Sランク冒険者の任命式っ!
【建国1225年2月10日 15時頃】
「いい?相手はこの国の王様よ?絶対に粗相のないように気をつけなさい、特にソフィちゃんとエビちゃんは気を付けなさい、いつも通りやらかしたら即死刑よ」
「「へーい·····」」
「ちゃんとしなさい!」
「「はい!」」
「まったく····· ちゃんとしなさいね?私と一応王族のウナが居るから罪には問われないとは思うけれど、そらでもちゃんとしないとダメよ?もちろん他の皆もよ!ウナはいくら祖父とはいえ今日は国王として会うからちゃんとするのよ?わかったわね?」
『『わかりました!!』』
うへぇ·····
こういうの苦手·····
私たちなかよし組はこの国の中枢である王城に、それも国王に謁見するために来ていた。
前々から、具体的に言うと6歳の頃から謁見の話はあったんだけど嫌だから断り続けていた。
あと校長先生が絶対やらかすから合わせられないと断ってたらしい。
しかし、ゴブリン軍団をたった6人で全滅させた功績とその実力、様々な新技術や魔法の開発、新たな主食となる米の発見と栽培方法の確立、そして伝説の勇者パーティの1人であり建国に関わった人物でこの国の公爵であるサトミ・ド・ウィザールのSランク冒険者への推薦と国王の承認、その他色々色々etc·····
その功績が積み重なり、様々な功績に対する表彰やSランク冒険者証の授与等が立て込んで私たちは謁見を避けられない状況となったのだ。
まぁ、1番の決め手は『たまたま近くに来て予定も空いてたから』らしいんだけどね。
「じゃあそろそろね、私の教えた通りにしなさい」
『『わかりました』』
私たちは制服に身を包み校長先生に連れられ、国王の居る謁見室へと向かった。
◇
めちゃくちゃ広い王城の中を歩いて登っておりてを繰り返して、私たちはようやく豪華な謁見室の扉の前へと到着した。
そして鎧甲冑に身を包んだ衛兵に校長先生が話しかけた。
「公爵家のサトミ・ド・ウィザールよ、ソフィ・シュティン率いる冒険者パーティ『なかよし組』を連れてきたわ、国王への謁見は可能かしら?」
「はい陛下への謁見は可能です、では少々お待ち下さい」
衛兵さんが何やら指示を出すと、周囲が慌ただしくなってきた。
「もうすぐ謁見が始まるわ、指示があるまで私の言った通りにするのよ」
『『わかりました』』
さっきから私たちは「わかりました」としか言ってないが、無駄口を叩くよりはマシという事で言わされているのだ。
余計な事を言ったら私も3回しか喰らった事のない魔力強化ゲンコツを喰らわされる予定だ。
ちなみに喰らったら頭まで地面に埋まるレベルの破壊力がある。
それはいいとして、えーっと、謁見の手順は·····
「陛下がお会いになるそうです、ではこちらへ」
「では行くわよ」
『『わかりました!』』
あぁもう!
今から説明しようと思ったのになんで校長先生の激痛ゲンコツの説明しちゃったんだ私はさぁ!!
まぁいいや、やりながら説明しよう!!
◇
まず扉の前で待機して、国王様から指示があるまで待つ。
「陛下、謁見したいと申す者が来ています」
『入れ』
「畏まりました」
今のは国王様の元へ来客があったと伝える儀礼的な物だ。
別に国王様はもう私たちが来ている事もとっくに知っているけど形式的にやる事になっている。
まぁ謁見っていうか、この国のはもはやそういう儀式みたいになってるらしいからね。
そんで国王様に呼ばれて初めて私たちは謁見室の中に入る事ができて、ここでどデカい豪華な扉が開かれる。
「粗相のないようにね?」
「では謁見者は前へ」
さて、ここからが難しい。
まず扉が完全に開ききって近衛兵の人が私たちに進んでいいと言ったら部屋の中に入る。
この時、扉が開ききったからといって入ると罪に問われるというか敵対心があるとして捕まるか、最悪そのままザクリと殺られるらしい。
そんで前へ進んで、広い謁見室の中の絨毯の上を真っ直ぐ進んで行く。
この時玉座に座る王族の顔を見ないように、かつ真っ直ぐ前を向くのがマナーとなっている。
そんで、ゆっくりと姿勢を正しながら進んで数段高くなった玉座のある台に続く階段の一番下から数えて3番目の柱の所で跪いて、私たちは指示があるまでそのまま待機する。
「アイオール陛下、公爵家サトミ・ド・ウィザール及びソフィ・シュティン率いる冒険者パーティ『なかよし組』です」
「面を上げよ」
『『失礼します』』
面を上げよと言われたら私たちは顔を上げて、ようやく国王様と目を合わせて良い事になっている。
「こちらへ」
『『失礼します』』
今度の指示は立ち上がって柱ひとつ分まえに来いって意味だ。
それに従って前に出ると、ようやく謁見が始まるって感じだったはずだ。
「名を」
えっ、なんだっけ?
