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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第二章 TS賢者は魔法学校へ行くっ!
22/64

ソフィ温泉殺人事件


 ソフィがお風呂でダラダラしている頃·····



 僕の名前はフィーロ、魔法学校に入学するためフシ町からやってきた普通の町人だ。

 今は同じ町からやってきた、ソフィちゃんとアルムちゃんと共に行動している。


 まぁ、その女の子2人に振り回されて散々な目にあっているけど、たまにいい事もあるし、それに僕はソフィちゃんのこ·····


 いや何でもない、それより、僕達は町の観光を終え、荷物の整理が終わったらソフィちゃんの部屋に集まる約束をしていて、右隣のソフィちゃんの部屋に向かう途中だ。


 だが、ソフィちゃんの部屋の前には先客がいた。



「あれ?アルムちゃん先に来てたんだ」


「あっ!フィーロ君来た!ねぇソフィちゃん!起きてるー!?開けてー!」


「ん?どうかしたの?」


「えっとね、ソフィちゃんが居るはずなんだけど、いくらノックしても返事が来なくて·····」


「もしかしてさ、例のあの部屋にいるんじゃないの?」


「確かに!じゃあ、外のベランダから入っちゃう?」


 まだ集合時間には少し早いが、いつまで経っても反応しないソフィに痺れを切らしたアルムちゃんが、ソフィちゃんの部屋への侵入計画を立てたその瞬間。



『2人とも、そんな事をしなくても中に入れるよ』


 カチャッ



「わっ!?」

「きゃっ!?」


 突然ソフィちゃんの声だけが聞こえ、扉の鍵が勝手に開いた。


「えっ、足音聞こえなかったよね?」


「うん、それに気配も全く·····」


『さぁ何をためらってるの?中へ進んで二人とも』


「「·····」」


 私たちは顔を見合わせ、意を決してソフィちゃんの部屋の扉を開けて中に入った途端、視界が見慣れない場所へと切り替わった。



「あれ?ここどこ?」


「なんか懐かしい匂いがする·····」



 床が木製で、棚があって、棚には編み籠が入っていて、見慣れない道具や鏡や洗面所がある。


 見た事がない部屋だけど、不思議と懐かしい匂いのする部屋だ。



「·····なんか、生活するには湿気が多いし、ちょっと臭くない?タマゴが腐ったみたいな臭いがするんだけど!」


「僕は嫌いじゃないなこの感じ、でも新しく作った部屋にしては、生活のに不便かも」



 なんて話をしていると、部屋の奥の方にある扉の向こうから物音がした。

 もしかすると、あの先にソフィちゃんが居るのかもしれない。



「ねぇフィーロ君、あの扉の先に行ってみない?」


「賛成、ソフィちゃんから怒られても、出てこない向こうが悪いんだからね」


 そして、僕達は物音がした扉に向かって行った。



 この判断を僕は一生後悔·····


 いや、後悔かと言われると微妙だが、一生忘れられない程の衝撃を受ける事件が起きるなんて、この時の僕は想像もしていなかった。



 扉を開けると、そこは不思議な場所だった。


 星が散りばめられた夜空の下に、見たことも無い様式の庭園のような場所がある。


 そして、庭園には湯気が立ち上る大きい池がある。

 池にはこれまた不思議な形の屋根だけの建物があり、池の縁にある岩の上からは水がこんこんと湧き出している。


 景色に見とれ、扉から1歩踏み出すと·····


「冷たっ!?」


「靴下脱いでおいて良かった·····」


 どうやら僕達が踏んた辺りは石をそのまま使った石畳のようになっていて、全体的に濡れているようだ。


 中に入り辺りを見渡すと、不思議な形をした椅子らしき物や、木でできた桶や、見たことも無い形の····· なんだろ?管の付いた杖?


 壁に掛かっていた銀色の杖みたいな物が気になって、手に取ろうとした瞬間、池の方から音がした。



 ぱちゃっ ザパァッ


 ぺたっ ぺたっ ぺたっ



「「ん?」」



 何かが近づいて来る!?

 うぅ、湯気でよく見えない·····


 池の方から何かが近付いてくるようだが、湯気のせいでよく見えない。

 目を凝らして見ていると、向こうからその正体を自ら明かしてきた。



『アルムちゃん、フィーロ君、ようこそ!私の作った『ユートピア』へ!』



 やっぱり。

 ソフィちゃんはこの部屋に居たようだ。


 そして、湯気が晴れてソフィちゃんの姿が



「なんだぁ、やっぱりソフィちゃああああああああぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁあッッッッ!?!!?」


「ちょっ!?ソフィちゃんっ!?」



 みみみみみみみみみみみみみみみ、みえっ!みえっ!?みえっみえっみみみみみみっ!?


 えっ!?えっっ!?


 えっ?えっ!?(語彙力喪失)





〜ソフィ視点〜


 時は少し遡り、20時45分。


 私は温泉から出る気も無く、『千里眼』と『盗聴』と盗聴の仕組みを逆転して音声を伝える魔法『伝話』を使って、温泉に入りながら2人を私の部屋へ誘った。


 ついでに、私の部屋のドアに重ねるようディメンションルームの入口を作り、出口を脱衣場に設定して2人の方から来てもらうことにした。



「ああぁ、それにしても、ほんとごくらく·····」


 ·····温泉が気持ちよくて出たくなかっただけじゃないよ?



