曇天に轟く魔導機巧の唸り声
【移動2日目】
特になし
強いて言うなら、朝早起きして趣味の鉱物採取というか砂金採取をやった。
宿泊場所がたまたま前世でいうところの身延町近くだったから、この近くにある金山を思い出してやってみたら案の定採取できたのだ。
たぶん素人じゃ無理だったけど、魔法使いの私なら普通は退かせないような重い岩をどけて岩盤の窪みや亀裂から結構な量の砂金を採れた。
というか、金のナゲット(金の塊)が採れて死ぬほど驚いたわ、初めてゲットした。
まぁそんなことはどうでもいい、というかこんな話をしなきゃいけないほど何事もなく終わった。
·····興味ある?ないよね、じゃあ3日目へGO!
◇
【移動3日目】
今日の移動は前世で言うところの山梨と静岡の県境付近から、とうとう山間を抜け出して地図で言うところの富士市あたりにある『霊峰町』で食料の補給をして、平野部というのを活かして一気に·····
えっと、なんだっけ、泥····· オタク····· あっ、沼!
沼津市がある辺りまで進む予定·····
だった。
ぽつっ
ぽつぽつ·····
ぽつぽつぽつぽつぽつ!
「うわまじか、雨振ってきた·····」
『おーい!全員馬にレインコートを掛けてやれ!体温が下がりやすい女子供と病弱なヤツは馬車に入っとけ!念の為全員レインコートを着ろ!』
移動を初めて2時間くらいしたら急に雨が振ってきて、しかも結構降ってきた。
「よいしょっと、雨避け結界展開」
私はケッテンクラートのびっくりドッキリ機能、雨避けの結界を展開した。
この車両はほぼバイクなので、先輩たちの車みたいに屋根が無いからこうして対策しているのだ。
「んひゃー·····すっごい雨」
結界を展開すると、冷たい雨水が弾かれて私のケッテンクラートの周囲に不自然に雨のない空間ができた。
「うおっ!?なんだそれ!」
「何って雨避けの結界ですよ?」
「はぁ····· またソフィちゃんが変なことを····· というかまずいわね、予定が伸びるかもしれないわ·····」
「マジですか?じゃあ私がいっちょ魔法で!」
「やめなさい!!ソフィちゃんが言うと冗談にならないのよ!」
「冗談じゃなくてガチですよ?」
ちょーっと空に向かってレールガンをぶっぱなしまくるだけだよ?
なんなら最近ようやく試験運用が可能になった『臨光速スピン式魔導砲』使うよ?
「だからやめなさいって言ってるのよ····· 大人しくしてなさい」
「へーい·····」
って事で、私は運転に集中することにした。
あっ、そうだ、ケッテンクラートといえばやっぱりブロディヘルメットが似合うよね!
って事で、インベントリからUFOみたいな形の黒っぽいヘルメットを取り出して被った。
◇
ばしゃばしゃばしゃばしゃ·····
「うわーぬかるみ始めてるぅ·····」
「だなァ、でもワイルドキャッツ2はすげえな、こんなぬかるんでたり水溜まりがあるのにものともしねェ!さっすが俺のワイルドキャッツだ!」
「これ作ったのソフィちゃんよね····· まぁ基礎システムはサンドラちゃんが作ったからいいのかしら」
よくないわい。
私が譲渡しただけじゃい。
というか、道がヤバいな·····
一応今走ってるところは石畳になってるけど、すぐ横は雨でぬかるんで、たぶん馬車が落ちたらハマるパターンのや
『ヒヒーン!!』
『『うおっ!?』』
「あちゃー·····」
「やらかしたわね·····」
「こりゃ時間かかるぜ·····」
隊列の中間あたりの馬車が道から外れてぬかるみにハマってしまった。
『おーい!力のある冒険者とか後ろの魔動車部の部員も手伝ってくれー!』
「はーい」
「ふっふっふ·····私の出番が来た!!」
「ちょっとソフィちゃん!そっち行ったら貴女もハマるわ····· あっ」
「おいそっちは危ねぇって走れるのかよ!」
ふふふ、我がケッテンクラートは元々こういう泥濘で動けないような場所とかで普通のバイクが使えなくなるから使用された歴史もある、オフロード特化の牽引車なのだ!
だからこんな泥濘なんぞものともしない!
ギャルルァァァァアアアッ!!
