痛いっ!原因不明の腹痛っ!!
「うぬぐぁぁぁあ·····」
どうしよう·····
めっちゃPONPONPAINだけど·····
なんというか、お腹の臍より下で腹筋のラインのあたりが針で刺されたみたいにジクジクと痛い·····
「だ、大丈夫?保健室行く?」
「ちょ、ちょっと無理····· あの変な先生の所は、今行ったら悪化する、ちょっと、このままで·····」
隣に座ってるフィーロ君が心配してくれたけど、今動けないくらい痛い。
というか意識が飛びそうなくらい痛い。
アレだ、痛みの感覚は違うけど電車の中で激しい腹痛になった時のアレとよく似てる感じで意識が朦朧としてきてる。
だけどこっちはもっと害悪だ。
だってあっちは出せば万事解決するけどこっちは原因不明で治しようが無いからだ。
·····それと保健室は行きたくない。
強がってるとかじゃなくて、あそこの主任の先生がとんでもなくクセが強い先生だから。
常にエグい厚化粧で、妙な笑い声と喋り方で、どこで売ってるか分からないショッキングピンクの白衣を着てホットパンツのオボントレー先生(♀)は見てるだけで頭も痛くなってくる。
たぶん今行ったら発狂する。
「ふー、ふーっ·····」
私は朦朧としながらも、妙ちくりんな保健室の先生が頭の中でバレエを踊ってるのを押し退けながら、魔法を同時に数百万個発動できる最強の思考能力で色々考え出した。
まず何が原因だ?
なにか変な物を食べたか?
今朝は特に変なものも食べてないし皆も食べてるから私だけってのは変だ。
·····そういえばこの前フィーロ君の喉を癒すために調べて出てきた『モルルムチッチョ』なるモノを食べたけど見た目を除けば普通に美味しかった美味しかったし、1週間くらい喉が超絶快調だったから問題ないはずだ。
じゃあ雪でお腹が冷えた?
確かに冷えたっちゃ冷えたけど、前は真冬の沢にエビちゃんと一緒に落っこちてもなんとも無かったから違うはず·····
単純にゲリラさん?
だったらトイレに行きたくなってるはずだ。
なにか魔法を掛けられた?
そんな訳ない、私の魔法防御力は魔力量と同じだからエビちゃんが1万人居ても掛けるのは無理だ。
わからん!
じゃあ次はどうする?
魔法で根本原因を排除するか?
原因がわからん!
じゃあ痛み止めの魔法で無理やりとめるか?
あんま良くない、痛みを感じなくなるだけで寄生虫とか内臓の損傷とかそういうのが原因だったら悪化に繋がるだけだ。
それに痛み止めはやりすぎると良くないから却下。
「ふぎゅぅぅううう·····」
色々考えてたら痛みの波がまた押し寄せて来た。
とりあえずもう色々試すしかない。
まずは魔法でお腹の辺りを重点的に温めて、優しく揉んでみる。
·····揉むのはダメだ、逆になんか痛い。
「·····これだ」
痛みですっかり忘れていた最強の魔法があった。
「『ワイドヒーリング』っ!!」
下腹部の痛い所に手を当てて神聖属性魔法の『ワイドヒーリング』を発動した。
これは割と使える人が少ない神聖属性の魔法で、本来ピンポイントにしか効果が無い普通の『ヒーリング』と違い、身体全体を広範囲に治す魔法だ。
まぁ回復量は据え置きなんだけど、全身に傷があって予断を許さない人にまずはコレを使うと、集中治療まで体を持たせられるかなり重要な魔法だ。
ちなみに使える人は大体が教会でシスターとかをやってて、教会から治療院に派遣されて仕事をしてることが多い。
もし子供の時点でコレを含む神聖属性魔法が使えてたら神学校に行かされるレベルで貴重な人材だ。
ちなみに実は私はサークレット教の聖地にある神学校にも入れられそうになったけど断固拒否してこっちに入学した。
·····今思えば、マグウェル魔法学校を選ばせるために規律の厳しいそっちも候補に入れてたような気がする。
まぁ今はそんな事どうでもいいや。
