ壊して別の物質に変えるっていうゴリ押しだよっ☆」


名前:フィーロ

年齢:15歳

ひと言コメント

「うぅ····· 緊張しすぎてプランをほとんど忘れちゃった·····でも何とかなったから良かった····· これから頑張って計画通りに進めなきゃ!·····いや、もう計画とかもういいや、僕とソフィちゃんが楽しめたらそれで充分、でも最後だけは·····」




〜その頃のなかよし組〜


アルム

「なーにやってんのフィーロ君!!早速間違えてるじゃん!!」

グラちゃん

「でもリカバリーしたわね?」

ウナちゃん

「見てていいのかなぁ····· まぁいっか!おもしろいし!」

エビちゃん

「ほんとフィーロはヘタレじゃのぅ·····とっとと押し倒せば良いのじゃ」

ミカちゃん

「·····寝てていい?」


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