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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
204/225

迷宮姫の実力っ!



「グラちゃん、自分がダンジョンになったってどういうことなの?」



 自分がダンジョンマスターではなくダンジョンになったと自称しているグラちゃんに私は問い詰めた。



「言うより見せた方が早いわ、ディメンションルームの庭で検証しましょ?」


「分かった、じゃあ早速行こう」



 私はグラちゃんの言った通りにディメンションルームへとゲートを開き、巨大な世界樹が生えている庭へと向かった。





「·····で、来たけど何見せてくれるの?」


「そんなの私の新しい力しかないじゃない、『Labyrinth Maker』」


 ズゴゴゴゴッ·····


「うわっ!?何これ!?」


「使い方が手に取るようにわかるわ····· 楽しいわねこれ!」



 グラちゃんが前方に手をかざすと地面が隆起して小高い山となった。

 そしてその山は長細く高くなり、グニャグニャと飴細工のように形を変えてよく分からない形になった。



「·····本当に何これ?」


「えっ?分からないの?白鳥よ?」


「えっ!?あー····· 上手だと思うよ?」



 ごめん羽の生えたヤカンとツチノコの合成獣(キメラ)だと思ってた。



「私が新たに手に入れたユニークスキルは『迷宮姫』よ、どうやら私自身が迷宮となっていて、今のところ半径10kmならダンジョン化させて自由に改変出来るみたいね、この半透明の板を見る限りだと魔物の召喚や使役も可能みたいね、他にもアイテムの召喚も出来るみたいよ」


「すっごいヤバい·····」



 グラちゃんの新たな能力はダンジョンのコアと融合した事でわかる通り、彼女自身がダンジョンと化してダンジョン編集能力によって地形を自由に操れるようになったようだ。



「あと面白い事を見つけたわ、ダンジョンコアはダンジョンマスターを倒さないと基本的に破壊や干渉ができないみたいなのよね」


「ふんふん?」


「そして私はダンジョンマスターでありダンジョンコアでありダンジョンそのものなのよ」


「ふふん?」


「つまりマスター()コア()でもあるから破壊することが出来ないみたいなのよ」


「·····ということは?」


「私は攻撃を受けても死ななくなったわ、それにダンジョンは非生物だから寿命という概念が無いみたいね····· という訳で私は不老不死かつ無敵状態になったみたいよね」


「はぁ!?えっ!?不老不死ぃ!?というかなんでそんな冷静なの!?」


「えっ、だってお姉様も不老不死だからよ?」


「あー、確かに校長先生は不死かは知らないけど不老らしいからなぁ·····」



 いやぁ、あんまりにも軽く『不老不死になった』とか言われたらビックリしたわ。

 確かに校長先生は魔女化して不老になったと言ってた気がするから、その子孫であるグラちゃんはそういうのに慣れてるのかもしれない。



「まぁ死ぬ時は死ぬと思うわ、確かに私自身がダンジョンになったけれどこの体はあまり変化はないと思うから、毒や病気で死ぬ可能性も否めないわ」


「ほぼ不老不死かぁ····· 羨ましいかも」


「不老不死についてはもういいわ、今すぐ何か変わる訳でもないから、それよりも私の能力よ!ダンジョンの力を手に入れて地形や空間に干渉する力や、他の生物を操る力、魔道具を生み出す力、それにダンジョンを運営するためとコアの力で魔力の貯蓄量と出力が上がったのよ!」


