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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
166/227

激突!TS賢者VS絶対防壁『アイギス』!!


 魔法の飛距離と破壊力に関してはもう免除された私は、やる気がなくて土手で寝ているミカエル先輩と一緒にみんなが威力の練習をしているのを見ていた。


 さっきからみんなが高威力の魔法をぶっぱなして爆音を響かせているから、睡眠の邪魔そうにしてるミカエル先輩は割と不機嫌気味だ。


「おー、やっぱりみんな強いねぇ」


「んんぅ····· うるさい·····」


 みんなは相変わらず私が仕込んだ魔法を使って大爆発やらなんやらを起こしている。


 ·····そしてずっと隣で文句言っててちょっと可愛い。



 あとみんなの成績はこんな感じだった。



【なかよし組】


・アルム:10mくらいのクレーターを作った

・フィーロ:石製の的が木っ端微塵になった(自前魔法)

・グラちゃん:巨大な氷塊を落として的をぶっ壊してた

・ウナちゃん:光闇合体魔法で的の周囲を消滅させた

・エビちゃん:闇魔法の大爆発でなんかエグいことになった、具体的に言うと大爆発が起きて前方の地面が捲れあがって地獄絵図になった


【先輩たち】


・ガヴェイン:斬撃を飛ばして的を真っ二つにしてた

・パイル:格闘魔法なのか的をぶん殴って壊してた

・ギーク:普通に爆破魔法で爆発した、クレーター直径5mだった



 うーん、こうやって見るとやっぱり私たちの成績はヤバいなぁ·····



 ちなみに私が本気出したら星が割れる、というか消滅させられると思う。


 あとミカエル先輩もたぶんそれくらい楽勝で行ける。





 んで、みんなの練習を見るのも飽きてきて暇をしていた私は先輩にとある提案をした。


「先輩、他の競技の練習しません?」


「ん?なにやる?」


「障害物リレー····· はコースがわかんないんで、陣営バトル····· いや、決闘でもやりません?」


「ん、どっちがつよいか、やろ?」


 というわけで、ミカエル先輩と決闘の訓練をやることにした。





 私とミカエル先輩はみんなが練習している所からかなり離れた位置にやってきた。


「さてと、この辺りでどうです?」


「おおー、いいかんじ?」



 周囲は開けていて何も無く、結界を張れば戦いの余波は外へ出ることは無いだろう。


 ここなら本気で戦えるはずだ。



「·····1つ言っておきますけど」


「なに?」


「私、相当強いけど手加減しないで行きますからね」

「ん、おっけ」


「軽いなもう····· 余裕ぶってられるのも、今のうち·····ですよっ!!」


 ヒュンッ!


「ずっとのまちがい」


 きゅいんっ


「チッ!展開するのが早いっ!!」


 私は不意打ちで先輩目掛け魔導弾を発射したが、難なく防がれてしまった。


「うしろ」

 きゅいんっ


「んなっ!?」

「ん、うしろ」


「っうわあぶなっ!!?」


 しゅっ



 私は体が悲鳴を上げるのも無視して重力を10倍に増やし即座にしゃがみこんで背後からの攻撃を回避した。


 いま、一瞬遅れてたら死んでた·····!!

 逃げながら振り返って見ると、手に鋭い結界を纏わせたミカエル先輩が追いかけて来ていて·····


 というか、速いっ!!


「くっ!!須臾っ!!」

「きかない」


「やべっ忘れてたっ!!」


「ん、そーゆーのもきかない」

「ちぃっ!!」


 私は速度で負けないように『須臾』を発動したものの、そもそも『須臾』に付いてこれるミカエル先輩には意味がなく、物凄い勢いでついてきていた。


「なめ、やがって!こんにゃろーっ!!」


 ガチャガチャッ!!

 パァンッ!!


「んぁ、わわっ」

「必殺びっくりどっきりクラッカー!!」


 私は左手の手首をズラすと、そこから仕込んでたクラッカーを炸裂させた。

 すると流石にそう来るとは思ってなかったのか、ミカエル先輩は驚いて動きを少し止めた。


 すなわちチャンスタイムだ。


「本気出すっ!!『機械乙女ノ星鎧 ver.2』装着っ!!」


 ガチャガチャガチャッ!!

 ガキャンッ!!


「間に合っ」

「すきあり」


「どわぁっ!!?!?」


 シュタッ!!


