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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
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魔動車レースは突然に



「ヒィヤッホォォオオオ!!」



 私は魔動車の免許を手に入れて、校長先生公認で魔法学校の校庭で『ケッテンクラートII』の走行テストをやっている。


 今は地形を魔法で隆起させて坂道にしたり、ダートを作ってわざと突っ走ったり、岩がゴロゴロ転がる大地を作ってそこを駆け抜けて遊んでいる。


 ちなみに、ケッテンクラートの駆動音を聞きつけて放課後で暇な生徒たちが結構集まって来てて轢き殺しそうな気がしてきたから、今は速度を30kmくらいに抑えて走行している。

 まぁ、校庭も結構狭い····· いや普通にめちゃくちゃ広いけど、魔動車で走るには狭いので速度は遅めにして、蛇行運転や超信地旋回をやって遊んでいる。


「男子共!大技いくぞー!」


『『わー!!』』


 私はケッテンクラートのエンジン出力を上昇させ、ジャンプ台に向けて一気に加速!


「うおおおっ!!ジャーンプッ!」


 ブォォオオンッ


 ッダァァアン!!


『『わーーー!!!』』


 ふっ·····

 キマった·····


 このケッテンクラートは只者じゃない、何せ『星核合金』や魔導希少金属3種をふんだんに使ったバケモノ性能の超合金メカだ。

 今は特殊な魔導金属による塗装でカーキ色にしているが、塗装を剥がせば美しい紺色と黄金と銀のボディーが出てくる。


 このおかげで耐久性は実在の物と比べ物にならないレベルで高くなっている。


 だからこそ、さっきの大ジャンプみたいな無茶も簡単にできるのだ!

 ちなみに私への落下の衝撃は魔法で緩和してるから割と平気だったりする。


「ふぅ·····」


 私は見に来ていた男子共の前にケッテンクラートを横向きに停め、車体後部の荷台に仁王立ちすると男子の方を向き、指パッチンをして隆起させた校庭を一瞬で元通りにした。


「コレは『ケッテンクラートII』!これこそ実走用に作られた世界初の本物のケッテンクラートなのよ!魔改造だけどねっ☆」


『『うおおおおおー!!』』


 ふっ·····


 あっ、そこの男子!スカートの中覗き込むな!

 スパッツ履いてても恥ずかしいんだぞ!!


 とりあえず覗き込もうとした失礼な男子には、デコピンくらいの威力に調整したマジックボールを当ててやった。


 それはともかく、私はケッテンクラートの上でドヤ顔をカマしていると·····


『ちょーっとまったー!!』


「こっ、この声は·····!!」


 突然少し枯れ気味な少女の大声が響き渡り、何者かが乱入をしてきた。


 そして私は声のした方を向くと·····



 ·····



「··········ごめん、誰?」

「·····えっ?」


 幌が無くて代わりになんか機械みたいなのが搭載された馬車にのった、赤毛のオラオラ系女子が私の事を睨み付けていた。


 ちなみに面識は無い。


 なんかアレみたいだ、暴走族の女番長みたいな感じだ、あと髪の色はアルムちゃんみたいな赤毛では無く、染めたかのような深紅の髪の毛をポニーテールにしている。


 ·····あと色々デカい。

 もぎ取ってやろうかこんにゃろ。


「おうおう!聞かれたら答えてやるのが世の情·····」

「別の口上でお願い」


「えっ····· おほん、やい貴様!オレたちのナワバリで何勝手に魔動車を····· ん?魔動車?魔動車にしてはなんか····· まぁいい!勝手に魔動車を走らせるんじゃねェ!!」


「いや、校長先生から許可は得てるよ?」


「え゛っ」


「ええ、ちゃんと許可したわよ?」


「〜〜〜っっ!!」


 あっ、なんか涙目になってプルプルし始めた。

 さてはメンタルよわよわちゃんかな?


『おい、アレって魔動車部の部長じゃね?』

『あの魔動車ってワイルドキャッツじゃん!』

『マジかよ!こんな近くで見たの初めてだ·····』

『大会連覇の最速の魔動車だ·····』


「お前らー!もっと盛り上げろー!!ワイルドキャッツのお出ましだぞー!!」


『『うおおおおおおおおおお!!!』』


 きゃっ!?