「わ、わかったわかった!というか思考能力もかなり向上してない?」


「してるかもしれないわね、前より頭が冴えてる感じがするわ」



 ちなみにこれはグラちゃんの気のせいであった事が後に判明する。

 普通にテンションが上がって冷静どころか少々おかしくなっていただけだったようだ。



 だがそんな事は知らない私はグラちゃんと同じくテンションが上がり、その能力の検証に励んだ。





「·····って訳で、グラちゃんの体を鑑定した結果なんだけど」


「どういう訳よ?」


「いやそこは尺的に察して?」


「わかったわ····· で、どうなってたのかしら?」



 私はお風呂でグラちゃんの体を鑑定して異常が無いかを調査した。

 すると色々衝撃の事実が判明した。



「まずグラちゃんは人じゃなくなってたよ、種族が『ダンジョン』になってた」


「えぇ·····」


「更に、グラちゃんの体内は人と全く変わらないんだけど、·····いや内臓がダンジョン化してたけど、もし肉体が損傷や劣化した場合はまるでダンジョンを作るみたいに修復できるみたい」


「それは凄いわね····· でも種族がダンジョンってどういう訳よ?」


「いや私に聞かれても·····」



 グラちゃんは肉体的にはほとんど変化が無かった。

 あっ、魂と魂の器は肉体にある臓器とかではなくて魔力とかそっち系のモノだからノーカンだよっ☆


 ちなみにグラちゃんの魂と魂の器は形が劇的に変化していて、ダンジョンコアと呼ぶにふさわしい形状に変化していた。



「·····あっ、面白い物を見つけたわ」


「なになに?」


「『shortcut』」


 シュンッ


「えっ消えた!?」


『こっちよ』


「ぬおわあああぁぁぁあっ!?」



 グラちゃんの姿が消えたと思ったら、いつの間にか私の真後ろに移動していた。

 転移系魔法、つまり空間属性魔力の残痕が感じ取れたからきっと転移の魔法を使ったんだろう。



「転移できるの!?」


「転移というよりかは、ダンジョンの範囲内であれば自由に移動できるという、ダンジョンマスターがダンジョンを管理するための能力ね、つまり半径10kmの範囲だったら自由に移動できるわ」


「ふへぇ····· 便利·····」


「そうね、あと水中で呼吸も····· いえ、本当は呼吸も必要無いみたいね、なんなら食事を取らなくても魔力だけで大丈夫みたいよ」


「本当に人じゃなくなってるじゃん·····」



 結局グラちゃんの能力は探せば探すほど新たな力が見つかり、夜も深けて来たので今日のところは寝ることにした。





 翌日



 朝になって目が覚めた私たちは、グラちゃんの実力を把握するため依頼を受けようと冒険者ギルドへと来ていた。

 ちなみにグラちゃんは睡眠も不要な体になってたそうで徹夜で能力を研究してたらしい。



「おはよーございまーす、何かお困りの依頼ありませんかー?」


「あっ!なかよし組の皆さんですね!何件か達成困難な依頼がありますがよろしいでしょうか?」


「もっちろんですよ!じゃあ見せて下さいな」



 私たちはSランク冒険者パーティになってからは、他の冒険者が攻略するのが困難な依頼を受けて攻略するという慈善事業みたいなことをやっていた。


 報酬は基本的な報酬に加えて冒険者酒場の料理をタダで食べられるという超絶お得な報酬だ。



「こちらですね、増えすぎたモフウサの確保、盆地中央近くで発見されたプリティアサシンキャットの討伐、北の街道沿いで目撃された盗賊団の偵察と発見、爆弾スライムの処理、王都直結トンネル周辺の整備ですね」



「うわぁ····· なかなか難しいの多いですね·····」


「そうですね····· モフウサに関してはモフウサ専用の新規農地を開墾する予定なのですが少々追い付かなくて、一時的に別の農地へと半分ほど移動する事になっていますので、籠に入れて運んで貰う形となります」


「うーん····· 難しい·····」



 モフウサはこの世界でも数少ない『S+ランク』に指定される魔物だ。

 まぁ強さに関しては、正直初心者冒険者がひのきのぼうで倒せるくらいの強さだ。


 しかしそのつぶらな瞳、愛嬌のある仕草、フワッフワの毛、その全てが凶器となるのだ。

 なんとコイツら、敵意を向けられると両手で耳を抑えるように頭を隠してプルプル震えるのだ。

 抵抗も逃げることもせずその場で震えるだけで、本当に何もしない。


 でもその仕草が可愛すぎて、私でさえ攻撃できないし攻撃をする奴がいたら絶対許さない。


 ちなみにこの前襲撃してきたドラゴンでさえ、足元のモフウサに気をつけながら攻めてきてたからね?踏みそうになったら自分がバランス崩して転んででも回避してたし·····



