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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
109/231

変態貴族はおかえりくださいっ!


 それは私が部活の大会で移動する時の暇つぶしにするための本とテスト勉強用の資料を買うため、一人で街に来てた時のこと·····



 私はケッテンクラートには乗らず、普通に街の中をぶらぶら歩きながら移動していた。

 ちなみに私の目的の本屋は、高級なお店が立ち並ぶ通称『貴族エリア』と呼ばれる場所にある。


「おっ!嬢ちゃん今日は一人なのか?」


「うん!ちょっと本を買いに行くつもり!」


「揚げドーナツいるか?ってそう言えばこの前大量買いしてたから要らねぇか」


「んにゃ、1個ちょーだい」


「はいよ、ほれ熱いから気をつけろ」


「あちゃちゃっ!?」


 通りを歩いていると、私が気に入ってる揚げドーナツを売ってるパン屋のおっちゃんが話しかけてきたから、揚げたてのドーナツを1つ購入した。


「やっぱり熱々が1番うまぁい♡」


 私は熱々のドーナツをハフハフ言いながら食べ歩き、本屋へ向かって通りを·····


「おーい!そこのドーナツ大好きっ娘!前に頼まれてたトマトパスタを挟んだサンドウィッチが出来たぞ!食べるか?」


「食べるっ!!」


 こんな感じで、私は割と色んな店にお世話になってるから割と顔を覚えられてて、通りを歩くと結構な頻度で話しかけられる。


 というか、最近は私に味見をしてもらって美味しいと言ったら正式メニューにする店が増えてきて困ってる、そろそろ金とるよ?

 でもお試しメニューは安くしてくれるから許す。





 私は本屋へ向かっていた·····はずだよね?


 いや、本屋には到着したんだけど、話しかけられまくって色々買いすぎたので、今は本屋の前でフランクフルトを食べている。


「はぁ、美味しい·····」


『そこのお前』


「うーん、クレープにトマトを使うのは斬新だけど」


『おい、反応しろ』


「なにか足りない·····」


『おい!』


「わかった!!チーズとバジル!!」


『無視をするな!我は貴族ぞ?』


 ·····なんだよめんどくさい。


「新作メニューの案は譲らないよ?」


「ふん、何を言っているのだ、来い」


「はぁ?やだよ」


 振り向いた所に居たのは、なんかゴテゴテな装飾の馬車と、高そうな貴族っぽい服を着てる薄らハゲのデブオヤジだった。



「我は以前からお前に縁談の手紙を送っていたが、この前の手紙でOKと返事しただろう?」


「は?してないし」


「我はちゃんと『断る場合は返事の手紙を送れ』と書いたぞ?返事がないということは事は了承したという事だ、だから来い、今日から我の妻としてたっぷり可愛がってやる」


 ·····はぁ?


 そういや私、前にステータスのごくごく一部がバレて、貴族から縁談の手紙が届きまくって、今はもうウザいから校長先生から受け取ったら片っ端から燃やして処理してたな·····


 ちっ、コイツ逆手に取りやがったな?


 いや、違うな。


「おかしいですねぇ、私は手紙は読まないで、()()()()()()()()で、現魔法学校校長で()()()()()()のサトミ・ド・ウィザール先生に読んでもらって、必要なら返信してもらってるんですけどねぇ?」


「·····」


「お?図星?ズボシ?」


 そう、最初に沢山届いて校長先生に呼ばれた時に私は燃やそうとしたから、それからは校長先生が先に読んで返信の必要があるなら私が書いて送るという決まりになってたはずだ。


 ちなみに、毎月先生に買ってもらってる味噌と醤油の割引をする代わりにやって貰ってたりする。


 うん、そういやそんなこと書いた気がする。


 誰だっけコイツ·····


「我は知らぬぞ?そんな手紙届いてないよなぁ?」


「ええ、届いていませんよ」


「ふーん?」


 薄らハゲのデブ貴族がなんか嫌な顔の執事に聞いたらそう答えた。


 うん、嘘だね


 魔力を見りゃ1発でわかる。

 魔力は精神と直結してるから、嘘をつくと僅かな揺らぎが発生する。


 2人とも、しっかり反応してたよぉ?


 ちなみに、校長先生や私レベルの能力があってもこの揺らぎを消すのは無理だから、コイツらが嘘をついてるのは確定だ。


 というか私の能力はサブの狙いだな?

 コイツら本当の目的は私のカラダだな、目線がキモイし。


「あのさ?どーせお前らアレでしょ、私の能力を狙って縁談とかいう体で、私の体狙ってるだけだろこのロリコンが」


「お前、我は貴族ぞ?夫に向けてそんな口聞いていいと思っているのか?少し躾が必よ」


「·····キモ、黙ってて?喰らえ『キノコ神拳奥義!口止めライスボール!』」


「もがっ!?」


 私はユニークスキル『キノコ神拳』を使って、気持ち悪いこと言ってる変態ロリコン貴族の口におにぎりをぶち込んだ。


「お前、ネニペロ様に何をした!」


「何って、太っててお腹すいてそうだったから口におにぎりぶち込んだだけですよ?」


 キノコ神拳なめんなよ?

