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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
225/240

大船(タイタニック)に乗ったつもりでご安心を!


【建国1227年7月22日】


 朝早くに目覚めた私たちは、早速海へとやって来ていた。


 その理由は·····



「むむむむっ·····こいっ!クルーザー!!」


 ザッパァァァアン!!


『『おおおおおー!!』』



 そう、海でのんびりクルージングと釣りでもしようというつもりなのだ!



「ソフィちゃん····· 貴女ほんとなにやってんのよ·····」


「えっ?だって良いって言ってましたよね?」


「·····はぁ、もういいわ、好きにしなさい」



 正確には釣り体験教室で、クラスのみんなで港に来ていたのだけど私は自前のクルーザーがあるのでそれを使う事にしていたのだ。


 他の生徒が乗る漁船が帆船なのに対して、私たちの船はマストなどが全くない近代的な見た目だからものすごく目立っている。

 しかもかなりデカいから余計目立つのよね。



 でもそんなことは気にしないっ☆



「はいじゃあみんな救命胴衣着けてねー、落ちてもすぐに回収出来るけど念の為ね?」


『『はーい』』


 ちなみに救命胴衣といってもオレンジ色のThe救命胴衣みたいなのではなく、釣り用のベストに魔法で色々な機能を付けた特殊救命胴衣なので見た目もカッコイイ代物だ。


 そんな救命胴衣を身に付けた私たちは、乗り物酔いしやすいクラスメイトから羨ましそうな目線を向けられつつ、クルーザーの中に乗り込んでいった。





 ルーラル湾沖


 この湾は沖に行くと急激に深くなる地形と、魔力や栄養が豊富な『フシ盆地』から川によって流れ出た栄養素の影響で、深海魚から回遊魚まで幅広い種類の魚をとる事ができる、北の『クロベ湾』と並ぶ程の名漁場だ。



 そんな湾の上で私たちはバカンスをしていた。



「照りつける太陽····· 暖かい潮風····· 打ち寄せる波の音····· いいねぇ、夏してるねぇ·····」


「ソフィちゃん、そこで寝転がるのはいいけど救命胴衣着てよ·····」



 私は星核合金でできたウルトラ釣竿『ピスケス(うお座)』を船にある竿置きに固定して、救命胴衣を脱いでのんびりと日光浴を楽しんでいた。


 ちなみに今いる場所は海の中の崖みたいになった岩礁で、水深は大体100mから300mほどの深海と言ってもいいくらいの深さだ。

 アカシックレコードによると、この辺りの深さと地形で真鯛とかタチウオが釣れるって書いてあって、運が良ければカジキマグロとかマグロが釣れる事もあるらしいから選んだという訳だ。



 そして格好は午後から海水浴をするという事もあって水着だ。


 まぁ水着と言ってもそこまで際どい訳でも無く、下には海水浴用のベリーショートデニムを穿いてるから、海辺の街ならギリギリ私服と言えるレベルの服装なんだけどねっ☆



 あっ、挿絵もあるけどまた後でねっ☆



「ソフィちゃんそんな格好だと日焼けして酷い目にあうよ?大丈夫?」


「だいじょーぶ日焼け止めはしっかり塗ってるから」


「·····えっ!?日焼け止めってあったの!?」


「えっ?あるよ?」



 まだテスト段階で自分で試してる途中だけど、保湿クリームの中に私の魔力を混ぜ込んで、塗布した人の魔力を吸って『紫より外側の波長の光』を遮断する光魔法を発動させる、理論上UVカット100%の最強の日焼け止めを使っている。


 ちなみに今のところステータスを見ても日焼けした様子は無いし、なんなら検証してから1度も竿にアタリが来たことも無い。



「ちょっとソフィちゃん!日焼け止めワタシにもちょうだいっ!いい加減長袖とか暑いの!!」


「はいはい、これが日焼け止めね、全身に塗らないとムラができてまだら模様になるから気をつけてね〜、塗るなら中に行くといいよ〜」


「やった!ありがとっ!!」



 ·····なんか物凄い視線を感じる。



「はぁ、わかったわかった、みんなの分もあるから使っていいよ」


『『わーい!!』』



 視線の主は、なかよし組の女子たちだ。



 そしてブツを出した途端に奪うように日焼け止めが取られ、みんながあっという間に居なくなってしまった。


「·····フィーロ君とエビちゃんは?」


「ワシは日焼けしたい派なのじゃ」


「ぼくは別にいっかなって思ったからだね」


「りょーかいっ!·····にしても、なんも釣れないなぁ」



 そんなことより、さっきから釣り糸を垂らしているけど、なかなか獲物がかかってくれなくて困ってるんだよね。


 おっかしいな·····

 魚群探知機(魔法)によるとこの辺りで沢山魚が居たんだけど、なんでかかんないかなぁ·····



 この時ソフィ()は気がついてないが、釣り糸を垂らすだけでは魚がかかるという事はまず有り得ない。

 もし釣り糸を垂らして何もしてない映像を見たら、それは生き餌を使った方法(※泳がせ釣り等)や、船を走らせて餌を動かして、獲物が動き回ってそれに食いつくのを待つ方法と思って良いだろう。


 しかしソフィの釣り針には生き餌は付いておらず、やたらいい匂いと魔力が漂う謎の塊が海中をフヨフヨと漂っていただけだった。



「あっ、きたっ!!」


「おっ?おおおっ!?」



 と思ってたら、私のでは無くフィーロ君の竿がグンッとしなって海中に引き込まれ始めた。


 どうやら結構な大物が食いついたらしい。



 フィーロ君は私謹製の強化釣り竿(星核合金未使用)のリールを巻いて巻いて巻いて、私はその隣でタモを構えて魚が上がって来るのを待っていた。



「うわわっ!?ちょっ!!どこいくのっ!?」


「フィーロ君耐えてっ!」


 だが魚も抵抗を始め、一気に海中へと潜り込んで海面から逃れようとした。


 それをフィーロ君は糸が切られないようにしながら必死に抵抗して徐々に糸を巻き、獲物は段々と水面へと近付いてきた。



 すると深い青色の水中にボワッと魚のシルエットが現れた。

 あの形は·····間違いない!