 ちなみにだけど、モフウサはサキュバスとかみたいに魅了等の魔法は一切使ってない。

 純粋な可愛さだけで全生物を魅了して討伐を困難にしているのだ。


 公式の記録ではドラゴンより討伐数が少ないと言われているが、割と増えやすくて農地を荒らすので困った奴なのだ。



「モフウサに関しては分かりました、次はプリティアサシンキャットなんですが、どんな見た目でした?」


「はい、話によると白色の長毛種だったそうです、あと目付きがちょっと悪かったとか·····」


 うん、心当たりあるわそのプリティアサシンキャット。


「あー····· 言っていいのかな····· ちょっと耳貸して下さいな」


「はい?」


「(そのプリティアサシンキャット、私のペットで近くの魔物を狩ったり、周囲の猫系魔物を支配してるので気にしなくて大丈夫です)」


「ええええええっ!?えっ!あのプリテむぐっ!?」


「シーッ!静かにして下さいっ、ナイショって言いましたよね?」



 言ってなかったけど言ったことにしておこう。

 一応魔物を使役するテイマーっていう職業はあるけど、プリティアサシンキャットを使役してるってバレたらモフウサ並の扱いを受けてしまう。


 きっとモフモフに飢えたモフ廃人たちがこぞって襲ってくるに違いない。


 とりあえず私たち専属となりかけてる受け付け係の人に後でこっそりモフらせてあげることを約束して、依頼を下げてもらった。



「後は特に問題は無いと思います、王都直結トンネルに関しては即日は無理だと思いますが·····」


「いえ、そちらは工事中に出た巨岩の撤去と周囲の地ならしや土砂の撤去等なので『なかよし組』の皆様なら一日で終わると思いますよ」


「·····ソフィ、これフシ町の近くじゃよな?」


「え?まぁそうだけど·····」

「昼過ぎじゃよな?じゃあついでにお主の実家に立ち寄って昼でも食べるのじゃ、·····ワシがちとお主の家族に用事があるんじゃがの」


「なんでエビちゃんが勝手に決めてんの····· まぁいいけどさ、みんなもお昼はウチで食べてくでいいよね?」


『『はーい』』


「おっけー、じゃあこの4つでお願いします」


「承知しました、ではよろしくお願いします」


「はーい、行ってきまーす!じゃあみんな行くよ!」


『『おー!』』



 こうして私たちはグラちゃんの能力を試すためにギルドの依頼を受けて街の外へと向かった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「ちなみに学校の図書館の禁書の中にモフウサの味について書かれた本があったけどかなり不味いらしい、肉までモフモフしてて食えたもんじゃないとか····· もしかしたら不味いから食べられてないのかもなぁ····· いやそれは無いわ、可愛すぎて殺せないだけだよ絶対」


名前:グラちゃん

ひと言コメント

「·····睡眠は不要と言ったけれど、なんか妙に眠くなってきたわ、やっぱり必要だったのかしら(※変なアドレナリンが出すぎて寝れなかっただけ)」


名前:なかよし組

平均年齢:14歳

ひと言コメント

アルム

「盗賊探しかぁ····· ちょっと不安」


フィーロ

「別に盗賊の討伐じゃなくて発見だから大丈夫だと思うよ、ソフィちゃんが魔法で見つけると思うし」


ウナちゃん

「盗賊かぁ、わたし絶対みつからないから怪盗に向いてるとおもうんだ、でも義賊の方がいいな!」


エビちゃん

「モフウサに関してはワシもダメじゃ、あやつらには手出しが出来ぬ·····」


ミカちゃん

「モフウサは、枕にすると、サイコー」


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