「んっ、はやくなった」

「先輩ヤバすぎ·····」


「でも、おもくなる鎧つけてだいじょーぶ?いみないよ」


「でしょうね!!」


 私の星鎧は、さっきの一撃が掠って切れ込みが入っていた。

 ·····ダイヤモンドでも傷がつかなかった、『星核合金』製の鎧が。


 つまりあの刃を物理的に防げる物は無いという訳で、なら鎧なんて着けてる意味はない。


 ·····わけでは無い。


「狙いは!姿勢制御と行動アシストっ!!」


 バシュッ!バシュゥウウッ!!


「ん、すごい」


 私は鎧の姿勢制御スラスターを使い、更に鎧自体を魔法で動かして体の動作をより強化して、メインの自己強化魔法の発動までの時間稼ぎを始めていた。


 ·····正直、勝ち筋が全く見えない。


 でも、攻略の鍵は見えたっ!!


「でりゃぁっ!!喰らえ必殺『連射マギ・レールガン』」


 ズダダダダダダダダンッ!!!


 かきゅいんっ


「·····それだけ?」

「まだまだぁっ!!飽和攻撃でならっ!!『サンダーボルト・アヴェンジャー』!!」


 ギュルァァァァァァアアアアアッ!!!!


 かききききききききききんっ


「·····いみ、ないよ?」


 私はミカエル先輩の結界目掛け、一撃で魔物を撃滅可能な程の破壊力の魔法を雨あられの如くぶちまけた。

 が、当然のように軽い音で弾かれてしまっていた。


「まだまだまだまだーーっ!!!バレット系魔法一斉掃射ァーッ!!!」


 ズドドドドドドババババババババガガガガガガドゴゴゴゴゴガガバババババッ!!!


 ぱここここここかかかかかかかかここここここんっ


「すごいいきおい、でも」






「·····んぅ?」


「弱点その1!!察知方法は視覚と聴覚に頼り切りっ!!」


 パキュォォォオオオオンッ!!!


「んっ!?」

「取り付いたっ!!」


 私はあの隙だらけそうで一切余裕の無い攻撃の中で、弱点をいくつか見つけていた。


 まず1つ。


 どうもさっきから、死角からの攻撃には気がついていないらしくて、実は背中側の結界は既にペイント弾でベチャベチャだ。


 でも視界が防がれてるのに気がついてないし、サイレント弾に気がつく様子も無かった。

 たぶん、無敵の結界に頼り切りでそんな事する必要が無かったのだろう。


 まぁ、現に·····


「·····で?」

「ゼロ距離ならばっ!!」


 私は左腕をパイルバンカーにすると、限定的な須臾による超加速を加えた一撃を結界面にぶち込んだ。


 ガッギャァァァァアアアアアンッ!!!!


「え」


「きかない、そろそろ反撃たいむ」


 きゅぉぉおおっ


「やばっ」

 バッギャァァァアアアア!!!!


「がっっっ、はぁッ!!!?!?!?!」


「·····そっちの結界も、なかなかつよい」


 ドガンッ!バガッ!ドゴロロッ!ガコンッ!!ガロンッ!!

 バガァンッ!!!


「かっ、はぁ·····ッ!!?!」


 突如、ミカエル先輩の結界が輝いたかと思った瞬間に私の腹部に激痛を伴う衝撃が走り、物凄い勢いで体が後方に吹っ飛ばされた。

 そして何かに押されるように地面を転がされ、内外を遮断してる結界へと衝突してようやく止まった。


「痛ッッッッつううぅぅぅ·····!!」


 たぶん骨が何ヶ所か折れてるわ。

 それに折れた骨があちこちに刺さってるな·····


「ん、トドメ」

「あっ!!?!?」


 キュオアッ


 ドパァンッ!!!!!


「·····なにを、したの?」

「っぶねぇぇええっ!!」


 私の頭のすぐ上を、ミカエル先輩の拳が通り抜け結界にめり込んでいた。

 もしあそこに頭があったら、ミニトマトみたいに弾けてた。


 ·····というか、なよなよの筋力皆無な体から繰り出されたテレホンパンチが出しちゃいけないパンチ力なんだけど。

 もしかして、私の『須臾』加速と同じシステムの魔法使ってるのかな?