 す、凄い声援·····


 って!フィーロ君そっちに混ざるな!魔法デコピンっ!


『ふぎゃっ!?』


 くっそー·····

 負けてられん·····


「みんなー!ソフィちゃん可愛いって言って☆」


『『ソフィちゃんかわいいやったー!!』』


「ど や ぁ」


「ふん!オレは可愛い路線じゃねぇから羨ましくねェな、それよりお前!校庭の許可を得たとしてもオレたちが許さねぇ!勝負しやがれ!!」


 ·····ちっ


「ふふん!いいよ受けて立つ!·····で、私が負けたらどうなるの?」


「機体を譲れとは言わねぇが、『魔動車部』に入b

「ヤダ」


「·····もう1回言

「わせる前に断る!魔動車部が何か知らないけど断る!!」


「えぇ·····」


「で?ちなみに、私が勝ったら?」


「魔動車部に入部『私帰る!』まてまてまてまて!!入部届けは後でいいからレースするぞ!」


「入部届けは出さないけど受けて立つ!」


「そう来なくっちゃな!!\入部届けは出さないからね!?/じゃあ副部長!そこにスタートラインを引け!\聞いてないし·····/大会の練習コースでやる!」


「応ッ!」


「お前らは『ワイルドキャッツ』の方向転換を手伝え!」


『『応!!』』


 ·····ん?


 えっ、それ押さないと方向転換出来ないの?


「なかよし組、全員集合!」


『『はーい!』』


「·····アレ何かわかる人居る?」


「僕知ってるよ!みんなは興味なさそうだったから言った事なかったけど、この学校の魔動車部は今のところ世界最高性能の魔動車を作ってるんだ!それがあの『ワイルドキャッツ』っていう魔動車なんだ!あの赤毛の先輩が部長のサンドラさんだよ!」


「·····へぇ?世界最高なんだ、学校対抗試合で最高とかじゃなくて?」


「うん、魔動車の大会は大人も参加する、本当の大会だよ!スピードだけならワイルドキャッツが1番速いんだ!コントロールは少し悪いんだけど、圧倒的なスピードでぶっちぎりの1位になっちゃうんだ!」


「ふうん?で、平均時速は?」


「えっ、時速?うーん·····馬車の倍くらい?」


 ってことは推定時速30kmか。


 確かに、馬車を元にしてるならかなり速い。


「わかった、フィーロ君説明ありがと·····っていうか、アレについて詳しいね」


「うん!だって学校のエースだよ?そりゃ好き·····」

「フィーロ君、今から私の方が好きって言わせてみせるから見てて」


 私はフィーロ君にずいっと近づき、そう宣言した。


「·····えっ!!?!?!?!あっ、うん、そっち····· わかった、頑張ってソフィちゃん!」


「おうっ!」


 私はケッテンクラートの操縦席に座ると、マップに大会で使われる練習コースのデータをアカシックレコードから読み込ませて表示させた。


「ふぅん····· 1周1kmのサーキットか·····」


 1kmなら70km/hで走れば1分ってとこかな。


『おい!お前の魔動車もスタートラインに付けろ!それとも方向転換出来ないのか?』


「なんだとー!?今そっち行く!みんな離れて!」


『『はーい!』』


 ふっふっふ、私のケッテンクラートの圧倒的な性能を見せてやろう!


「超信地旋回っ!!」


 ドゥルルルルルル!!ガタガタガタガタガタッ!


 超信地旋回はハンドルを上げて前輪を地面から離し、同時に展開される仮想円形ハンドルを回す事で左右のキャタピラを逆回転させてその場で回転するという仕組みだ。


 なお本来の、実在のケッテンクラートでは超信地旋回をする事はできないみたいなのよね。

 まぁこれ似てるの見た目だけだし。


 つまるところ、これは私のケッテンクラートだけの特殊機能だ。


 その超信地旋回によってその場で向きを90度変えた私は、魔導力式エンジンを吹かしてスタートラインにピタリと付けた。


「はい、私は準備OKだよっ☆」


「·····何だよその機能!!まさか、そのヘンテコな車輪!左右独立駆動なのか!?」


「んふふ、秘密っ!」


 予想は正解だよ!教えないけど。


「くっそー····· 副部長!カウントしろ!」


『押忍!じゃあ5秒前!4、3、2、1·····』


「あー!アレは何だっ!!」

「うぇっ!?」


 ·····ん?何も無い?


