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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
180/227

そして伝説へ·····



 一人の少女が空を穿ちその手を月へと届かせた




 その情報は、その伝説は、瞬く間に世界中を駆け回り、同時に世界中の天文学研究施設によって月面の大爆発が観測された。



 飛距離38万4400km



 絶対に抜かすことが出来ない、まるで月を掴むかのような世界記録が樹立された瞬間だった。





 そして、記録を達成した少女はというと·····





『ソフィ選手!伝説の記録を樹立したご感想は!』

『どのような訓練をしたらこのような魔法を使えるようになったのですか!?』

『ソフィ選手、ウチの国に来ないか?』

『キュルピカ☆マスターさん!サインをお願いします!『ティンクル☆キュルピカ』全15巻にサインお願いいたします!あと続刊はいつでますか!?いつ完結しますか!?ティンクルピンクの恋路の行方は!?』



「あ゛ーー!!誰か助けてぇぇえええ!!」



 大会が終わって外に出ると色んな人に質問攻めにされてもみくちゃにされた。

 というかマジで押しつぶされそうだったので、かなり強固な結界を展開して何とかなった。


 ちなみにサインはめっちゃくちゃ沢山描いた。

 あと続刊はアキさんの後輩シルキーを数人アシスタントに雇って今も描いている途中だ、そのお陰で大体3ヶ月〜半年に1度くらいの頻度で出版できている。


 で、原稿は校長先生が立ち上げた出版社に私が出資して印刷の革命的な魔道具を開発して卸して、それで大量に出版してる。

 あと製紙業にも投資したなぁ·····


 そうそう、私の描いてる『ティンクル☆キュルピカ』はかなり大ヒットセラーの漫画で作者の正体は不明という事になっていた。


 んで、なんでこんなに売れてるのかと言うと、私の力をフル活用した圧倒的な出荷数にあるのだ。

 この世界の本は未だにほとんど手作りで、·····まぁ一応活版印刷はあるし量産も進んでるけど、日本には遠く及ばない。


 で、私の魔法に『製本魔法』というものがあって、しかも紙も別の魔法で一瞬で作れちゃうのでそれに原画データを魔法で印刷して製本して出版して人気が出たんだこど、その間に本を作れる魔道具を開発して校長先生が作った出版社に出資すると共にその魔道具を提供(しかも設計データも渡した)代わりに私の本をその出版社から出して貰って、マーケティングまでやって貰った。

 

 そしたら物凄い数が売れるようになってきて、今こうなってるって訳だ。



「はぁ····· 調子に乗って正体明かさなきゃ良かった·····」


「ねぇソフィちゃん」


「何ウナちゃん?」


「えっと····· サインちょーだい!」


「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!?」



 結界の中に居たウナちゃんが懐から『ティンクル☆キュルピカ』の1巻を出してサインをねだってきて私は思わずティンクル☆してしまった。


 ちなみにサインは書いた。

 イラスト付きで。





 私たちは何とか宿泊所まで戻ってきた。


 ここまで来る間に数百回は本にサインを描いてた気がする。


 あとどさくさに紛れて変な契約書出てきた奴もいたから基本的に私の本にしかサインしなかったけど、それでも物凄い数を描いたから疲れた。



「もうヤダおうち帰りたい·····」


「ダメよ?とりあえずこうなることはわかっていたから宿泊所は貸し切りにしたし、絶対に立ち入れないようにしてあるわ」


「ぶぇー·····」


「にしても、貴女がアレの作者だったとは驚きだわ」


「最初は同人誌っぽく作るつもりだったんですぅ·····」



 というかこの話もうやめない?


 私の月にまで届く記録の方が騒がれると思ったんだけど?



「·····私の記録、どうなりました?」


「ちゃんと記録になったわ、それにフィーロ君の記録もちゃんと測定したわ、1万kmを超えてたわね····· 彼氏共々ヤバすぎるわよ」


「まだ彼氏じゃないですぅ····· 休ませてぇ·····」


「·····色々ツッコミたいけど言わないでおくわ」


「センキュー·····」



 私たちは宿泊所に戻ってきて、戻るまでにサインを描きまくって腱鞘炎になりかけた私はホールの机に突っ伏して休んでいた。



 あの競技は私たちの後のチームは地味だった。


 いや、私たちが居なければ世界記録になっていたであろうすんごい記録も出たけど、私たちのアレのせいで地味に見えていただけだった。


 もちろん私たちの記録を超える記録は····· いや、最初の3人は超えた人はちょっと居たけど、アルムちゃんの記録は越せなかった感じだ。


 ちなみにその人はどっかの国の勇者候補たちらしい。



 ·····ん?

 最初に煽ってきたBブロックの奴らはどうなったんだって?


