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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
203/221

新生の迷宮姫


【建国1227年2月14日】


 今日も私たちは休み····· というか、ここ1週間は海外で行われてた魔法競技大会のサポートで実質登校してたから、数日間は休める事になっていた。


 という訳で、私たちは休みを思う存分活用して、ギルドホームへとやって来て各々の部屋やリビングを好みの感じに改造していっていた。


「ソフィちゃーん!ちょっとこの辺り変えてもいいー?」


「いいよー!いまいくー!」


 私はみんなの部屋の手直し係をやっているんだけど、まぁ要望が多くてさっきから大忙しだ。





「はひぃ····· 疲れた·····」


「うん!満足っ!」

「僕も大体終わったよ」

「私は特に変える所は無いわ」

「わたしはガッツリかえちゃった!」

「ワシもじゃな、豪華な感じにしたのじゃ」

「わたしはふんわりにした」



 みんなの要望を聞きながら作業をしていたら、いつの間にか日が暮れていた。


 いや、言い出しっぺの私が悪いんだけどさ?

 はぁ、安易に「気になるところがあったら改装を手伝うよ!」とか言わなきゃよかった·····


 誰か手伝って欲しいわぁ·····



「·····あっ、そうだグラちゃんに頼もっかな」


「えぇ?私は無理よ?一応基本属性は全部使えるようになったけれど、樹木魔法とかは無理よ?氷ならいくらでも作れるのだけれど·····」


「んにゃ、グラちゃんにはダンジョンマスターになってもらおっかなって」


『『はぁ!?』』



 私が思いついた計画は、この建物と土地をダンジョンにしてしまって、グラちゃんに管理してもらうというものだ。


 実は私のインベントリには前に攻略したオークキングのダンジョンのコアがそのまま保管されてて、いつ使おうか悩んでいたのだ。



「って訳で、私たちの土地になったんだからどうせならダンジョン化しちゃおっかなー·····なんて」


「はぁ····· 危険は無いのよね?」


「鑑定した限りでは無いよ!ダンジョンマスターといっても、なんて言えばいいかな····· 建築士みたいな感じだよ!コアから表示される地図を見て、それを魔力で組みかえたり地形を変えたり魔物を配置したりする仕事をするって感じ!」



 私のイメージ的にはゲームのハウジング機能とかそういう感じなんだけど、みんなには伝わらないだろうから建築士と例えてみた。



「へぇ····· ということは、ソフィの狙いは魔物じゃなくて地形や建物の形を変える機能ね?」


「正解っ!あとは防犯能力の強化も目的だよ!侵入者の感知とかも出来るからね!そんでこの家はグラちゃんのだから、コアをグラちゃんの部屋に置いといて欲しいんだ、ついでに管理者もグラちゃんにしちゃおうって作戦!」


「·····私に出来るかしら?というか大丈夫なのよね?コアを破壊されたら死んだりしないわよね?」


「大丈夫!コアを破壊されたら復活しなくなるだけみたいだから!」


 ここで豆知識!

 魔法学校の図書館にあった本によると、ダンジョンのコアとリンクした存在、いわゆるダンジョンマスターはコアがある限り復活するらしい。

 で、先にコアを破壊されると死にはしないけど、強化とか復活といった恩恵は受けられなくなるんだとか。


 ·····まぁ古い資料だったけど、たぶん合ってる気がするから問題ないだろう。



「別にいいんじゃない?というか魔法競技大会の死ななくなる結界あったでしょ?あれダンジョン化してるからだよ、だから人間が使う事も有り得るからね!」


「はぁ····· 分かったわよ、でもこの国の魔導具を勝手に解析しちゃダメよ?」


「へいへい、じゃあ今からコアを出すよ!」



 そう言うとみんなが返事をして警戒し始めた。

 別に警戒しなくていいんだけどなぁ·····



「じゃじゃーん!これがダンジョンコアだよ!」



 私がインベントリから取り出したのは、仄かに光る白いバスケットボールくらいの大きさの玉だ。

 これは私が6歳の頃の夏休みに攻略したダンジョンからかっさらってきたモノで、解析と研究を重ねて初期化してある綺麗なダンジョンコアだ。


 ちなみに私が攻略したダンジョンは5個ある。

 1つ目はこのコアを盗んだダンジョン

 2つ目は宇宙から爆撃したドラゴンのダンジョン

 3つ目はそれに巻き込まれた小ダンジョン

 4つ目も同じく巻き込まれた小ダンジョン

 5つ目も巻き込まれた中規模ダンジョン


 って感じだ。


「これがダンジョンコア·····初めて見たわ」

「これって持ち出せるモノなの?」

「無理だったはずだよ、確か壊したり持ち出すとコレで構築したダンジョン部分が壊れるから、破壊する時は近くに爆破魔法を仕込んでダンジョンから出てから発動して壊すって感じみたいだね、それに残しといたら魔物が復活するらしいし?」


