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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
210/221

魔族を継ぐもの



 ジュウウウゥゥゥゥゥゥウウウ·····


「ンア゛ヂヂヂヂヂッ!!」


 私は金星の表面に出来た新しいクレーターの中で体が再生した途端壊れて行くのを繰り返しながら色々工作をしていた。


 まぁ体がズタボロだから動きようが無いし再生も厳しいんだけど魔法のせいであと5分は死ねないから、その間に魔法で色々やっていた。



 例えば『ディメンションルーム』へのゲートと、それを保護する結界と物理的な遮蔽物として『魔導コランダム』でできた分厚いドームを作っておいた。


 コランダムは簡単に言うとサファイアだ。


 サファイアは酸などの薬品に耐性があり、非常に硬く堅い性質があり、ガラスより耐熱性も高いため、この過酷な環境の金星表面でも耐えられるように選んだのだ。




 さて、そろそろ私が金星に直接やってきた理由を説明しよう。


 私がよく使っている亜空間の部屋に入る魔法『ディメンションルーム』は使い方が少々特殊だ。


 この部屋への入り方は私が設置した『ゲート』に入る事で行くことができるし、1度設置したら例えどんなに距離が離れていてもこの別次元に入って移動が可能となるのだ。


 これだけ聞くと物凄く便利に聞こえるが、このゲートを設置するのに条件があってそれが欠点となっているのだ。


 その条件というのが


 『ゲートを設置できるのは使用者の半径1m以内』


 これが中々面倒で、例えば千里眼で見た先には設置できず、直接行って設置する必要がある。


 まぁ私の魔法だったら地球上であればとこでも転移だったり魔法で飛んで行けるから問題ないし、今では月程度の距離であれば転移で届くから設置も簡単だ。

 しかしこのディメンションルームのゲートは距離に制限は無いけど設置するのが大変なのだ。



 という訳で、私はゲートを設置するため金星まで直接やってきたという訳だ。


 ちなみに死ななくなる魔法を使ったのは、天使の服が万が一にでも死に戻りした時に金星に取り残されたら困るので、天使の服に頼らず宇宙空間でも活動可能になる手段を頼ったという訳だ。



「アッ·····シンジャウ·····」



 色々暇つぶしをしていたが、とうとう時間が来てしまったようだ。



 不死になる魔法の効果が切れて再生がストップすると、私はすぐに死んでしまった。





《残りリスポーン回数:2/3》





「ぶはっ!!あー死ぬかと思った····· あっ死んでたわ!!んっはっはっ!!」


 私は無事に地球·····というかディメンションルームの私の部屋に帰ってこれた。



 さて、これで地球からでもディメンションルームを経由して金星を千里眼で探索出来るようになった。


 あとはもうやることと言えば1つしかない。



「さーて、金星に文明はあるかな〜♪」


 早速私は金星に設置したディメンションルームのゲートから『千里眼』を出して、金星表面の探索を開始した。


 その金星の表面だが、なんというか、酷いという言葉しか出てこない。


 空は分厚い硫酸の雲に覆われて非常に暗く、地表は非常に高い大気圧や温度のせいでボロボロになって地獄のような景色になっていた。


 そして何より·····



「流石はあんな巨大宇宙船を作る文明だなぁ·····」



 私が着地した地点から遠く離れた位置に明らかに人工物らしき巨大なビル群があったのだ。


 明らかに不自然に直角的な形状をした柱が地面から何本も生えているなんて、そんな現象は自然では絶対にありえない。

 だって明らかにあの一帯だけ明るいんだもん。


 まぁ柱状節理や石灰岩の風化などによって自然でも直線的な形状にはなる事はあるけど、この環境下でそれは絶対に有り得ないし自然発光現象が断続的に発生するのもありえない。