 ·····で、なんであの傷で避けられたのかというと。


「あばばばばばっ!!」

「·····虫みたい」


 私は体が治し切れてなくて動けないから、魔法で足を引っ張ってすり抜けたのだ。


 あと虫みたいって言うな。

 虫ってだとしてもなんの虫だよこれ。


「ふぅぅぅうう····· この前の怪我から、私、痛み耐性が上がってんのよ!!」


 ボキボキボキボキッ!!


「いっっったい!!!」

「ん、もっといたくなる、ごめんね」


 ぴとっ


 ミカエル先輩の手のひらが、接近を警戒して一瞬で治癒してたはずの私のお腹に触れた。

 早い、判断が鈍ってる状態じゃ避けきれない。


 ·····ところで、手、冷たいな。


「·····末端冷え性だったりします?」

 ジュッ

「んぅっ!?あっちっち」


「んふっ、弱点その2!!直で触れる時は結界を張れないっ!!そして凄く僅かだけど展開まで時間が掛かるっ!!」


「あっちっち、あっち」


 ミカエル先輩は雪に手を突っ込んだ。


 ·····一瞬だけだったけど、確かにダメージは通った。

 さっき運ぶ時、なぜか私はミカエル先輩の事を直に触れていた。

 それはつまり、パッシブで結界が展開されてるんじゃなくて意図しないと·····

 いや、逆に意図すれば結界を消せるという事だ。


 今回はその隙を付かせて貰って、お腹の結界を高温にして手にダメージを与えてやったわ。


「いちち····· よし回復·····」


「ふぅふぅ、·····ちょっと熱かった、びっくり」

「ちょっとって····· 2000度ですよ?」


「ん、だから『ちょっと 』」

「ちっ、遠慮しちゃって猛毒とかにしなかったのがダメだったか」


「·····ひきょー」


「そんなズルみたいな結界に引きこもってて、卑怯もラッキョウもあるもんか!!」


 ·····強い。

 口喧嘩でなんとか戦ってるけど、正直いまのが猛毒とかでも何とかされてたと思う。


 けど!ようやく突破口は見つけた!!


 私は手に付いた雪をぺしぺし落としてるミカエル先輩へ、最後の一撃を喰らわせる事を決めた。


 ·····相変わらず、よそ見しやがって!!


 それってつまり、私程度よそ見しててもノーダメで乗り切れるって判断したって事なのがムカつく!!


 だから!!


 結界を貫通できずとも!せめて一矢報いてやるわ!!


「最後の『須臾』加速だっ!私諸共加速をっ!!」



 カチリ


 ッッッッシュゴォォォオオオオオオンッ!!!


 ガッ

 きゅおぉぉおんっ


 ズキズキ痛む体に無理やり超強化を加え、須臾加速による人間には不可能な速度でミカエル先輩の結界に思い切り飛び蹴りを入れた。


 ·····が、足の骨が悲鳴を上げただけでミカエル先輩の結界はビクともしない。


 だけど!目的はそれじゃないっ!!


 すぐに体勢を立て直した私は、ぼーっとした目てこちらを見てるミカエル先輩目掛け、左腕を超高エネルギーの凝縮体『煌腕』へと切り替え、手のひらを結界面へと押付け·····


「んふっ、喰らえ!『煌腕』モードの最高火力のエネルギー衝撃波をっ!!」


 カッ!!

 ギュラララララララララララッ!!!!


 結界と私の攻撃の間に激しい光の点滅が発生し、周囲に爆発的なエネルギーと光を放出しながら赤青と高速で光の色と明暗を変えながら結界を抉りはじめた。



 ·····否。

 全く抉れていない。


 理論上では、地面に当てれば瞬時に地殻を貫きマントルへ到達するほどの破壊力の一撃がだ。


「ん、眩し····· でも、ゆだんした、ね?」


 しゅっ


 バガァンッ!!!

 メギョッ!!


 ボキボキボキボキボキッ!!!


