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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
223/239

海だ!海だ!!海だーっ!!!


【建国1227年7月21日】


 ルーラル街に到着して初めての朝、私たちというか、クラス全員で海岸へとやって来ていた。


 海岸に来た理由は、砂浜で動く事による平衡感覚の強化と体力作り·····という体の『ビーチ遊び』だ。


 現に生徒だけでなく先生たちも生徒に混ざって砂浜で遊んでいたり、アホな男子が普段着のまま海に突っ込んで開始1分で全身ビショ濡れになってたりする。


 そんな中、私は日陰になった部分に座って、砂浜でのんびりと海を眺めていた。


「やっぱり海もいいねぇ·····」


「そういえばソフィちゃんは海を見たことあったんだっけ?」


「あー、あの時ね、海の上を走って渡った時に見たけど、あっちは湾だったからね」



 あの時とは、2年前の魔法競技大会のリレーで物理現象のみで海の上を走って渡った時の事だ。


 あの時は集中してたから海で遊ぶどころの話じゃなかったから、こっちに来てから海らしい海に来るのは初めてだったりする。



 ·····まぁ、前世もカウントしたら2桁単位で行ったことはあるんだけどね。

 東京湾は海というよりデカい池だからカウントしてないけど。


 私は鉱物が採取できる山の方が好きで、海より山に行ってた回数の方が圧倒的に多いんだけど、宗谷岬で化石が拾えたり、糸魚川で翡翠が拾えたりしたから時々は行ってたのだ。



「さてと、僕もちょっと波打ち際のところ行ってみるよ、ソフィちゃんも来る?」


「もちろん!」


 私は立ち上がるとフィーロ君と一緒に波打ち際に·····



「「あっづ!!?」」


 日陰から出た途端、裸足だった私たちの足裏が真夏の日差しにより熱々になった砂で焼かれて、私たちはぴょんぴょん飛び跳ねながら波打ち際まで仲良く走っていった。





 ザパァン·····

  ザパァン·····



 波が私の足の間をすり抜け、砂が巻き上がり指の間で動き回りくすぐったい。

 そして海水はひんやりと冷たく、熱々な砂浜と対照的でとても気持ちいい。


 ヒュオッと風が吹くと、磯の香りと称される海の匂いが鼻腔をくすぐった。



「んー、潮の香り·····いい匂い·····」


「なんか生臭い·····」


「海の生物が腐った匂いだよ、この匂いは生命(生き物)が生きていた証なんだ」


「へぇ·····」


 私は前世のアニメのセリフをちょっと参考にして、ちょっとロマンチックな感じ答えた。


 まぁ本当は魚とかじゃなくて海藻とか植物プランクトンが主な原因なんだけどねっ☆



「·····ソフィちゃん」


「なに?」


「僕ね、その·····」


 バシャッ!!


「ぶべっ!!?」


『ふはははっ!ソフィよ!ボーッとしてたら命取りなのじゃ!喰らえっ!』


 ザパァン!!


「ぎゃっ!!?」


 フィーロ君がなんか言おうとしたら、どこからか海水が飛んできて顔面に直撃した。

 しかもそこから追撃が来て、私は全身ずぶ濡れになってしまった。


 私は顔を拭って海水でヒリヒリする目を魔法で生み出した真水で洗って、今も海水をぶっかけてくるヤツの方を向くと、片方の角が欠けた魔族の少女がニヤニヤしながら水を蹴飛ばそうとしていた。



 犯人はエビちゃんだ。



「え〜び〜ちゃ〜ん〜?」


「ほう?やるか?やんのか?おおん?」


「やったらぁ!!おりゃぁ!!」


 ザパンッ!!


「甘い甘いっ!その程度簡単に避けられるのじゃ!」


 私は反撃とばかりに水を手で掬ってエビちゃんに向けてかけるが、彼女はひょいっと躱してしまった。

 そしてお返しとばかりに水をぶっかけてきて、またしても私はビショ濡れになってしまった。



「うがぁぁぁぁあああっ!!!」


 バシャバシャバシャバシャッ!!


「おおっと危ないのじゃ」


 イライラが溜まっていた私はエビちゃん目掛けて海面を蹴飛ばして水を飛ばすが、やはりひょいひょいと避けて当たらなかった。


「甘いのぅ」


 ザパァ!


「まだまだっ!」


 バシャンッ!