「「鯛だっ!!」」


 なんとフィーロ君の竿に掛かっていたのは高級魚の鯛だったのだ。


 もうこうしちゃいられないと私たちは力を合わせて鯛を水面へと引き寄せて行く。

 私は抵抗する鯛に負けないよう竿や糸や針を魔法で強化して、フィーロ君は力を振り絞って必死にリールを巻いて引き寄せて行く。



 そして·····



「「釣れたーーーっ!!」」


 とうとう鯛が水面に現れ、そこを私がタモで掬って逃がさないように捕獲して船上に上げた事で勝負が決着した。


 全長約47cm 重さ約1.6kgのかなり大きくて良い、正真正銘の真鯛が釣れた。



「いやー凄いっ!おめでとうフィーロ君!」


「あっ、ありがとう!·····で、ここからどうしたら?」


「んじゃ私に任せて!」



 私はペンチを使って鯛の口から釣り針を外すと、義手になった左手で脳天に1発強力なデコピンを食らわせて気絶させてあげた。


 こうすることで鯛が暴れなくなって〆やすくなるのだ。

 って事で気絶して動かなくなった鯛に、星核合金3号鋼製のナイフを使って昨日のアジの時みたいに後頭部?あたりで背骨を断ち切って、尾鰭の少し手前でも背骨を断ち切った。

 このとき尾鰭側は下まで刃が貫通しないように!


 そしたらエラの中にナイフを突っ込んで太い血管を傷つけ、しっぽの切れ込みをグイッとやって背骨の断面を露出させると、知ってないと見つけられないような神経の穴にミスリル製の針金を入れて神経を傷つけて行く。


 これは神経〆という方法で、なんでも鮮度の持ちが良くなるとか美味しくなるとかって話を聞いた事があったからやってみたのだ。


 そんで神経〆が終わったら、船上に置いてある海水の入ったバケツの中に頭から突っ込ませて暫く放置して血抜きをして完了だ。



「わかった?」


「わかんない」





 その後、日焼け止めを塗って日焼けの心配が無くなったみんなが出てきて釣りを再開した私たちはガンガン魚を釣り上げていった。



 今のところ真鯛が5匹、タチウオ3匹、アジや鯖が沢山、あとよくわかんないこの世界独自の魚も沢山釣れていた。



 ·····が、しかし


「つれなぁぁぁぁぁあああいっ!!!」


「うわビックリしたっ!?」

「びっくりのじゃっ!?あっ、やば!落ちるのじゃばぁぁぁあああっ!!」


\ドボォンッ!!/



 今のところ私の釣果はゼロだ。


 そう、他のみんなは面白いくらいガンガン釣ってるのに、私の竿にだけ全く魚がヒットしないのだ。

 ·····海に落ちたエビちゃんを釣り上げたら釣果になってくれないかな。



「くっそー····· 私だって1匹くらい·····」



 私がウンウン唸ってると、海の底から同情するような思念が伝わってきて、何やら気配が近付いてきてるような気がした。



(クトゥさん接待釣りは止めてっ!あー!!何その巨大マグロ!?やめてっ!自力で釣りたいからっ!)


 なんと、深海の知り合いであるクトゥさんがどこからが巨大なマグロを持ってきて釣り糸に引っ掛けようとしていたのだ。


 気持ちは嬉しいんだけど、私は自力で魚を釣りたいからやめて欲しいと伝えたら心配そうな顔をして帰って行った。



「はぁ·····どーして釣れないかなぁ·····」





 この時の私は気がついてなかった。




 私の釣り針は不思議な海流の影響で水深300mを超えた死の領域、絶淵へと引き込まれていた事に·····


 そして何故クトゥさんが来ていたのか·····


 そして、昏い暗い冥い海の底の真実に·····



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「はぁ、リヴァイアサンみたいにデカいタチウオでも釣れないかなぁ·····」


名前:アルム

ひと言コメント

「目が死んでるソフィちゃんを見てたら不安になってきた····· 大丈夫かなアレ?」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「待つのも釣りの醍醐味って言ってたけど流石に飽きて来ちゃったのかな?僕達が釣れた時に手伝ってくれてるから本当に暇なんだろうなぁ·····」


名前:グラちゃん

ひと言コメント

「釣った魚は氷水でしっかり冷やすといいらしいわ、でも魚が氷が解けて出た真水に触れると良くないらしいから注意が必要よ」


名前:ウナちゃん

ひと言コメント

「なんか、海の底からへんな気配がするんだけど····· ねぇラーちゃんなんかしらない?」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「·····ソフィのヤツ、釣りのやり方を間違えておるのじゃが指摘した方が良いかのぅ?見てて滑稽じゃったから放置してたが、流石に可哀想になってきたのじゃ」


名前:ミカちゃん

ひと言コメント

「ふねの上、ゆらゆらしてて寝心地いい····· おさかなは、みんなに任せた····· すやぁ·····」


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