 3位以内に入ってたよ?ワーストの方で。


 アイツらいっちょまえに文句は言うけど実力はめちゃくちゃ低いんだよね。

 逆に文句を言わない隣国の人は割と強い傾向があって、そのほとんどが海外留学をしているそうだ。

 だからアイツらは全員救いようのない雑魚だったとだけ言っておこう。



 ところで



「校長せんせぇ····· 外のうるさいヤツら〆てきていいですかぁ?〆鯖にしてきていいですかぁ?」


 さっきから外がものすごくうるさいのだ。

 そりゃ伝説の記録を打ち立てたチームと大人気作の作者が居るのだから人が集まって当然だ。



「〆るのはダメよ····· でも直接文句を言いに行くのは良いわ」


「んじゃあ行ってきます」





「ちらり·····」




 ザワザワ·····



 うわぁ·····

 メタくそに人が集まってるぅ·····



 宿の前には物凄い人だかりができていた。


 半分は私の漫画関係で、もう半分は明らかに私をスカウトしに来ている人たちだろう。

 中には悪どい事を考えてる人もいるっぽい。


 なので私は宿の前に結界を張ってから外へ出た。



『あっ!ティンクル☆マスターが出てきた!!』

『なんだって!?』

『ソフィ様少々お話が·····』



「あの、ひとついいですか?」



 ざわざわざわざわざわざわおざわざわざわざわざわざわざわざわわ·····



 おい『おざわ』と『ざわわ』って言ったの誰だ。



「あのっ!ちょ、聞いてますか!?」


『サインくださーい!!』

『是非我が国に!』



\カチンッ☆/



『うるさい!!私は疲れてんの!!寝させてよ!あとさ!あの魔法は地上に落ちたらヤバいから空に飛ばしたのわかんないの!?狙い方次第では国が滅ぶんだよ!?口を慎め!!あんまうるさいと続刊描かないから!!特にそこの私のスカウトの奴ら!!全員黙らないと続刊はナシ!ここで打ち切り!!あとサインは気まぐれだし転売したら許さないから!』


『『そこのスカウト共を〆上げろー!!!ついでに転売ヤーも〆上げろぉぉおおおお!!!』』


『『なっ!?』』



「ふんっ!言っとくけどね!私はこの国が好きなの!それに国王様ともこの国に居るよう契約してるの!だからどこも行かないから!!あと『誘拐すればいい』とか考えてる国!今なら大人しく連れ去られてあげるよ!その代わり1日でテメェの国をキュルキャピ☆にするから覚悟しとけッ!」



 そう言ってる間にも私をスカウトしに来ていたであろう正装の人らは逃げて行き、しかも私のファンに押し流されて人混みは完全に消え去ってしまった。


 オタクは強いねぇ·····



「ぁっ、あの····· てぃんくるますたーさん、その、わたし大ファンなんです·····」


「·····ん?どうしたの?」



 そして人が居なくなったから戻って寝ようと思ったら、なんかピンク髪の少女が1人だけ残っていて私に話しかけてきた。


 ふぅん?

 大体6歳くらい、元々私の漫画のターゲット層としていた年齢層の子だ。


 その子は、何度も何度も読み返したのかボロボロになっているティンクル☆キュルピカの単行本を大切そうに抱えていた。


 ·····作家にとって一番大切な、純粋な大ファンの子だ。



「そっか、私の本読んでくれてありがとね」


「うん!あのね!わたしティンクルほわいとがね!かわいくてつよくてすきなんだ!だからさくしゃさん、かくの、がんばってね!!」


「·····んふっ、ありがとうね、そうだ!ティンクル☆マスターとして君にこれをあげるよ」



 私はギーク先輩に貸していたのとは別の、資料用に作った()()()『キュルキュルティンクルファンシー☆チャーム』の『ティンクル☆ホワイトver.』を少女にプレゼントした。

 こっちはショア・フレグランスに続く2人目の主人公にして、メインキャラの『トゥルース・アンカー』が変身した姿の『ティンクル☆ホワイト』になれる変身チャームだ。


 もちろん本当に変身できるし、こっちに関してはピンクと同じく、2つしかない奇跡的に出来たユニークスキル内蔵のトンデモアクセサリーだ。

 本当に相手をキュルキャピ☆にできるし謎に変身もできる凄いヤツだ。



 本当は誰にも渡す予定の無かった秘密のアイテムなのだけれど、私の目はギーク先輩と同じく彼女のハートに宿るキュルキャピ☆をキュピーン☆したのだ。


 きっと私のあげたアレは彼女を立派な『キュルピカ☆ティンクル』にしてくれるだろう。

 いつか本物として彼女が私の前に現れることを願って·····



「少女よ、ハートに宿るキュルキャピ☆をキャピキャピし続けるんだよ」


「うん!ありがとう!!」


「さて、私は続編でも描くかなーっと!」


 私はちょっとカッコつけて、後ろを振り返らず手を振りながら宿へと帰って行った。



 ちなみにこの後校長先生に猛烈に怒られたけど何故か褒められもした。


 後は偉い人から進行が遅すぎるって怒られたから早く進めるよう頑張るねっ☆



名前:ソフィ・シュティン

年齢:12歳

ひと言コメント

「漫画の売り上げ?全額孤児院とかに寄付してるよ?もちろん名義は『キュルピカ☆マスター』でこっそり届けてるよっ☆」


名前:なかよし組

平均年齢:12歳

ひと言コメント


アルム「落ち着いたら私もサイン貰っておこうかなぁ、いつかワタシの店でも売って知り合いの店って事で····· うへへ····· ゑ゛っ、う、ううう売り上げ全額寄付ぅぅううう!?!?!!?えっと、ざっと計算しただけで····· カフッ(気絶)」


フィーロ「最近はみんな読んでるよね、もちろん僕も履修済みだよ?僕はホワイトが好きかな」


グラちゃん「私は····· 一応、一応よ!一応皆と話が合わせられるように読んでるわ」


ウナちゃん「えへへっ!わたし大ファンだったんだ!だからすっごく嬉しい!」


エビちゃん「ワシは苦手じゃ····· キュルキャピ☆って何じゃキュルキャピ☆って····· 見てて恥ずかしいのじゃ、·····というか!小憎たらしい敵の小悪魔『ノジャリン・アマイ・モンスキー』ってモデル絶対ワシじゃろ!?あやつ!後でキュルキャピ☆とやらにしてやるのじゃぁぁああ!!!」


ミカエル「ん、おもしろくてねむれなくなるから、あんま読まない」


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