夢見しお姫様は眠れないっ!
【建国1227年7月22日 22時30分】
海水浴をたっぷり楽しんだ私たちは、宿泊先である宿の部屋へと帰ってきて夕食も済ませて後は寝るだけという状態になっていた。
そして部屋は6人部屋のため、付いてきてるだけのミカちゃんが一旦帰る事になるはずだったのだが、流石に女子たちと一緒に寝るのが気まずかったのかフィーロ君はミカちゃんの代わりにディメンションルームに行ってしまった。
って訳で、ここには女子しかいないのだ。
そして女子しかいない修学旅行の夜といえば·····
「はいみんな!修学旅行の夜の定番!女子会するよ!恋バナするよ!!」
「うぇ〜」
「いつものヤツね」
「わーい!」
「始まったのじゃ」
「すやぁ·····」
そう、アルムちゃん主催の女子だけの秘密の話を夜通しするアレだ!
「さてさてさてさて·····あっ、まずソフィちゃんに言わなきゃいけないことがあったんだ·····」
「ん?どったん?」
「その〜·····実は〜·····」
「フィーロの誕生日パーティーの準備が終わらなかったのよ·····」
「明日やらないと間に合わないかも·····」
「ギリギリまでわからんが、少し厳しいのじゃ·····」
「·····マジで!?手伝おっか!?」
『『必要ないっ!!』』
「あっはい·····」
ここに来てフィーロ君の誕生日パーティーの準備が終わってない事がみんなから知らされた。
全く·····だから私が手伝おっかって言ったじゃん。
「って訳で、フィーロ君の誕生日パーティーの準備は明日もやるつもりなんだけど·····」
「うーん·····わかった、じゃあ昔やったみたいにウナちゃんの誕生日パーティーと一緒にやって盛大にお祝いよっか!って事で明日はみんなで遊べるかな?」
『『·····え?』』
「いや、明日フィーロ君に2人で遊ばないって誘われてたからさ、時間が出来たならみんなで遊べるかなぁって思っ『『断る!!』』うひゃはっ!?」
「ワタシはまだ諦めないっ!」
「9時まで!明日の夜9時までまって!」
「それまで頑張って無理だったら諦めるから!」
「そうじゃ!じゃからワシらは気にするな!」
\うるさい/
「へ、へーい·····」
なんか猛烈に否定されちゃった·····
みんなそんなにフィーロ君の誕生日を祝いたい·····
あれ?もしかしてみんなもフィーロ君を狙ってる?
じゃあ先手を打つしか無いっ!
覚悟を決めるのよ私っ!
「あのさ·····もうわかったから恋バナしない?」
「ん?ソフィちゃんからその提案するの珍しいね」
「うん····· えっとね、実は明日フィーロ君に、その、こっ、告白しよっかなって·····」
沈黙
『『はあぁぁぁあぁああぁあぁああっ!!?』』
「うひゃっ、えっ、えっと、フィーロ君明日誕生日だしさ、もしかしたら最高の誕生日プレゼントになるんじゃないかなって····· まぁフィーロ君が嫌だったら最悪のプレゼントになっちゃうけどさ·····」
「えっ、ちょいまち!整理させて!」
「うん」
「ソフィちゃんはフィーロ君が好きなんだよね?まぁ周知の事実だしバレッバレだけど」
「ば、バレバレ·····?いやまぁ、好き·····だけど」
「で、どうやって告白するの?」
「どうやってって?えっと?」
「あんまり決めてない、なんか雰囲気が良くなったら言ってみよっかな、なんて····· ·····難しいかな?」
「そんな逃げ腰じゃダメダメ!!!ソフィちゃんっ!女と恋は度胸だよ!!!覚悟を決めたならガツーンっ!と行かないとっ!!」
「んー、うるさい·····!!」
「あっごめんねミカちゃん」
「近所めーわく、しずかにして」
アルムちゃんがテンション上がりすぎて叫んだせいでミカちゃんがキレてしまった。
まぁ確かに大声出してたから、そのうち隣の部屋からクレーム来るかもだし·····
「·····で、ソフィちゃん、マジで?」
「うん·····もうこれ以上いい瞬間は無いと思うし·····」
「ソフィちゃん、頑張ってね、ワタシたち全員応援してるから!」
「ええ、必ず勝ち取りなさい!頑張るのよ!」
「ソフィちゃん結婚式にはわたしも呼んでねー」
「あっ、ソフィよヤるつもりなら色々教えようか?ワシはもうしてるから男をオトす方法を教えられると思うのじゃ」
「あっ、エビちゃんのそれちょっと聞きたいかも」
さっきも言った通り私は行くとこまでイク気がある、だからもしそういう事になった時にフィーロ君を喜ばせたいからねっ!