 そんな感じでボーッとしていると、脱衣場のドアが開く音がして、2人が騒ぐ声が聞こえてきた。


 やっと来たか、待ちくたびれたよ。


 私はこの素晴らしい温泉を2人に紹介するべく、意を決して温泉から上がり、()()()()2人の方に向かう。


 そして、ある程度近付いたら2人に向かって·····


『アルムちゃん、フィーロ君、ようこそ!私の作った『()ートピア』へ!』


 キマッたー!!

 この素晴らしい温泉に2人は歓喜の悲鳴を·····



「なんだぁ、やっぱりソフィちゃああああああああぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁあッッッッ!?!!?」


「ちょっ!?ソフィちゃんっ!?」


 別の悲鳴を上げた、特にフィーロ君が。


 なんで!?


 想定外の悲鳴に私まで怖くなってきた。

 まさか、この前深淵魔法を使った時に出てきたバケモノたちが後ろに·····


 な、なんかわたし、怖くなってきちゃった。


「えっ!?なにっ!?どうしたのっ!?えっ!?なんか居る!?怖いっ!!」


「えっ!?なぁぁぁぁぁああぁぁあぁっ!?わあぁぁぁあああっあぁあっあー!!!???」



 私が狼狽えだすと、フィーロ君が一瞬私の方を見たあと、また発狂してしまった。



 えっ!?ほんとなに!?何なのっ!?私に見えない何かが追ってきてるの!?


 あまりの恐怖に、わたしは幼児退行····· いや、年相応の精神年齢になってしまい、泣きながら助けを求めて友だち2人の方に走りだす。



「ごわいよぉぉおおお!!びえぇぇええええっ」


「ちょっ!?だからソフィちゃんっ!!ふくっ!服を着てっ!!」





 ピタッ





 ·····フク?


 拭く、福、幅、腹、吹く·····


 ·····()


 目線を下に向ける。


 うん、スッポンポンだね、水も滴る良い女だよ。




 目線を上げてフィーロ君を見る。


 うん、肌が見える所は全部真っ赤になって、手で顔を隠しているね。


 でもフィーロ君、指の隙間から私をしっかり見てるよね?

 私が体の向きを変えたらビクッてしてたし。


 ·····


 ·····


 あれ?


 ·····


 ·····


「きゃぁぁぁぁあああぁあああぁぁあぁあぁぁぁあぁぁぁあぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁあぁっ!?」


 わ、わすれてた、なかよくてわすれてた、ふぃーろくん、おとこのこ、わたし、おんなのこ、わたひははだか


 ふぃーろくん、わたしのこと、ばっちりみてた、いや、わたしから、みせにいってた?


 つまり?


 つまり?


 ぜんぶ、みられてた?


「あばばっあばばばばばばばばばばばばばばば!!」


「ひっ!?あっ、ソフィちゃ、みえっ、きゅうっ·····」




 ばったーん!!




 ここで実況は私こと、ちょっと未来のソフィ・シュテインに変わります!


 おおっとソフィ選手!

 裸を見られた羞恥心によりノックアウト(K O)


 そしてなんと!フィーロ選手!

 彼は鼻から見事に鼻血を吹き出してノックアウト(K O)


 この勝負、ダブルノックアウトにより引き分け(ドロー)


「えっ、ちょ!ふたりとも!大丈夫っ!?ねえ!」


「あばばばばば·····」


「ぼ、僕の人生に、一片の、悔い····· なし····· がくっ」




「と、とりあえずソフィちゃんに何か····· あっ!タオルあった!」


 1人取り残されたアルムは、全裸で気絶したソフィにタオルを掛けるというファインプレーを見せた。


 しかし、彼女も相当焦っていたのかタオルを巻くのではなく、ソフィの全身を隠すように上から被せたせいで、鼻血溜まりに沈むフィーロも相まって、殺人現場の様な状況になってしまった。



 ソフィ温泉殺人事件



 後にこう呼ばれる事になる事件は、犯人(ソフィ)の自爆が原因と結論づけられた。







      〜TS賢者は今日も逝くっ!〜


          〜Fin?〜


 〜短い間 ご愛読頂きありがとうございました〜












「いや!まって!?ちょっと!?この状況どうにかしてー!!ねぇーー!!起きてよ2人ともーー!!」


「「·····」」



 ブチッ



『起きろゴルァ!!!』


「「はいっ!!」」






      〜TS賢者は今日も逝くっ!〜


     〜もうちっとだけ続くんじゃ♨︎〜




名前:ソフィ・シュテイン

年齢:6才

ひと言コメント

「記憶を消す魔法、禁忌、人の記憶を消す方法、検索·····」


名前:フィーロ

年齢:6才

ひと言コメント

「今日も寝れないかも·····」


名前:アルム

年齢:6才

ひと言コメント

「あのさ、ワタシってツッコミ役だっけ?」


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