「ピカピカしててきれい·····」

「ほう?ダンジョンコアとは懐かしい····· ワシも反抗したダンジョンマスターを片っ端から殺して回ってたのぅ·····」

「枕にできない、きょうみない」



 ダンジョンコアをみたみんなの反応は様々だが、ミカちゃん以外は興味を持ってくれたようだ。


「じゃあ使い方を説明するね!まずは·····」



 そして私はグラちゃんにこの家をダンジョンにしてもらうために使い方を教えて行った。










 ここは何処かの空間にある部屋


 そこに2人の男女が居た



『ねぇウラヌス』


『どうしたのそんな顔して』


『この2人目の子さ、私たちが作ったにしてはそれほど大きな成果は上げてないわよね?』


『確かにね·····2番目は一般的な子と比べると能力は飛び抜けて高いけど、あの転移者の子孫と言うことを考慮れば十分有り得る値だし·····』


『そうそう、他の1番目の子と3番目の子からは物凄く沢山良いデータが得られてるんだけどねぇ·····』


『じゃあどうするの?·····まさかとは思うけど()()する気?』


『いや、それは3番目の子·····ソフィちゃんの友達だから仮にやったとしたら、ブチ切れて惑星に尋常じゃない被害が出るわ、下手したら()()まで来るわよ?』


『有り得る話だね····· 僕らの想定を超えて成長してるみたいだし、あの子、現時点でも惑星1つ程度なら壊せるよね?』


『丸ごと消し去るのは無料ね、でも全生命を根絶する事なら余裕よ?·····まぁどちらにせよ、2番目の子は成果少ないからなんか手を加えたいわよねぇ』


『じゃあ何か新しい要素でも加えてみる?』


『うーん、2番目の子の器はかなり頑丈に作ってあるから良いかもしれないわね』



 そう言うと、ガイアと呼ばれる女がデスクにある機械を操って2番目の少女に関するデータを表示した。



『この子は氷魔法に対する適性がかなり高いわね、何か良いスキルはあったかしら?』


『氷か····· 氷じゃないけど物質の3相を自由に変えられる能力はどう?』


『微妙ねぇ····· ソフィちゃんだったら悪用してエグい使い方をするのだけど、この子に出来るとは思わないわ、常識の範囲内が限界よ』


『だけどあの子が手伝えば何かいい案が浮かぶかもしれないよ?』


『いや、彼女に頼り過ぎるのも良くないわ』


『確かに、じゃあ何か·····』


 とウラヌスが悩みながら言った瞬間、急にガイアが立ち上がって絶叫した。


『あーーーーーーーー!!!!!ちょっと!!あの子!!なにやってんのよ!!ダンジョンを街中に作ろうとしてるわよね!?』


『ビックリした·····』


 画面を見ていたガイアが突然絶叫した。

 ビックリしたウラヌスが画面を覗き込むと、彼も驚いていた。


 そう、3番目の少女ソフィがダンジョンコアを盗んでいて、勝手に街中にダンジョンを作ろうとしていたのだ。

 ダンジョンは通常街中にあってはいけない物で、更に一部のダンジョンは強さや人間種と魔物の比率を調整するために神が調整するためのデバイス的な役割がある物なのだ。


 要は、ダンジョンとは神が下界に手を加えるための道具という事で、ソフィのような悪知恵の働く物が掌握してしまったら、神の力を一部とはいえこの時点で使えてしまうことになる。