「さて、近付いてみよっと」



 私は千里眼を動かして謎の都市に向かった。





「これは·····」


 明らかにおかしいとは思っていた。


 確か金星から地球に魔族の祖先がやってきたのは650万年以上前の話だったはずだ。

 つまりこの都市は最低でも650万年以上はこの過酷な環境下で放置されているはずなのだ。


 にもかかわらず、私が今見ている建造物群は不自然なほど綺麗な形状を保っていたのだ。



「考えられるとすれば、未知の材質か、この環境に耐えられる魔道具があるか、それか·····」



 まだ誰か暮らしている。



 私がそう推測した瞬間だった。



「誰かいるっ!」



 高さ1000mはあろうかという巨大なビルの窓のひとつに影が横切ったのを私は見逃さなかった。

 それを見た私の心境はドキドキ3割、怖さ3割、尿意2割の便意2割だ。


 という訳で、その窓から私は侵入して影の主を探し始めた。


「どこだー?どこいったー?」


 建物の中はこれぞSFといった感じの無機質な廊下と部屋が続く感じで、見た感じ居住区のようだ。

 少なくとも、内部に戦闘の形跡や風化の痕跡は無くて今も使われてるのかと思うくらい綺麗だ。


 そして、私は影の主を発見した。



「·····なんだこりゃ?」



 それの形状を例えるなら、機械でできた大人になったエビちゃんだ。


 いや、顔も背格好も似てないが、頭から角の生えた女性?うーん·····体の骨格は女性なんだけど胸がエビちゃんしてるから分からない、中性的なロボットが歩いていた。


 手には何かしらの魔道具、多分清掃や補修用の魔道具らしきものを持って、通路の真ん中をテクテクと歩いていた。


「こりゃ確定だ!まだ都市機能は生きてる!凄い!650万年以上動き続けるなんて!」


 私は興奮して、そのロボット····· たぶんお掃除ロボットを鑑定して更に驚いた。


 なんと製造されたのが5万年前なのだ。


 つまりこの都市で作られたばかり·····というのも変だけど、魔族が地球にやって来て随分経ったあとに作られた物なのだ。

 というか5万年前の魔導機械が動き続けているのも大概やばいよね。



「えーっとなになに?古代魔族語だなこれ····· ふんふん、名前は『Personia-2367』ね、動力は魔力か····· 何ヶ所も修理とか改良した痕跡もある····· ってことは修理と生産をする工場があるのかな?」


 とりあえずまだ他に動いているものが無いか探すのが先かな·····


「よし!ちょっと探してみよっと『サーチ』!」


 私は動体検知をする魔法を放つと、なんと数万にも及ぶ動体の反応があった。

 ·····が、その全てに生命体反応は無い。


 つまりここは無人の都市という訳だ。


「·····このパターンなら、一番偉い人のとこに手がかりがあるに違いない」


 私はとりあえず今見ているお掃除ロボットさんを転移魔法を経由してインベントリにぶち込んで(誘拐して)、目星をつけていた場所へと向かった。


 ·····管理システムが盗まれた事を察知してブチキレ始めるまで、あと30分。





「あったあった、明らかにここだけ高そうな見た目してるからねぇ·····」


 私が目星を付けていた場所は、このビル群の中でも群を抜いて高いビルの最上階だ。

 だってここだけガラス張りで明らかに明るかったんだもん、絶対になんかあるでしょ!



「お邪魔しまーす·····」



 一番偉そうな部屋の中は、まさにSF時代の大統領とかが居そうな豪華な作りになっていた。


 うーんアレだ、どこぞの箱根の地下にある秘密組織の主人公のお父さんが居る部屋にもうちょっと生活感とオシャレさをプラスした感じだ。


 そんでこの建物を見たら分かるけど、玉座の間みたいなのはなくてホワイトハウスの執務室とかそういう感じの、近代的なお偉いさんの部屋だ。


 そして入口に古代魔族語で『魔王執務室』と書いてあったから間違いない。



「ビンゴ!ここが魔王の部屋だ!」



 そうとくればしっかり探索しなきゃねぇ·····


 エビちゃんにも見せてあげたいし、ちゃんと録画しながら探索しよっと。





 ·····困った。


 とんでもない事実が判明したかもしれない。



 この執務室の最後の主は、『マサトクラマ・アマイモン・ファゴサイトーシス』という事がわかった。

 これが問題だった。



 順を追って説明しよう。


 部屋の探索を始めた私がまず初めに見たのは、執務机だ。

 その上には、机の上に1冊の日誌が置かれていた。


「·····え」


 その表紙には


『魔王日誌』


 と書かれていた。




 ·····日本語で。



「·····や、やっぱり、薄々気が付いてたけど、絶対そうだ」


 魔王『マサトクラマ・アマイモン・ファゴサイトーシス』は、日本に縁がある人物だ。


 というか、ほぼ間違いなく日本人だ。

 だってタイトルの下に·····


『著 鞍馬(クラマ) 真人(マサト)