·····思い出した
「シュティン侯爵家の分家、フシ町 町長家が長女、ソフィ・シュティンです」
確かこんな感じで、私の友達たちも自分の出自に貴族が関わってたらこんな感じで名乗る時に入れる感じだったはずだ。
この中では私、グラちゃん、ウナちゃんの3人が該当した。
エビちゃんは表向きは魔族の迷子ということになってるので普通に名前だけ言う感じだった。
「ソフィ・シュティン、汝の功績は賞賛するに値する」
「あっ·····」
やべ、なんだっけ?
(有り難き幸せよ)
「有り難き幸せ」
「汝の能力と今後の成長を鑑み汝をSランク冒険者に任命する」
「謹んでお受け致します」
「では汝にこれを、こちらへ」
国王様がそう言うと、私を招いた。
確かSランク冒険者の証明書とSランクの冒険者カードかなんかだったはずだ。
そしたら私は国王様に近付いて良い事になっているので、私はガチガチに緊張しながら前へ進んだ。
それで、玉座のある所(名前知らない)の階段の前に来たら1回深く礼をして、ゆっくり1段ずつ登って行く。
で、なんか階段は爵位ごとの名前がついてて、爵位ごとに登れる段数が決まってるらしい。
だから爵位が無い人が呼ばれた時は、1段登る度に段の横に居る各爵位の貴族たちに礼をしながら登り、最後の段で全員にもう一度礼をして、国王の方に向いて深く礼をする作法となっている。
そして·····
「失礼致します」
と言ったらようやく最上段に足を踏み入れる事を許されるのだ。
マジでめんどくさいけど、最上段は王族しか入れないし、爵位によって登れる段数が決まっているが謁見者が呼ばれた時は爵位に関係なく登れる、のだけどその爵位について無いのに登るので、呼ばれるような事があると各爵位の貴族が登れる最上段の所に立って、その貴族に礼をして登るというめちゃくちゃ面倒な手順を踏まなきゃいけないらしい。
そんで最上段の王族しか入れない所に来ると、私は玉座の前でもう一度跪いた
「ソフィ・シュティンが参りました」
と言って国王が良いと言うまで私はこのままだ。
「面を上げよ」
「はい」
指示があったので立ち上がり、国王の前で姿勢を正した。
「汝にSランク冒険者証明書と証を授ける」
「有り難き幸せ」
そして国王様が隣のメイドさん·····
えっ!?あの人ウナちゃんのお母さんだ!?初めて見た、あんな人だったんだ·····
いやめっちゃ気になるけどそんな暇は無い。
国王様がメイドさんが持ってた銀色のお盆に乗った巻かれた状態の証明書と、何か普通な石ころ·····?
まぁいいや、とりあえず受け取らねば。
私は国王様に近付き、国王様からSランク冒険者の証明書などを受け取った。
「受け取りました」
「宜しい、ではこれからはサークレット王国の為に尽力せよ、『賢者姫』よ」
「承知致しました、アイオール陛下」
これを受け取った時点で私はSランク冒険者で、実質的に公爵と同等の扱いを受けるようになる。
そのため国王様の私に対する口調も変わり、私は国王様の名前を呼ぶ事を許されるのだ。
ちなみにSランク冒険者には2つ名が国から付けられるんだけど、どうやら私は『賢者姫』に決定したようだ。
「では下がって良い」
「失礼します」
んで、私は国王に対して深く礼を、1段降りて公爵の人に会釈をして、後はそのまま降りる。
これで私の地位が高くなった事を示してるらしい。
ちょっとドヤ顔をしたいけど我慢した。
その後は皆にAランク冒険者の証明書とカードがウナちゃんのお母さんから渡され、他にも色々褒められたり色んな儀礼的な事をやったりしていった。
名前:ソフィ・シュティン
冒険者ランク:S
2つ名『賢者姫』
ひと言コメント
「ふひぃ緊張した·····でもなぁ、ウナちゃんから普段の様子を聞いてるから、ただの孫好きおじいちゃんにしか見えなくて困ったわ」
名前:アルム
冒険者ランク:A
ひと言コメント
「調度品1個で何円するんだろ?ジュルリ·····」
名前:フィーロ
冒険者ランク:A
ひと言コメント
「うぅ····· すっごく緊張した·····」
名前:グラシアル・ド・ウィザール
冒険者ランク:A
ひと言コメント
「お姉様が公爵って言った通り、私は公爵家令嬢よ?ソフィからの扱いが雑なだけで本当は皆から敬われるくらい偉いのよ?でも私はそういうの嫌いだから今の感じが好きね」
名前:ウナ・ウェア・ラ・サークレット
冒険者ランク:A
ひと言コメント
「おじいちゃんのお仕事の顔だ!あとお母さんもいるー!あとあとおじちゃんたちもたくさん!!」
名前:エヴィリン・アマイモン・ファゴサイトーシス
冒険者ランク:A
ひと言コメント
「まさか敵対しておった人間国家の王に戦場以外で会うことになるとはの····· まぁこの国はワシが生きてた頃にはまだ無かったから関係ないのじゃ」
名前:ミカエル
冒険者ランク:無し
ひと言コメント
「わたしはお留守番、すやぁ·····」