というかその日のうちとかじゃなくても、そのうち必須になる技能だから知っておきたかったんだよね!
「既成事実じゃ、もう思い切って押し倒してそのままブチュッとキスじゃ!そして勢いでセッ」
\ゴスッ/
「ぶべらのじゃぬんっ!?!?」
私の拳がエビちゃんの顔面にめり込んだ。
◇
その後、エビちゃんをボコボコにしたり、他のみんなから色々なアドバイスを教えられたり明日着ていく服の相談をした私は、一旦ディメンションルームの自分の部屋へと帰ってきていた。
「はふぅ、緊張する·····」
とりあえずクローゼットから明日着ていくための服を取り出して、シワがつかないように壁に掛けて保管しておいた。
それが終わった私は、早く寝ようと思ってベッドに入って目を瞑っていた。
「·····うぅ、ヤバいめっちゃ緊張してきた」
私は全ての魔法を操る賢者姫にして深淵の夢見し姫であり魔物を従える姫様だけど、宇宙空間でさえ平気で飛び出す怖いもの知らずだけど·····
もしかしたら、告白して恋人同士になるかもしれない、もしくは失敗して失恋してしまうかもしれない。
だけど告白以前に好きな人と2人きりでカップルの多いリゾート地で、その、デートするんだよね·····
そう考えると眠れないくらい緊張してきたのだ。
フィーロ君と私の2人きりでカップルみたいに街中でデートして、海岸で歩き回って、最後は·····
「んひぁぁぁぁあっ!!うぅ眠り夢を見る者が眠れないなんてなんて滑稽な·····うぁー!でも寝れないって!うぐぁぁぁっ!!緊張するぅぅううぅぅううっ!!」
私はイケナイ妄想をして真っ赤になった顔を抑えて、椅子に座ったままバタバタと暴れた。
「うぅ、遅刻癖が出ないといいんだけど····· 明日だけは絶対に遅刻したくないし·····こうなったら『泡沫ムゲンの眠り姫』の現実改竄能力で無理やり寝ちゃうかな····· それだったら指定した時間に起きれるし·····いやいやいや、流石にそれは無いわ、ちゃんと自分の力で起きなきゃ!」
まぁ寝坊したらその力で現実を改変して『寝坊した』という事を夢オチにして『寝坊しなかった』ってことにしちゃえばいいし、なんなら時を戻してもいいから大丈夫だ。
というかもう日付け変わるから早く寝ないとマジで起きれなくなっちゃうわ!!
もう意地でも寝るわ!
最悪の場合、布団に入って目を瞑ってるだけでも体力は回復するはず!!
私は余計な事を考えるのをやめ、気合いで眠ることにしたのだった。
·····が、結局寝るまで30分くらいかかってしまった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「やばい本当に緊張するんだけど·····人生で1番緊張してるかも·····」
名前:アルム
ひと言コメント
「まさかソフィちゃんも告白する気だったなんて····· お似合いすぎるなぁあのカップル、ちなみにフィーロ君の誕生日パーティーの準備が遅れてるってのは嘘だよ!元々デートをやる予定だったから準備は全くやってないよ!」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「うぅ····· 緊張する····· でも寝ないと····· 明日こそは僕がエスコートするんだから····· あぁヤバい寝れないかも·····」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「もうカップルでいいわよねあの2人、両思いだから結果は分かりきってるし·····」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「ソフィちゃんとエビちゃん、どっちの赤ちゃんを先に見れるかな?わたし楽しみ!」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「頑張るのじゃぞソフィよ····· 義理の姉妹として応援しておるのじゃ·····」
名前:ミカちゃん
ひと言コメント
「う る さ い」