 そう書かれてるのだから。


「はぁぁぁぁぁ····· 通りで魔族語の発音が日本語に似てる訳だよ、古代魔族語とかほぼ日本語だしさぁ·····」


 そう、実は魔族語は日本語と非常によく似た言語体系をしている。

 古代魔族語になると、文字さえも日本語に近くなってくるから絶対日本と関係があると思ってたけど、まさか·····




「·····何やってんのさ、爺ちゃん」




 鞍馬 真人

 私の前世の母さんの旧姓で、母さんが学生の頃に仕事中に行方不明になり死亡扱いになってると言うのは聞いてたけど、まさか異世界に·····

 それも、650万年以上前の金星に転生してたとは思わなかった。


 いや分かってた方がおかしいけど。



「見るの怖くなってきたな····· でも、もしかしたら異世界転移についてヒントがあるかも」



 ただ、爺ちゃんが転生してきたって事は、何かしら日本へ行くヒントがあるかもしれない。


 そして私は日記は開くことなく、魔法でスキャンしてデータのみを取り込んで読み始め、すぐに頭を抱えた。



「·····爺ちゃん、マッドサイエンティストだったのかよ」



 情報量が多すぎて小出しにするけど、分かったことは


・爺ちゃんは戦時中は超能力保有者だったこともあり若くして旧日本軍の極秘超能力研究部隊に所属し、超能力の研究をしていた


・戦後、米軍の超能力研究所に確保され様々な超能力に関する実験をやってた


・前世の母さんが産まれ、暫くして米軍の空間転移実験中に事故に巻き込まれ、異世界へ来た


・金星(惑星サイトーシス)到着後、魔族と協力し日本へ帰る研究を開始

・·····するも、当時の魔族の技術では世界間の転移は難しく、数十年経つ


・途中で方針を転換、『サイトーシス・フォーミング』の技術開発を進め、自身を長命種である『アマイモン種』の魔族へ人工進化する


・寿命から開放される数千年が経ち、何故か国を作りメモリア・アロケル・ファゴサイトーシスという妻が出来た。

 そして魔導科学王国は異世界転移の技術開発の際に産まれた様々な技術で文明がSFレベルまで一気に発展した。


・·····が、宇宙船開発のために金星からあらゆる資源が採掘され、枯渇。

 そこに巨大隕石が衝突し、大気中に大量の二酸化炭素や硫酸の原料などがばらまかれた。


 それにより魔族の数は激減、食料なども生産がほぼ不可能になり、残った国々で安全な場所の奪い合いの戦争が始まって魔導核戦争(?)が始まる。

(『あの忌々しい兵器』としか書かれていない)


 その戦争により更に大気や地表が汚染され、惑星は手の打ちようが無い程にダメになってしまい、更に国も殆ど無くなってしまった。


 このあたりで奥さんが亡くなったらしく、情緒不安定になって読めなくなっていた。

 ·····なんか、奥さんを魔導頭脳にしてあーだこーだ書いてたあったのだけは、あんまり理解したくないけど分かった。



 で、そんなアルマゲドンじみた状況で唯一国家として形を保ってたのが、爺ちゃんが作った国だった。


 爺ちゃんは残った金星の魔族を全て集め、資材不足で苦しむ中でも何とか建造途中だった宇宙船を力を合わせて3隻完成させ、爺ちゃんは最後まで残ってこの都市を守り、最後に1番大きい船に乗りこんで沢山の住民を乗せて、生存優先ではるか昔より非干渉を貫いていた1番近くで生存が可能と思われる『地球』へと向かった·····



 そして、最後のページに·····



『終ぞ日本への帰還は叶わなかった、だが収穫はあった、少なくとも『神』になる必要があるようだ』


『故に魔神の末裔であるアマイモン種になり魔神化したが、不可能だった』


『私は神を憎む、私からあらゆる物を奪った神を』



『メモリア、この星を頼む』


『日本に残してきた妻と、麗花は元気だろうか』


『私はこれ以上何かを失わないために、この世界の地球へ向かう』



『この手記を読んでいる者へ』



『伝えてくれ、魔族がこの星で生きていた事を』





「·····困ったな」



 爺ちゃんも、校長先生と同じで長命種になって帰る方法を探していたようだ。

 ·····でも、見つからないまま金星の文明が滅んでしまい、地球へと移住した。


 そしてその後は分からないけど、前世の記憶からすると帰還は叶わなかったようだ。


 けれど、爺ちゃんは校長先生よりも先に進んでいるようだった。



「·····神になる、ねぇ」



 爺ちゃんが遺したその一言は、私を爺より先に連れて行ってくれた。


「神、爺ちゃんが気がついてるか分からないけど、たぶんこれ4次元生命体になる必要があるな·····」


 私は死んで生き返る時に、何度も神界へ行っている。

 その時、ガイア様が『神は4次元生命体』と、思いっきり·····まるで都内で降った雪が翌日にガッチガチに凍った時くらい思い切り口を滑らせていた。



 そして数千年生きてる2人がどちらも異世界転移が出来なかったのも、4次元生命体に神化出来なかったからと考えれば納得できる。



「となると、いま一番4次元生命体に近いのは私って訳だから····· ·····やるしかない、か」



 私は4次元生命体の下っ端の天使になり掛けている。

 まぁ何度も死んでるせいな気がしないでもないけど、まだ至るには程遠いらしいけどね。



「はぁ····· 数千年か·····先は長いなぁ、まぁとりあえずエビちゃんに魔族の最後についてあれこれ教えるとして、色々ぼかして伝えないとダメだわ·····」


 

 私は魔族の真実についてどうエビちゃんへ伝えような悩みながら別の場所の探索へと向かっ



\ビーッ!!ビーッ!!/

【警告】

【『Personia-2367』の盗難を確認、直ちに捜索せよ、犯人を絶対に許すな】

【(すんごい罵詈雑言)】


\ガシャンガシャンガシャンガシャン!!/


「ん?やべっ!!管理システムにロボット盗んだのばれた!!?しかもなんか人間みたいなブチ切れ方してる!!?!?に、逃げろぉー!!」



 私は探索を諦めて千里眼を解除して急いで逃げたのだった。



名前:ソフィ・シュティン

年齢:14歳

ひと言コメント

「·····ん?まって!?しれっと日本に超能力あるとか書いてなかった!?あるの!?そんなファンタジーみたいなの!!」


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