魔動車レース本番!
貴族の金ピカ魔動車に追い抜かされてから30分後·····
『ではBブロックの皆さん!サーキットへお集まりください!』
「おっ!後輩ちゃん出番だぜ!」
「うわ緊張してきた·····」
「ふふっ、怖いか?」
「全然?むしろスイッチ入った」
今の私はワクワク7割、緊張2割と言ったところ。
残りの1割はさかむけが気になる感情だ。
「よし!じゃあ行くぜッ!」
「うん!じゃあみんな行ってきます!」
『『応ッ!頑張れ!』』
私は部員と校長先生に手を振りながら、レースサーキットへと向かった。
◇
·····やっばー
どーしよ、緊張が7割超えた。
残り3割は旨辛唐揚げが食べたいという感情だ。
んな事はどうでもいい、めっっっっっっっちゃ観客多いわ、サーキットの観客席満員じゃん。
ヤベぇわ、めちゃくちゃ緊張するわ。
「やっぱ緊張してんじゃねえか、ほら落ち着け」
\べちこんっ!/
「んげふっ!?」
私はまた先輩に背中を叩かれた。
うん、でも気合い入ったわ。
·····やっぱり唐揚げ食べたいわ、終わったら食べよ。
そして気合いの入った私と先輩は、スタートラインに魔動車を停車させた。
位置的に言うと、先輩が1番右端で、私がその隣に並ぶ感じだ。
『お待たせしました!Bブロックの選手紹介を始めます!』
『『うおおおおおーー!!』』
「ぴょっ」
歓声がヤバいことになってる·····
『第1,2レーンはマグウェル魔法学校魔動車部のワイルドキャッツ2とケッテンクラートIIです!』
『『わあぁぁぁぁぁあああ!!!』』
「うわー····· めっちゃ緊張するぅ·····」
「この緊張感がたまんねぇんだよなァ」
『第3,4レーンは王立魔動車研究所のパーナとルヴァです!』
『『うぉぁぁぁぁあああ!!』』
「おや?魔法学校は今年は随分と奇妙な····· いや、むしろ洗練されて·····」
「あ、どうもー」
なんか隣のレーンの研究者っぽい人·····いやたぶんガチの研究者の人に話し掛けられた。
「おう!今年はソフィが入って技術革新が起きたからな!前までとは桁違いだぜ?」
「ほう····· すいません後でその車輌を見させていただいても結構ですか?ソフィさんの魔動車の車輪がとても気になってしまって····· 走行の様子を横から見ても?」
「もちろん!·····付いてこれれば、ですけどね?」
『第9,10レーンはウェースト男爵のパイライトとニケラインです!』
『『わーー』』
明らかに温度差の違う歓声が上がり、選手紹介が全て終わった。
『それでは選手の皆様はスタートの準備をしてください!』
「はーい、じゃあ先輩、作戦通りに」
「おう!皆を驚かせてやろうぜ!」
私と先輩は、事前に計画していた作戦通りにパフォーマンスの準備を始めた。
◇
全員が魔動車に乗り込むと、司会の人がカウントダウンを開始した。
『ではスタートまで10·····』
キィィィイイイイイイイン!!
それと同時に、私たち以外の魔動車がエンジンに魔力を流し、魔動力機関の出力を上げて甲高い駆動音を鳴らし始めた。
『おや?魔法学校の選手たちが起動していませんね?トラブルでしょうか?』
『5·····』
「先輩」
「おう!」
「「エンジンスタート!!」」
ドゥルルルルァァァアアァアァァアァァアッッ!!
キュルルルッ·····ブォオオオンッ!
『『うおおおおおおおお!!!』』
私のケッテンクラートIIと、先輩のワイルドキャッツ2はエンジンを起動した瞬間、他の魔動車の起動音が蚊の羽音なのかと錯覚するほどの爆音を鳴らし、サーキット全体にその音を轟かせた。
『さ、3!2!1·····』
タァンッ!
『スタートです!』
「最初っから全力だよ!『2速』!」
ギュルァァァァァァアアアアアアッッ!!!
「俺も一気に行くぜ!」
ブロロロロォォォォォオオオオ!!!
『あーっと先陣を切ったのは魔法学校の選手たちです!速い!速すぎる!』
「「うははははははははははっっ!!」」
他の魔動車は押してもらったり初速を稼いだりゆっくりと速度を上げていってるけど·····
おっ、王立魔動車研究所だけ自力で加速してる。
それでも!私たちの魔動車は格が違うのだよ!