 エビちゃんが水を飛ばしてきて、私は斜め前に向けて踏み込むような蹴りを繰り出して水塊をぶつけ、弾道を逸らした。


「やるな!」


「そっちこそ!!」


「じゃがお主は大きな間違いをしておる」


「何よ?」


「敵は1人ではないのじゃ」


『くらえええっ!!』

『ソフィちゃん覚悟っ!』

『アイスバケツアターック!!』


「おぼぼぼぼっ!!?ぎぇええええっ!!冷たっ!!?ちべたんっ!!」


 エビちゃんに気を取られていて、私は背後から近づいていたウナちゃんズに気が付かなかった。


 まず気配を消したウナちゃんが私のシャツの背中とショートデニムの背中を引っ張り、ウェアちゃんがグラちゃんが作った氷のバケツに入った氷水を背中に流し込み、更にグラちゃんが中身の入ったもうひとつのバケツをダンクシュートで私の頭に被せるという連携攻撃をしてきた。


 もう私の体は冷えっ冷え、あんまりにも冷たくて私は水着でも無い私服なのに、比較的ぬるく感じる海に飛び込んでしまった。





 ·····ぷちっ☆






「わははははっ!聞いたか?『ちべたんっ!』って!ひーっひーっ!マヌケなのじゃっ、めちゃくちゃマヌケな声だったのじゃ!」


「んぷぷっ、滑稽ね」


「うんうんっ!グラちゃん氷バケツまた作ってー」


「·····いいのかなぁ」



 みんなの連携攻撃を見事に食らってしまったソフィちゃんは、泳ぐための格好じゃない普通の服のまま海の中に飛び込んで沈んでしまった。


 僕はそんな様子を見て心配していたが、主犯格のエビちゃんや実行犯のグラちゃんとウナちゃん達はまだまだやる気らしくて少し心配していた。



 ちなみにアルムちゃんは地属性魔法の応用で砂を操って自分の砂像や巨大な砂の城を作って遊んでいる。

 あとミカちゃんはスキルで作ったっぽい不透明な結界のビーチパラソルとその下に敷いた持参したレジャーシートに寝転がってスヤスヤ寝ていた。




 \ザパッ/



「·····ん?水の玉?」



 顔を正面に戻した瞬間、海面から水の玉がぽこっと湧き出てきた。


 横にいるエビちゃん達は····· 氷バケツを量産していて気が付いていないようだ。


「ん?えっ?えええっ!?」


 チラッと目を横に向けた瞬間、海上には100·····1000にも及ぶ大量の水の玉が浮かび、その中心にずぶ濡れになって俯いている青みがかった銀髪の少女が海面に立っていた。


 前髪が海藻のように顔に張り付いてて表情は見えないが、その隙間から見える目は明らかに怒りに満ちていた。



 悪寒



「ヤバいっ!『マジックエミュレータ:バリア』っ!」


 それは僕が身の危険を感じて、ソフィちゃんがたまに使うドーム状の結界を展開した瞬間だった。




「喰らえ」


「「「えっっっ?」」」



 ズドドドドドドドドドッ!!!



 空中に浮かんでいた水球が勢いよく·····怪我しないくらいの速度で·····エビちゃん達目掛けて殺到した。


 それは大雨という言葉が小雨に感じる程の豪雨だった。


 1粒が30cmもあるような水の玉が的確に自分をずぶ濡れにした犯人たち目掛けて飛来し、防ぎようも無く瞬間的に3人はズブ濡れになってしまった。


 だが3人はタダじゃやられないと逃げようとしたが、飛来し続ける雨は3人を追いかけ回し、追い詰め、逃げ場を無くし、髪や服どころか服の中の下着まで完璧にズブ濡れにし続けてなお水球は3人を追い続けていた。



 そして、逃げ回っていたみんなにも限界が訪れてしまった、




 ウナちゃんは諦めて砂浜に蹲って背中を向けているが、容赦なくズボンとおしりの間に水球を滑り込ませて脱げかけてビックリして起き上がった所を頭の上から大量の水球が襲って、スッポーンと服が全部脱がされしかも遠くに運ばれ回収不可能になってしまい、ウナちゃんは影の中に潜って消えてしまった。



 グラちゃんは氷のドームを作って身を守ったが、水球が一点突破で氷を溶かして中を水で満たしてしまい、たまらずドームを解除して走って逃げたが水球に囲まれてしまった。

 だがその水を凍らせる事でグラちゃんは魔法の制御を自分の物にしてソフィちゃんに打ち返すが、あっさり奪還されてしまい、氷で強化されたキンキンに冷えた水球が服に染み込んで取れなくなってしまった。

 するとグラちゃんは絶叫しながら砂浜を転げ周り、たまらず服を脱ぎ捨てて海へと飛び込んでしまった。



 エビちゃんはもう特に酷かった。

 集中豪雨とはあの事を表す言葉だったのだろうと僕は錯覚してしまった。

 エビちゃんは卑怯だの何だの叫んで、魔法で水球を撃ち落としてなんとか濡れないように頑張っていたが、360度全方向から水球が殺到し、更に地面から染み出して玉となった水が股の間に直撃した途端ビクゥッ!として動きが固まった瞬間、全方位攻撃を受けてズブ濡れになり、更にキンキンに冷えた水球を上手く服の隙間に撃ち込んですっぽーんと服を脱がし、そのまま上空に打ち上げて落とすと海の中に逆さまに突き刺さってしまった。