 しかも作る場所は山奥とかではなく、よりによって1番マズい人口の多い街中だ。


 流石に看過できなくなった神々は、ソフィが使い方を説明している間にあれやこれやと対策を考えた。



 そして·····



『思いついたわ!2番目の子、グラシアルちゃんをダンジョンにするのよ!』


『はぁ!?ダンジョン管理人じゃなくてダンジョンそのものにするつもり!?』


『そうよ!動き回れて地形に干渉も出来るダンジョンになってもらうのよ!』


『だけど前例が!·····いや、前例が無いなら丁度良いかも、今からでも間に合う?』


『モチのロンよ、任せなさい!』



 そしてガイアは2番目の少女のデータを弄り始めた。







 グラちゃんにダンジョンコアの使い方を教えた私は、早速グラちゃんに使って貰う事にした。

 場所はこのギルドホームの地下に作った特設の部屋で、万が一があっても良いように私がディメンションルームに作ってる実験室を参考に作ったから頑丈さはお墨付きだ。



「んじゃ使い方はこんな感じね、あとは私が教えたとおりにやってみて!」


「わかったわ、まずはダンジョンコアに手を触れてっと」



 グラちゃんは私が教えた通りにコアに触れた。



「次は魔力を流して·····」


「そそそ、あとはキーワードを言って完了だよ!」


「分かったわ、あぁ緊張するわ····· よしっ」



「人を惑わす迷宮よここに現れ我が物となれ『ダンジョンメーカー』!」




 その瞬間だった。


 突如コアが激しく輝き出して浮かび、グラちゃんの体に触れると物理的に不可能な挙動でその体へと入り込み始めた。



「ヤバっ!魂と融合してるっ!?」


「·····」



 グラちゃんは何も言わず目を瞑り、ダンジョンコアと一体化していっていた。

 グラちゃんの魂を見るとどんどんコアが侵食していて、身体の構造も徐々に人間のモノではなくなり始めていた。



「間に合って!インベントリ!例の魂の器を出して!お願いだから間に合ってよ!『魂魄分離』っ!!」


 キャインッ


「弾かれたっ!?」



 私はグラちゃんの魂とダンジョンコアを分離するために魂魄魔法で魂をグラちゃんの体から取り出そうとしたが、何故か弾かれてしまった。



「·····っ」


「どうすれば·····ああぁぁあっ、もう半分以上融合してる·····もう無理だ·····」



 その間にもグラちゃんの魂はどんどんダンジョンコアに侵食され一体化し、それに伴ってダンジョンコアのように全身が輝き始めた。



「私のせいだ····· 私がやれば良かったのに····· ごめんねグラちゃん·····」



 コアはあっという間にグラちゃんの魂にしっかりと融合していて、もう私では修復不可能なまでに侵食が進んでいて、後は神にでも祈るしかない。


 けれど、私の祈りは神に届いたようだった。




「·····違う、侵食されてるんじゃない、逆にコアが侵食されてる!?」


「·····ぅっ、何、が」

「グラちゃんっ!!」



 魂とダンジョンコアが完全に融合した瞬間、グラちゃんの体が一際強く輝いたあと光が収まった。


 そこには、いつもと変わりないグラちゃんが立っていた。


「大丈夫!?体に異常は!?」


「えっ、あれ?コアは何処に行ったのかしら?·····いや、分かるわ、そうなのね····· ふぅん?」


「どうしたの!?コアはグラちゃんの魂と融合しちゃったんだよ!?」


「大丈夫よ?使い方は分かるわ、『get into a Labyrinth alley』」


 ヒュオンッ


「はひゃっ!?何これ!?」


 グラちゃんが、私も知らない謎の魔法を使った瞬間、何か不思議な感じのする空間が広がった。


 ·····この感じ、随分昔だけど1度だけ経験した事がある。




 ダンジョンに侵入した時の違和感だ。




「凄いわねこれ·····『Labyrinth Map』」


「えっ?何それダンジョンマスターのスキル!?」


 更に別の魔法を使うと、空中に立体のマップが表示されてこのギルドホームの敷地全体が表示された。


「面白いわね、これをこうイジったら·····」


 ズズズッ·····


「のわっ!?」



 グラちゃんが何かを操ると、突如ダンジョンコア設置部屋が拡張されてサッカーコートのように物凄く広くなった。


 どうやら空間魔法で内部空間を拡張したらしく、部屋から空間属性の魔力が感じられた。



「まさかグラちゃん、ダンジョンマスターになったの·····?」


「あら、残念ハズレよ?正確には私がダンジョンになったみたいなのよ」



「·····は?」



名前:ソフィ・シュテイン

年齢:14歳

ひと言コメント

「私たちの中で1番普通だったグラちゃんが新たな力を手に入れて行く····· 迷宮の呪縛を解いて人を超えたダンジョンに近い存在へと変わっていってる、コアと魂と器を繋ぐ膨大な魔力のうねりの中で自らをダンジョンに変身させているんだ! 特に理由もない、ただの神々の思い付きで!!」

(和太鼓を叩きながら早口で言ってる)


名前:グラシアル・ド・ウィザール

年齢:14歳

ユニークスキル『迷宮姫』

ひと言コメント

「やっと私にも何か特徴らしい特徴が手に入ったわ、ずっと能力が地味で悩んでたのよ·····」


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