国王様との談話タイムっ!
国王様からSランク冒険者の証らしき変な石ころを貰った私とAランク冒険者証を受け取ったみんなは、再び待機場所の前で並んでいた。
「では下がれ」
『『失礼致します』』
国王様がそう言うと、階段に並んでいた貴族やウナちゃんのお母さん以外のメイドさんが謁見室の外に出ていった。
確かこの指示はここから先は関係者のみでの談話を行うから貴族には出ていってもらうって感じだったはず。
そんで関係者が外に出たのをチラッと国王様が確認すると口調を全く変えて喋り出した。
「よく来たなソフィとその友人たちよ、サトミ殿も久しぶりだな、皆気を休めて良いぞ」
「お久しぶりですアイオール陛下」
「してソフィよ、お主の活躍には期待していると共に·····頭を抱えているぞ」
「ももももももも申し訳ございません·····」
「構わぬ、ウナも世話になっておるしな」
「ねーねー!おじいちゃんもういい?」
「いいぞ、おいでウナ」
「わーい!」
国王様の顔がシャキッとしてたのから、柔らかいおじいちゃんの顔になってウナちゃんを招いた。
そしてウナちゃんはおじいちゃんこと国王様の元へと向かって階段を1段飛ばしのダッシュで登って行った。
·····そうか、よく考えたらウナちゃんって王族だからあそこ普通に登れるのか。
「·····何か私に要件が?」
「気楽に話してはくれぬか?お主はSランク冒険者、地位としては公爵だ、親しく話そうではないか」
「·····はい、しかし親しき仲にも礼儀ありといいます、敬語でもよろしいでしょうか?」
「よかろう、まずはお主に礼を言わねばならぬ、お主は様々な功績を立てた、米という新たな主食の発見と栽培方法の確立、未知の超合金の発見、様々な魔道具の開発、今年の大会での神話級の記録、お主の実力、そしてこの国のSランク冒険者になってくれた事、他にも大量の功績があるが、それら全てをまとめてここで感謝する」
「ありがとうございます」
「·····ここからは本題だ、お主が儂に渡した『星核合金』とは、何なんだ?」
あぁ、結局わかんなかったのね。
「その名の通りです、星の核付近で生成される非常に希少な合金です」
「ううむ····· 製造方法はあるか?あるならばその技術を教えてくれないだろうか?勿論報酬もあるぞ?」
「いやタダで大丈夫です、私以外には絶対に作れませんけど製造方法は『330万気圧かつ6000度で魔力を100万以上込めながら純粋なアダマンタイト、ミスリル、オリハルコンを同じ比率で混ぜ、残った部分に純粋な魔力が固まった魔結晶を入れて均等に混ぜ合わせて冷やす』というものです」
「·····330万気圧というのがよく分からぬ」
「地上と山の上では空気の量が違いますよね?これが気圧で、地上を1とするとその330万倍の圧力って訳です」
「わかった、人の力では無理という事だな」
「ですね」
「という事はお主は人ではないのか?」
「·····ギリギリ人間です」
まだ私は天使族に種族進化出来てなからね!
アイを知れってあったけど、フィーロ君が好きとは思っているとおもうけど、まだ何か足りないらしいんだよね·····
「ではソフィ、お主に頼みがある」
「何でしょうか?」
「星核合金製の武具は作れぬだろうか?」
ほほぅ、確かにアレで作った武具は恐ろしいレベルの力を持ってるから欲しくて当然だ。
戦争でアレに身を包んだ兵士が1人居るだけで無双出来るだろう。
だって普通の包丁サイズのナイフ1本だけでも横薙ぎに振り続けたら数万の軍勢でさえ1人で殲滅出来てしまうのだから。
だからあんまり使って欲しくはないんだよなぁ·····
でも何だかんだ恩はあるから、少しくらい融通しても良いだろう。
「·····沢山は無理ですが、可能です」
「いやナイフ1つで良い、実はウナの護身用に渡そうと思っていてな」
「えっ?もう持ってるよ?」
「·····そうなのか?」
「うん!」
あっ、そっちね?