「ぐぎぃっ!!!?!?」


 ·····私の左腕をエネルギーの凝縮体へと変化させ、ゼロ距離で先輩の結界を破るべく一点集中で放った攻撃でさえ結界はビクともせず、右腕側から結界弾が直撃した。


 その衝撃で右腕の骨は砕け左腕は魔法を維持できず消滅し、それでも勢いは止まらず鎧越しに肋骨に刺さるとお菓子でも折るかの如く骨が折れた。

 その骨が肺に刺さったのか、口に血液が逆流してきて口に血の味が広がった。


「げぶっ、ぶぇっ····· ごふっげふっ·····」


 そして遅れて激痛が走り、私は血を吐きながら地面へと倒れ伏した。


「ん、せんとーふのー、ぶいっ、わたし、の····· うっぶ·····?」


 ·····が、傷一つ無い結界の向こうで、ミカエル先輩が身体を震わせ気持ち悪そうに顔を青ざめさせ、地面に膝を着いてうずくまった。



 ·····狙い通りだ。



「ど、どく·····?さっきのに、ほんとに、どくが·····」


「いっててて····· んふふ、先輩の弱点その3『一定以下の強度の光はそのまま通す』、それを使わせて貰いました」


「あたまが、いたい····· きもちわるい·····」


 私がさっきの攻撃をしたのは、結界を破るためじゃない。

 結界をすり抜けて向こう側のミカエル先輩にダイレクトアタックを仕掛けるためだ。


「秒間20回近く点滅して色が変化する光を、モロに見ましたよね·····!!」

「·····ぁ、ぽけ〇ん·····しょっく·····」


「いや、それじゃなくて光過敏性発作って呼んで欲しいんですけど····· ·····ん?まって!?なんでポ〇モンの事、っ痛ってぇ!!げほっげほっ!!おえっ!!あ゛ー、もうむり、これで失神してくれたら勝てたけど、無理むりむりムーリー」


 なんか今、すんごい聞き覚えのある単語が聞こえたけど途中で血を吐いてしまって痛みも限界に達してしまい、私は動けなくなってそのまま大の字になって倒れ込んだ。



 ·····そう、私があの強固な結界を貫いた方法は『光過敏性発作』という、光刺激に対する異常反応の症状だ。


 光過敏性発作が起きると、吐き気、頭痛、不快感、そして症状が重いと痙攣や意識の混濁や失神が起きる、かなり危険な発作だ。



 昔、某有名な作品のアニメで激しい光の点滅や色の変化で見ていた子供1000人近くが病院に搬送される大事故が起きていて、私もそれは知っていた。


 で、ミカエル先輩も光に関しては結界で防いで無かったから、それを利用させてもらった。


 ·····良い子は真似しちゃダメだからね?



 そしてミカエル先輩は吐き気、頭痛、体の痙攣が起きているようで立てなくなっていた。


 ·····が、あの結界は健在。

 向こうも攻撃は出来ないけど、私も攻撃ができない詰みの状態だ。


 ただ、状況的には私の方が負けで間違いないし、私も負けは完全に認めざるを得ない。


「あー負けた、まだ私弱いなぁ·····」


「·····治癒」

「·····そうだよね、ミカエル先輩も治癒魔法くらい使えるもんね」


 すぐに発作状態から復帰したミカエル先輩は、まだ少し気分が悪そうな顔をして私に近寄ると見下ろしてきた。

 対する私は、もう全身が応急処置じゃ間に合わないくらいボロボロだ。

 自力じゃもう動けない。


 つまり、私の負けってわけだ。


「ん、すごかった、油断したらまけちゃうかも」


「またまた〜、·····いつか絶対その結界をブチ破って見せますから」

「ん、がんば」


 私は仰向けに倒れ、全身に本格的な治癒魔法を掛けながらいつかあの結界を破る事を誓ったのだった。


「·····ちなみに、『絶対防壁(アイギス)』本体にまだ届いてないよ?ホンキもだしてない、よ?」


「エ゛ッ」



名前:ソフィ・シュティン

年齢:12歳

ひと言コメント

「あーむりむり、絶対勝てないわ」


名前:ミカエル

年齢:12歳

ひと言コメント

「ん、ここまてやるの、びっくり、·····発想しょーぶなら負けてる」


名前:なかよし組(ソフィ抜き)

アルム

「本気出したらもっと大きい爆発をおこせるよ!」

フィーロ

「僕はソフィちゃんの魔法をコピーしたら強いけど、元々の力はそんなに無いんだよね·····」

グラちゃん

「はぁ····· ソフィがまた何か盛大にやらかしてるわね·····」

ウナちゃん

「とりあえず光と闇をまぜればなんとかなる!」

エビちゃん

「いって!!落ちてた岩に足の小指ぶつけたのじゃ····· 痛かったのじゃ·····」


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