 これヘンテコな格闘技系スキルに聞こえるけど、正体は思いっきりギャグ補正系のスキルだからね?


 ノーススターさん師匠の跡を継いでようやく師範代にまでなれたけど、ここまで来たらもう無敵だ。

 発動したが最後、相手の攻撃は全部意味をなさなくなる上に、こっちはデタラメな威力の技まで使いたい放題な無敵状態になれるもの。


 と、言うわけで私はキノコ神拳を·····



 ·····もうとっくに使ってるんだけどね?



「ぺっ、お前には徹底的に躾がいるみたいだなァ」



 あっ、こいつ、おにぎりを吐き出して踏んづけやがったな?


「·····てめぇ、お米には7人の神様が宿るって知らないのか?粗末に扱ったらどうなるか分かってんのか?」


「知るわけなかろう?」


「はぁ、こらだからアホ貴族は····· 躾がなってないのはお前なんじゃないでちゅか〜?」


「貴様····· もういい、こっちには大義名分がある!拘束して連れ帰ってたっぷり躾してやる!」


「ほーん?拘束できるとでも?」


「当たり前だ、準備はしてきてるからなァ、ぐぶぶ、ネクロ!馬車からアレを取り出せ」


「うわ顔キモ·····」



 お前、私が本気だったら今の間に100億回は死んでるぞ?


 とりあえず校長先生の説教対策用に記録映像を撮っておいて、校長先生に魔法で連絡してからタコ殴り····· キノコ殴りにしてやる。



「きっ、貴様····· 好きに喋らせておけば勝手に我の事をバカにしおって····· 覚悟しろよ?」


「ふっ·····お前は重大なミスをしてる」


「オラァ!」


 スカッ


 執事のネクロとやらが縄をもって私を捕まえようと襲いかかってくるが、私は華麗にするっと避けた。


「キノコ神拳奥義!ぽんぽんペイン拳!」


 ボスッ!!


「ぶぐうっ!?」


 私のグローブ『神拳:キノコの拳』がネクロとやらの()()にめり込み、地面にぶっ倒した。

 そして腹から嫌な音がギュルギュルと聞こえてきた。


「1つ!私はお前みたいな変態ロリコンオヤジなんぞについて行く気も屈する気もない!」


「ほう?だったらこれに耐えられるかな?」



 ヒュンッ!

 ガシャンっ!!


 お?変態貴族が投げたなんか変なのが私の首に巻きついたぞ?


 うわ!なんか嫌な魔力を感じるコレ、気持ち悪っ!


 これ、私の魔力を吸って、変な魔力を私に、なが、し、て·····


「ぐふふ、『隷属の首輪』を付けたら例えドラゴンでも従う禁忌の魔道具だ、全く手こずらせやがって····· おい、大人しくこっちに来い」


 ·····


「はい·····」


 私はネニペロ様の指示に従って、ネニペロ様のちかくまであるいていく。


「ぐふふふふ····· さぁ馬車に乗って服を脱」


「2つ目、私はお前らが思ってるより強い」


 パァンっ!!


 首輪に()()()()魔力を逆流させてやると、激おこハリセンボンを風船に投げたときみたいに破裂してしまった。


 はぁ、これだからダメなんだよ。


「なっ!?隷属の首輪がっ!?人用ではなく魔物用、それも最上級のだぞ!?」


「だからそれが間違ってんだよ?私はドラゴンより強い!キノコ神拳奥義!図書館で騒ぐと司書さんが怒るぞ拳!!」


『てめぇウチの店の前で何やってやがる!!』


 ゴスッ!!


「ぐはっ!?」


 突如本屋の店員さんが分厚い法律系の辞書を変態貴族に投げ、変態貴族の顔面にめり込んだ。


「キノコ神拳奥義!法の裁き(物理)をくらえ拳!」


「うぐぉあああっ!?」


 そして私は顔面にめり込んでた辞書を掴むと、粗末な股間に向けてフルスイングでぶつけた。


「変態さんたちクソザコナメクジだね〜ざぁこ♡」


「こ、この····· ネクロ、アレを使え!」


「承知しました、ネニペロ様をコケにした罰だ」


 ぱしゃっ!


「ん?何を掛け····」


 私はネクロとかいう執事が掛けた液体から出た気体を吸ってしまった。


 すると、意識が、ぼーっとし、て····· くそ·····


「すやぁ·····」


「ぐふふ、ようやく寝たか、おい!隷属の首輪を嵌めて隷属魔法も掛けてさっさと奴隷にしてしまえ!」


「了解しまし


「キノコ神拳奥義ぃ〜····· 酔拳を睡拳と勘違いしてたから眠ったら使っちゃう拳!」


 ドガッ!バギッ!メギョ!ゴスッ!ベチィ!ポスッ!ベモッ!ドゥパ!オラァ!ムダァ!ドラァ!


「ぐぶはっ!?ぐえっ!?ぶばっ!?」

「ギェッ!?グビゥ!?べムッ!?」


「すや····· はぅ!?寝てた!!」


 ん?

 なんで変態ロリコン貴族共がボロくそになって転がってるんだ?