てっきり戦争で使うのかと思ったわ·····
さすが孫好きおじいちゃん、ウナちゃんの事しか考えてないな。
ちなみに仲良し組のメンバーには護身用に星核合金製のサバイバルナイフを1本渡している。
まぁウナちゃんは分裂するから2本渡してるんだけどね。
「では先程の話は無かった事にしてくれ、すまなかったな」
「わかりました、ですが後ほどこの合金で作成した剣を献上させていただきます」
「ほう····· それは有難い、是非とも頼む」
どうやら本当にウナちゃんのためだけに星核合金のナイフを作って欲しかったようだ。
という訳で、献上用にちょっくら神剣級の剣でもつくっちゃおっと☆
◇
その後は色々話をしたり、ウナちゃん関係で色々褒めてくれたりなんやかんやで私は割と長話をしてしまった。
そして国王様の次の標的はエビちゃんに決めたらしく、エビちゃんへと話しかけた。
「してエヴィリン、お主に聞きたいことがある」
「·····なんでしょうか?」
「ぶふっ」
私の次はエビちゃんと話すらしいが、エビちゃんが畏まった態度と口調で話すのが面白すぎてつい吹き出してしまった。
そしたらエビちゃんが視線だけで私を殺すような物凄い目付きになったが、即座に戻して国王様と話し始めた。
「お主は····· 本当にあの魔王なのか?」
「·····うむ、ワシは魔王なのじゃ」
「サトミ殿に聞いた通りだな····· まさかお主が遥か昔に倒された魔王とは·····」
「そうじゃ、ワシはあの魔王じゃ、エヴィリン・アマイモン・ファゴサイトーシスで間違いないのじゃ」
「では問おう、お主に人類に対する敵意はあるか?」
「はぁ····· 今も昔もこれっぽっちも無いのじゃ、元々ワシは世界征服に興味は無い、強いヤツと戦えれば良かったのじゃ、これは今世でもほぼ変わらぬ」
エビちゃんは国王様の質問に対してそう答え、『もっとも、今は戦闘より甘い物の方がすきじゃがの』と付け加えた。
「ならば良い、この国に····· いや、人類に対して敵対しないのであればこの国で何をやっても構わぬ」
「うむ、ワシもこの国は気に入っておる、何か危機があれば魔王として、いや、魔神姫としてこの国を守ると誓おう」
「忝ない」
「勿論私も守りますよ?この国が好きなんで!もし戦争でも起きたら相手の国を国土ごと消滅させますから」
「お主が言うと洒落にならぬな·····」
マジで国1つなら軽く滅ぼせるんだよなぁ·····
流石に惑星1つって言われるとちょっと厳しいけどね。
そんで後は国王様と他のみんなが軽く話したりして、ウナちゃんのお母さんと話したりもした。
ウナちゃんのお母さんはなんでもメイド長をやってるらしく、なんと結婚相手は第1王子だそうだ。
今は立場の関係上極秘な上に非公開情報だそうで、もしバラしたら流石の私たちでも牢屋にぶち込まれるらしい。
つまりまぁ、ウナちゃんのご身分は·····
·····これ以上はやめておこう、下手に言うと投獄されちゃうし。
ちなみに、ウナちゃんの体質についても言及があった。
昔のウナちゃんは日によって周囲に存在が感知されなくなったり、気が付かれにくくなったりと変化していた特殊体質だった。
それが制御できて誰にでも感知できるようになったのはつい最近の事だ。
で、昔のウナちゃんの事をいつでも気がつけられたのは国王様と一応ウナちゃんのお母さんだけだったらしくて、お母さんも気を抜くと見失ってしまうようでその影響で国王様に凄く懐いてるんだとか。
つまり、ウナちゃんは今までは国王様と母親くらいにしか自分を見て貰えず、2人とも忙しくて中々構ってくれないという孤独な生活をしていたそうだ。
うわぁ····· 話が激重·····
って感じの暗い話も聞いたし、おじいちゃんの孫自慢を永遠と聞かされたりと中々楽しい談話ができた気がする。
だがそんな時間も終わりを告げた。
「陛下、そろそろ時間です」
「おおすまない、皆、学業に励むのだぞ」
『『はい!』』
「本当はもう少し話をしたかったのだが、この立場故中々時間が取れないものでな····· では下がって良い」
『『失礼しました』』
そう言うと、私たちは整列して国王様に頭を下げて、扉の外へと出ていった。
これで私の胃痛の原因となっていた国王様への謁見という面倒なイベントは終わり、晴れて私は冒険者の中でもほんのひと握りしか居ない、Sランク冒険者となったのだった。
それと同時に、なかよし組のパーティランクもAランクとなり、その事が後日全ギルドの掲示板に貼り出されるらしい。
はっきり言って恥ずかしいけど、なんか優越感があって私は満足した。
名前:ソフィ・シュティン
ひと言コメント
「にしても、このSランク冒険者の証ってダサくない?普通の石ころじゃん·····」
名前:アルム
ひと言コメント
「後で国王様に会って褒められたって家族とフシ町のみんなに自慢しちゃお!あとAランク冒険者のギルドカードも自慢しまくっちゃお!」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「こ、これがSランク冒険者の証····· なんか思ってたより地味だなぁ····· 校長先生のとか凄くかっこいい形なのになんでだろ?」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「国王様と初めて会話したけれど、中々良い人なのね、ウナを見る時のあの顔で悪人は絶対にいないわ」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「おじいちゃん優しいんだけど、ちょっと過保護なんだよね」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「ワシはのんびり皆と暮らせればそれで良いのじゃ、もし邪魔する者がおったら容赦せんのじゃ」