『スタート!』


 キュィィィイイイン!


「あっ!やられたっ!!くっそー!!」


 まんまと騙されたっ!!


 というか騙してまで勝ちたいのかっ!!


「汚い手を使うなら容赦しないよっ!!ギア2速!全速前進!アクセルベタ踏みで行くよっ!!」


 ガルァァァァァアアアッ!!!


 ギャリギャリギャリギャリギャリっ!!


 普通は無音のはずの魔動力エンジンだが、私のケッテンクラートはガソリン車のような唸り声を上げ、無限軌道が激しい音を立てながら全力で回転し始めた。


「まてー!!まてまてまてーっ!!」


 ガダダダダダダダダダダダダッ!!!


 ケッテンクラートは一気に時速45kmまで加速してなお加速しながらサンドラ先輩が操縦する『ワイルドキャッツ』にグングンと迫って行く。


「何の音だっ!って、速っ!?えっ!?オレのワイルドキャッツに並んだ!?!」


「おっさき〜☆」


「あっ!テメェ!!」


 私は先輩の乗る魔動車にわざと並走し、テヘペロダブルピースをしてやってそのまま加速してコースを爆走して行った。


「待てやゴルァ!!」


「やーなこったー☆」


 確かに先輩の車両も早いが、私の車両は近代兵器の技術を使ってしかも魔法改造してるから桁違いだ。


「おっと、そろそろカーブだ」


「くっそ!!負けてらんねぇ!!その車体でカーブはキツいだろ!!大会に向けて改良してカーブ性能を上げたオレの魔動車を舐めんな!!」


「よいしょー☆」


 私はカーブに合わせてハンドルを切る。


 ちなみにケッテンクラートのカーブ方法はバイクの前輪のようなハンドルを切ると、切った方向に合わせて片方のキャタピラが減速してカーブするという仕組みだ。


 ·····うん、前輪はほぼ意味は無い。


 そして私はカーブ中にわざと速度を落とし、先輩に抜かさせた。


「はっはー!このまま引き離す·····引き離·····引き·····おいっ!!どうなってんだソレ!!ピッタリついてくんな!!」


「えー?このくらい普通だよ?」


「くっそー····· 離せなら直線で奥の手を使うっ!ぜーーってぇ負けねぇ!!」


「ほーん?受けて立つよ、私も本気出すから」


 実は私はわざと本気を出さず、先輩とのデッドヒートを楽しんでいたりした。

 真剣勝負ならこちらも本気を出さねば失礼だよね☆


 そして2台の車両は直線に差し掛かると·····


「うおらぁぁぁああ!!行くぜ相棒!オーバーブースト!!」


 ガコンッ!

 ギィイイイイイインッ!!


「おおおー!!めっちゃ加速した!!なんか嫌な音鳴ってるけど大丈夫かなアレ」


 先輩の乗る魔動車が一気に加速し、たぶん時速45kmくらいまで加速した。

 が、なんかエンジン部分から鳴っちゃいけない音が鳴ってる。


 もしかして時速80km(時速50マイル)以下になると爆発するモードになったかな?


「はっはー!先にゴールと部室で待ってるぜ後輩ちゃんよォ!入部届け忘れんなよー!」


「ごめんね?私はエリート帰宅部なの、だから先に帰っちゃうね」


 ケッテンクラート、3速!!


 ギュルァァァァアアアアアアアアアッッ!!


「っぐ!!いっくよぉぉぉおおおお!!!」


「なっ!?速いっ!!?」


 ケッテンクラートの特徴である無限軌道が爆発的に加速し、砂嵐の如き勢いで校庭の土を後方にぶちまけながらグングンと先輩に迫り·····


「あっ、私エリート帰宅部なのでお先に失礼します」


「エリート帰宅部ってなんだよーーー!!!」



 最高時速の140km/hでブチ抜いて行った。





 風のように、風より速く私は校庭を駆け抜けて、私は最終カーブへと差し掛かった。

 だが時速140kmだとさすがにこのカーブはキツい、私の魔改造ケッテンクラートでさえ、このままだと良くてたぶんコースアウト、最悪の場合横転してしまう。


 しかーし!!