『おっと!ここで速報です!なんと!大会最速記録を2台とも既に更新したとの事です!去年魔法学校の『ワイルドキャッツ』が記録した時速35kmを超えてなお加速している!!一体どこまで加速するんだーー!?』
『『うぉおぉぉぉおぁぁおおおおおおおお!!!』』
他の選手たちを置いてけぼりにして、大会最速記録を更新してなお加速してコースを爆走して行った。
◇
「負けるかァァああっ!!」
「うぉおおおおおっ!!!ぜッてぇ負けねぇぜ!!」
先輩と私の魔動車は時速70kmという馬が走るより速い速度で走行しているので、実況のためか並走してた乗馬してる人(語彙力不足)も置いてけぼりにしてしまった。
そして私と先輩はどっちが早いか競っているフリをしていた。
「先輩、私は最後の直線で140出します!」
「っけ!じゃあ行くぜ!」
「「うらぁあぁああああああっ!!!」」
おっとそろそろダートコースだ!!
『速い!もう2台ともダートへと突入します!というか中継をしている早馬が追いつけません!!』
私たちは速度はそのまま、悪路になっているコースへと飛び出した。
◇
「やっぱり楽勝!」
「だな!めっちゃ進みやすいぜ!」
私のケッテンクラートも、先輩のワイルドキャッツも悪路を走破するのに向いている形状なので、石がゴロゴロ転がる凸凹した道も難なく進んで行く。
おっと?
ナビだとそろそろ1番キツいカーブというかヘアピンカーブが来るっ!
「先輩!ヘアピンカーブです!」
「おう!このくらい楽勝だぜ!」
ドゥルルルルルッ!!!
ブルァアァアアッ!!!
私たちは抜かし抜かされをわざと繰り返しながら、ヘアピンカーブを軽々曲がりきった。
「いやーヤベぇわこれ、去年ここで曲がりきれなくて壁にぶつかったのによ····· マジ最高じゃねえか!!」
「へぇ、確かに曲がるの苦手って言ってましたね」
「あぁ、馬車をそのまま改造してたからな!あんまりカーブ性能が良くなかったんだぜ·····」
だけど、ワイルドキャッツは進化した。
悪路のヘアピンカーブさえ易々と曲がりきり、土埃を上げながら私のケッテンクラートと共にサーキットを爆走している。
そして私たちはぶっちぎりで最後のL字型に折れ曲がった直線コースに差し掛かり·····
「ほら後輩ちゃん、俺の事は良いから行ってこい!」
「はいっ!じゃあゴールで待ってます!」
「おうっ!大会記録をめちゃくちゃに荒らせ!!」
「おう!!」
いくよケッテンクラートII、本気中の本気だよ。
「観客よ刮目せよ!『3速』ッ!!」
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:12歳
ひと言コメント
「はあ〜い☆私ソフィちゃん!みんなみってるぅ〜?(魔法でなかよし組に中継映像を送ってる)」
名前:アニー・サンドラ
年齢:16歳
ひと言コメント
「このスピード、クセになりそうだぜ!ひゃっはー!!·····てか王立魔動車研究所も速ぇな、あれ時速30kmくらい出てるんじゃねぇか?あぶねぇー、ワイルドキャッツで出てたら下手したら負けてたぜ·····」
名前:なかよし組
平均年齢:12歳
ひと言コメント
ア「ソフィちゃんが送ってくれた屋台の料理おいしい!でも辛いの多いからちょっと残念だけど、この『揚げバター』っていうのめちゃくちゃおいしい!」
フィ「揚げバターを1個貰ったら胸焼けしそうになった····· なにあれヤバい····· あっ、僕は辛いの大好きだよ!割と激辛でも行けちゃう派だよ!」
グラ「辛いのは苦手ね····· にしてもソフィが生き生きとしてるわね、何かやらかさなければいいのだけど」
ウナ「辛いのすきだけど、激辛はにがてかなぁ····· 甘いものの方がすき!」
エビ「ワシか?超激辛とかでも平気なのじゃ·····おいソフィよ『鳥は辛さを感じない』って何じゃ!ワシが鳥頭と言いたいのか!?ふんがー!!帰ってきたら乙女として有るまじき姿にしてやるのじゃー!!」