私はハンドルを切ってわざと道から外れると、泥濘をものともせず突き進み、泥濘にハマった馬車の所までやってきた。
うーん、馬車の車輪がみごとにハマって動けなくなってるなぁ·····
乗客の人達も降りて、冒険者も集まってみんなで馬車を押してるけど全然抜け出せる気配がしない。
荷馬車だったから相当な重さもあるのだろう。
「おーい!魔動車部です!馬車から馬を外してくださーい!コレで牽引して引っ張り出しまーす!」
「おお!助か····· なんだそりゃ?出来るのか?」
「まぁやってみればわかりますよ!」
「そうだな、今は猫の手も借りたい状況だ、頼む!」
「あいあい!」
私は泥濘にハマった馬車の前にケッテンクラートを走らせてやってきた。
『ヒヒーン!』
「あっ、興奮しちゃった?『トランキライズ』、じゃあ馬をどかしてくださいー」
私は興奮してた馬に沈静魔法を使って落ち着かせ、御者さんに頼んで馬を馬車から外して貰った。
「よし!ケッテンクラート、牽引モード!」
ひゅんっ
ガチャンッ!
私はケッテンクラートの後部から魔力のウィンチを出して、初代『ワイルドキャッツ』を引っ張った時みたいに固定した。
「じゃあいきまーす!おりゃー!!」
ギュァァァァアアアッ!!
みぢみぢみぢ·····
ずぼっ!!
『『うおっ!?』』
べしゃっ!
「·····ごめーん☆」
推定重量300kgの馬車は一瞬で泥濘から抜け出し、押してた人達が空振ってすっ転び、顔面からぬかるんだ地面に倒れてしまった。
「はいもうOKですよー!馬を繋ぎ直してください!」
「あぁ助かったよ、さすが魔法学校の魔動車部だ、大会頑張れよ」
「うん!じゃあまたハマったら任せてねー!」
私は御者さんに手を振りながら、強制顔面泥パックを食らった人達にちょっと申し訳ない気持ちになりながら、最後尾に戻った。
ちなみに、このあと時々馬車がハマって私や先輩の魔動車で助けてを繰り返して一日が終わった。
◇
【移動4日目】
昨日は少し無理をして霊峰町まで行って食料を補給したりして、みんなで宿に泊まった。
ちなみに私はディメンションルームにいってたのでケッテンクラートの中で寝た事になってた。
今は町から出発して、昨日の遅れを取り戻すためにちょっと急ぎ気味で進んでいた。
「ふぁぁあぁ····· だる·····」
「あら?ソフィちゃんがダルいって言うなんて珍しいわね、疲れちゃった?」
「うん····· なんかあんまり体調良くないかも·····」
なんだろ、さすがに4日も運転してたから疲れたのかな、でもオート操作だったしなぁ·····
特に疲れる要素とかなかっ
どろっ·····
「っっっ!?!?えっ、あっ、えっ····· えっ!?」
突然、私の下半身に不快感が走った。
漏らした?でも尿意はなかったし、お腹も痛くなかった·····
「ん?どうした後輩ちゃん、足でもつったか?」
「ソフィちゃんさっきから変よ?·····いや、元々ね」
「ちょ、ちょっと、つっこむ、余裕ない、かも」
なにこれなにこれ何これなにこれ何コレなになになになになに何何なに!?
もうだめだ、パンツがぐぢょっとして気持ち悪い。
「あ゛あ゛ーー!!めっちゃ気持ち悪いー!!オート操縦!」
「ちょっと!ソフィちゃんどこ行くのよ!」
「後輩ー!!」
私はあまりの不快感に我慢できず、オート操縦に切りかえて『ディメンションルーム』の中に入ってしまった。
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:12歳
ひと言コメント
「ああぁぁぁ····· 何コレまじで、まじで何!?血·····じゃない!なんなのーー!!!」
名前:校長先生
年齢:367「17歳よ」
ひと言コメント
「ソフィちゃんが突っ込まなかった·····!?相当やばい事態ね····· 大丈夫かしら·····」
〜なかよし組〜
最近の活動
・アルム:体重(胸)が更に増えて嘆いてる
・フィーロ:知恵の輪を買って苦戦してかなりイラついる
・グラシアル:ソファで寛ぎながら本を読んでたけど、フィーロがカチャカチャと知恵の輪をいじってて集中できない
・ウナ:ウェアとのじゃんけんで決着がつかない
・ウェア:ウナとのじゃんけんであいこを出してる
・エヴィリン:フィーロが知恵の輪に苦戦してるのを見てイライラしてる