 このケッテンクラートIIは一味違うのだっ!!


「右魔導アンカー射出!!空間固定ッ!」


 バシュンッ!


 ガキンッ!!


 ケッテンクラートIIには魔法の錨を射出して、錨を空中に空間魔法て固定する特殊なアンカーが取り付けられている。

 これは崖などから落下しそうになった時や、吹き飛ばされそうになった時に使う物で、車体の左右に取り付けられている·····が。



 私の手にかかればこんな事にも使えるっ!!



 ギャルァァァァァアアアアッッ!!



 私はカーブに一切の減速無しの時速139.5kmで突っ込み·····


 ギャインッ!!


「んっぐ!!まぁぁぁがれえぇぇぇえええっ!!!戦艦ドリフトォォォオオオオ!!」


 ギャリリリリリリリリィィィィイイイイッ!!!!



 空中に突き刺さった右アンカーから伸びる鎖がビンッと張って、ケッテンクラートは速度をほとんど落とさないで、太陽を中心に公転する惑星かの如き半円運動でカーブを駆け抜け·····



 カーブを無理やり通り抜けてゴールした。



「っしゃぁぁああっ!!じゃあみんな帰るよ!!」


「まてぇぇぇ·····」


「ソフィちゃん、サンドさんがなんか言ってるよ?聞かないの?」


「ソフィちゃん·····かっこいい·····すき·····」


「凄かったわね····· あっ、校庭を直さないとお姉様に\パチンッ!/あぁ、直ったわね·····」


「かえろー?わたしつかれたー、それのせてー」

「ワシも乗せて欲しいのじゃ!」


「まてやゴルァァアーー!!」


\ボンッ★/


「あっ·····」


『『あっ·····』』


 サンドラ先輩が遅れてゴールした途端、世界2位の速度を誇る魔動車の『ワイルドキャッツ』の動力部分が煙を上げて壊れた。


「·····帰りまーすっ☆」


 ガシッ


 校長先生にケッテンクラートの後ろをガッチリ掴まれた。


「ソフィちゃ〜ん?」


「·····帰らせてっ☆」


 ギャリギャリギャリギャリッ!!


 えっ、まって、ケッテンクラートが動かないんだけど!?

 これ、一応だけど鋼鉄の機関砲を牽引できるレベルの牽引性能はあるはずなんだけど?


「入部届け、書きなさい」


「やだっ☆」


 だがしかぁーしっ!!

 私のケッテンクラートはIIだぁっ!!


 牽引能力にも特化した超改造を施してあるのよっ!


 5()()


 ギュルァァァァアアア!!!


 ズリズリズリ·····


「ちょっ!?なんで私が力負けするのよ!?ドラゴンも引き摺れるのよ!?っっっ!!いいから話くらい聞きなさいっ!!」


「帰宅部のエース舐めんなぁぁああっ!!」


 やめて校長先生!私は帰宅部のエースなのっ!兼部はしない主義なのっ!!


「ウチに帰宅部なんぞないっ!!」


 ゴチンッ!


「クーゲルパンツァーっ!?」


 いっっっったあぁぁぁあぁぁああいっ!!?



名前:ソフィ・シュテイン

年齢:12歳

ひと言コメント

「校長先生を引きずったのは、空間魔法で強制的に引きずる最強のパワーモード『5速』を使ったからだよっ☆ ちなみに『4速』は風魔法と無属性魔法と空間魔法と重力魔法とかを組み合わせて、空を音速で飛ぶ飛翔モードだよっ☆」


名前:アニー・サンドラ

年齢:16歳

性別:女

ひと言コメント

「相棒ー!!くそ·····くそっ!なんでだ!!」

\あーあ時速80km以下で走っちゃうから·····/

「だからなんなんだよそれ!!そんなに速度でねぇよ!!うっうっ·····相棒·····オレの相棒·····こんな無惨な姿になっちまって·····今直してやるからな·····」


(ちなみに時速80km(50マイル)云々は名作洋画オタクのソフィが前世の頃よく見てたハリウッド映画が元ネタです)


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