 まぁいいや、決めゼリフ言わなきゃ。


「3つ目、てめーらは私を怒らせた」


 バァァァァアアン!!



 その後、校長先生が街の警備隊を引き連れて駆けつけてきた。

 うんうん、事前に報告してたから助かったよ☆

 校長先生の発言権って王族級ってウワサだし、それに元々私の味方だからさっさと変態貴族共を捕まえて、魔法でしっかり拘束してくれた。


 ·····なんか、『早く来て正解だったわ、これ以上遅れてたら原型が無くなってたわ』とか聴こえたんだけど?

 私の事なんだと思ってんだあの校長。


「ソフィちゃん····· まぁコイツらを捕まえられて良かったけど、普通の貴族を殴ったら普通は重罪で奴隷にされるわよ?最悪処刑よ?」


「へーい····· ところでコイツらの爵位って?」


「伯爵よ、前々からトラブルを起こしてたから捕まえようとしてたんだけど、ソフィちゃんが犯行現場を中継してくれて助かったわ、というか所有が禁じられてる魔道具とか魔法をこんなに····· 自白させる必要がありそうね」


「あっ、それならやりますよ」


「·····拷問は程々にね?」


「拷問なんてそんな酷いことしないですよ?」


 私は変態貴族共の元に向かうと·····


「な、何をする!?くそ!警備隊共!我は貴族ぞ!こやつは学生で我の事を殴ったのだぞ!コイツを捕まえろ!」


「不可能ですね」


「くそ!賄賂は渡しただろ!」


「んふふ?洗いざらい話して貰うよ?」


「くっ····· 貴様みたいなガキに話すわけなかろう」


「そう言ってられるのも今のうちだぞ!キノコ神拳奥義!カツ丼自供拳!」


◇\ぱちんっ☆/◇


 私はトレンチコートを着て、取り調べ室によくあるあの机に座ってる犯人(変態貴族)の前に座った。


「な、なんだこれは!?何故我は座らせられてる!」


「いい加減吐け!」


「なんの事だ!」


「故郷のお母さんが泣いてるぞ!」


「ふん、·····母は死んだ」


「そうか·····辛かったな」


「お前にそれが····· わかるのか?」


「あぁ····· 親を失う苦しみはよくわかる·····」


「刑事さん·····っ!!」


「そうか····· おい、カツ丼を持ってきてくれ」

「カツ丼いっちょー!へいおまちっ!!」


 私は後輩にカツ丼を持ってくるよう指示を出した。


 するとスーツ姿の初々しい格好の新人刑事(デカ)の私2がカツ丼を持ってきて、犯人の前に置いた。



「私の奢りだ、食って元気出せよ、お母さんの味に近づけてみたんだ、元気が出たら自供してくれよな」


「うっうっ、お母さん····· お母さんの味だ·····」


「そうか····· それは良かった」


「ありがとう刑事さん····· わかった、正直に全てを白状させてくれ」


「わかった、じゃあ担当を変えるぞ、サトミ刑事(デカ)、引き継ぎをお願いできますか?」


「わかったわ、任さない」


 こうして、変態貴族は今まで行った数々の犯行を全て自供した。



◇\パチィンッ!/◇



 私の指パッチンの音が鳴り響くと、取調室が消えて本屋の前の道に景色が変わった。



「ふっ、これが鼻毛····· あっ、じゃなくてキノコ神拳の力よ!」


「はっ!?我は何を····· なぜ自供してしまったのだ!というか何だこの料理は!?食った事も無いし、まず我の親は生きておるぞ!?」

「待ちなさいソフィちゃん!私まで巻き込んだわね!?」


 ちなみにこいつ相当悪どい事をやってたし、さっきのキノコ神拳でもうボロボロと大量の犯罪の証拠を自白した。


 ロリどころかもっと下にも手を出してたし、違法な奴隷を多数監禁してイロイロやってた。

 私も連れてかれてたら危なかった、たぶん普通に死んでた。


 って事で、コイツは良くて奴隷堕ち、悪くて死刑だそうだ。



「じゃあ私帰りますねー」


「まちなさい?ソフィちゃんは普通に被害者だから来てもらうわ、あと『キノコ神拳』にあらいざらい話してもらうわよ?」


「·····カツ丼は?」

「出すわけ無いでしょう?」


「えー····· まぁ行きますけど」


「ダメよ!今日はちゃんと····· えっ、来るの?」



 本音は逃げたかったけど、さすがに変態貴族の行為には私もイラッときたのでついて行く事にした。


 でもその前に·····



「·····買いたかった本買ってきていい?テスト勉強用のやつ」


「·····なる早でお願い」


 よしちょっと買ってくる。


 こうして私は本来の目的を達成し、事情聴取の手伝いをして帰った。



名前:ソフィ・シュテイン

年齢:12歳

ひと言コメント

「ハジケて混ざれ!」


名前:校長先生(加藤 郷美)

年齢:永遠の17歳

ひと言コメント

「おかしいわ····· 聞いた感じだと武術系のスキルなのに····· キノコだから幻惑系の効果があるのかしら?」


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