「はひぅ····· 何とかなった·····」
しばらくヒーリングを掛け続けていたら段々と良くなってきた。
まだじんわり痛むけどこれにて一件落着っ☆
◇
痛みが何とかなった私は、いつも通りに1時間目の授業を受けていた。
·····けど、数学なので特にやることは無い。
前世では一応理系大学を卒業しているので、遅れている異世界の学問程度ならもう楽勝だ。
まぁ、所々間違ってる所があって困るんだけどね。
「暇·····」
腹痛がどうにかなって落ち着いてきたので、とりあえず原因を探してみよう。
まぁすごく簡単に見つけられるんだけどね。
実はヒーリングを使った時に何処を治癒したかを記録してあるのだ。
それを私にしか見えないウィンドウで見てみると·····
「ふぁっ」
「ん?なんかあった?」
「またお腹痛くなった?」
「い、いや、なんでもないよー」
ビックリしたわ、てっきり直腸とか十二指腸とか胃袋とか盲腸って出ると思ってたわ。
そしたら表示されてたのが『卵巣』だもん·····
とりあえず色々調べたら更にビックリした。
どやら原因は『排卵痛』というモノで、えーっと·····
詳しく知りたかったら自分で調べて?
まぁ簡単に説明すると卵巣から卵子が壁をぶち破って出てきた時に痛む生理現象らしい。
私の場合はさっき体が冷えててこの壁というか卵巣の膜が収縮して堅くなっていたらしく、無理やり飛び出した時に盛大に破けてダメージがあったらしい。
どおりで痛いワケよ·····
まぁ治ったのは良いんだ。
それより、とうとう初めて排卵した方がショックというかなんというか·····
あぁ·····私って本当に女になったんだ·····って実感させられて少し怖い。
いや、めげるな私!
逆に考えるんだ、排卵してるってことは妊娠が出来るようになって、ちゃんと大人の体になれてるって事の証明で、めでたいことなんだ!!
·····うん。
もう、子供を産めるようになった、って事だよね·····
私は·····
ちゃんと母親になれるのかな·····
中身は男なのに·····
TS転生モノはちょこちょこよく読んでたけど、こういう描写は殆ど無くて考えもしなかった。
でも、よく考えたらわかる事だ。
精神と肉体の乖離、二次性徴期、生理、性交渉、妊娠、子育て·····
どれも、女として産まれたなら、女性になったのなら避けては通れない運命だ。
別にしなくて良い事もあるけど、普通に生きるなら、生物として正しい生き方をするなら、全部避けられないだろう。
いくら心がイヤイヤ言ってても、身体は情け容赦無く変わる、今も私の身体は変わり続けている。
·····そのくせに胸だけはあんま変わんないけど。
あーもう!
とっとと胸にメロンをつけてくれー!!
◇
《ショートメッセージ》
送り主:ガイア
『無理』
◇
くそがぁぁぁぁああっ!!!
ふーっ!ふーっ!
あの女神ぃぃ·····
私の胸を小皿でも胸に詰めたみてェーだとォ?
っざけんなゴルァ!!
くらえ必殺イヤホンをイヤンホホとしか発音出来なくなる呪い!!
オマケにヘッドホンをヘッドンホホとしか言えなくなる呪いもつけてやるー!!
·····はぁスッキリした。
·····あれ?
なんか途中からズレてきたような?
まぁいいや、くよくよ考えるのは私という人物には向いてないからやーめたっ☆
それよりも今日の昼は祝い飯で美味しいものでも食べたいから今からなに食べるか考えとこっと!
んへへ·····
名前:ソフィ・シュティン
年齢:12歳
ひと言コメント
「TSモノでこういう描写あんまり見た事ないなぁ····· 私の小説はやってるけどね☆ それに前世の保健体育でそういう授業は恥ずかしくてしっかり受けてなかったし····· 性知識の授業とかちゃんと受けとくべきだったなぁ」