 うん、おしりを砂浜に向けてるとはいえ、女の子が絶対になっちゃいけない状態になってるねアレ。



 僕は周囲をササッと確認すると、時々裸のまま息継ぎに海面に出てきた所に水球が来て急いで潜ってるグラちゃんや、変な芸術作品みたいになってる全裸のエビちゃんの大事な所を見に行こうとしている男子共の姿が目に入った。



「·····これは酷いや」



 僕は流石に丸見えはダメだと瞬間的に判断して、目が眩む程の強力な光魔法の玉をエビちゃんの股の部分に置いて、念の為多めに持ってきてたタオルを魔法で動かしてガニ股になってる中心に乗っけて、グラちゃんにはバスタオルを渡して隠せるようにしてあげた。


「·····フィーロくん、わたしにもちょうだい?」


「あっウナちゃんだ、はいどうぞ」


「ありがとっ」


 \とぷんっ/


 足元の影からウナちゃんが頭だけ出してきてタオルを貰いに来たので、大きいバスタオルを渡してあげるとまた影の中に潜ってしまった。



「ソフィちゃーん!おーい!!」



 ソフィちゃんは相変わらず海面に立って水球を浮かべて獲物を探していたので、僕は声を掛けてもう全員ダメになったと伝えようとした。


 その手には、みんなから剥ぎ取った服やら下着やらが握られていた。



「·····みんな、私になんか言うことは?」



 \ザパンッ/

 \バシャッ!/

 \とぷんっ/


 潜っていたグラちゃんがバスタオルを体に巻き付けて現れ、海面から下半身を丸出しにしていたエビちゃんは倒れると一瞬でバスタオルを体に巻き付けて、ウナちゃんもバスタオルを身に付けて影の中から出てきて·····



『『ごめんなさいもうやりません!!』』



 奪われた服を持っているという絶対的アドバンテージを持つソフィに対して頭を下げて一斉に謝った。


「·····うん、別にもういいけどさ、流石にみんなやりすぎだよ?」



 そう言うと、ソフィちゃんは海の上をスタスタと歩いて3人の所までやってくると、ポイッと服を投げてプリプリと怒り始め·····



「ざっけんなー!!ワタシのっ!ワタシの作った傑作の砂像がっ!!」


「·····寝るの邪魔した、万死に値する」


「えっ?ちょっ!まっ!!悪いのはこの3人でっ!」



「「問答無用っ!!」」



「ひぎぃっ!!」



 あの攻撃の流れ弾が、アルムちゃんが作っていた砂像に直撃してその大半を崩し、更に別の球が寝ていたミカちゃんに直撃してその眠りを邪魔してしまったのだ。



 ソフィちゃんはあっという間にミカちゃんとアルムちゃんの魔法で拘束されて、服を全て脱がされて海に投げ込まれてしまった。



 その後、全裸で土下座してなんとか許して貰って服を返して貰っていた。



 ·····僕?


 僕は何も被害は無いけど、3人が謝る直前くらいに周囲からの視界を遮るために遮光結界で視界を遮っておいたよ。


 好きな人と、大切な友達の痴態を見られるのは嫌だったからね。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「ほんと酷い目にあったわ····· 全裸土下座をなかよし組以外に見れなくしてくれたフィーロ君に感謝しなきゃ·····」


名前:アルム

ひと言コメント

「せっかくの傑作が壊されたんだから怒って当然だよね!」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「まぁふざけるのはいいけどさ?服を脱がすのは絶対ダメ!みんな分かった!?」

『『はぁ〜い』』

「·····みんなの恥ずかしい話をクラスの皆に言いふらすよ?」

『『わかりましたっ!!』』


名前:グラちゃん

ひと言コメント

「まさか大勢いる中で服を脱ぐ羽目になるのは思ってなかったわ····· ほんと恥ずかしすぎるわ·····」


名前:ウナちゃん

ひと言コメント

「ソフィちゃんがこわかった····· 笑顔でものすごく怒ってた·····」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「へくしょっ、うぅ体が冷えたのじゃ····· うむ、砂風呂でもして暖まるのじゃ!!·····おいまてソフィ!顔は埋めるんじゃないのじゃ!!ワシしんじゃうのじゃ!!」


名前:ミカちゃん

ひと言コメント

「ずぶぬれになって不快、だから怒った」


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