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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第3章 TS賢者はアイを知るっ!?
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魔動式半装軌車 ケッテンクラートII

それはある日の放課後のこと·····


 私は勉強道具をまとめてリュックに入れ、杖をロッカーから取り出して帰える準備をしていたら、担任で最近やっと彼氏が出来たと自称していて彼氏について詳しく聞いてたらビンタしてきやがったビオラ先生に呼び止められた。


「ソフィちゃん、校長先生が呼んでいたから後で校長室に行きなさい·····今度は何をやらかしたの?」


「んっふっふー、今回は怒られるワケじゃないですよ!あるものが届いたんで受け取りにいくんです!」


 ふふふ·····


 やっと来たか·····


 前々から校長先生経由でお願いしてたアレが届いたはずだ。



「んふふ····· えへへ·····」



「あれ絶対なんかやらかすよね」

「うんうん、あの笑い方は絶対なんか裏があるよ」

「どうせ碌でもない事よ」

「面白い事だといいなぁ·····」

「何を考えているのやら·····」


 失敬な!私を変人扱いしないでよ!ぷんぷんっ!


 なかよし組の面々になんか酷いことを言われたが、それよりも用事の方が大事だ。


「じゃあちょっと校長先生のとこ行ってくるから、みんなは『馬車置き場』で待っててー」


 みんなに待ち合わせ場所を伝え、私は小走りで校長室へと向かった。



「校長先生はいりますよー」


『どうぞー』


 良い意味でも悪い意味でも校長室の常連になった私は、気軽に校長室のドアを開けて中に入った。


「先生!例のアレ届いたって本当ですか!?」


「はぁ····· 届いてるわよ、まったく、国王を脅すなんて前代未聞よ?」


「私の価値がサファイアとルビーが2つだけって安すぎますよ!ぷんぷん!·····でも脅してないですよ?『今後ともご贔屓に』って伝えて、『星核合金』を2つ献上しただけですけど?」


「それが問題なのよ····· 今王宮付属の研究者たちが大騒ぎしてるわよ?未知の超合金が見つかった!って」


「良かったじゃないですか仕事が増えて」


「増えすぎなのよ····· はぁ、もういいわ、はい『魔動車免許』と『魔動車登録証』よ、どうせピックアップトラックとかバギーとかオフロードバイクでも作ったんでしょ?まさか戦車を作ったとか言うんじゃないでしょうね?」


「んっふっふー、どれも微妙にハズレですよ〜もう準備は出来てるので、厩舎に行きます!」


「どれも微妙にって所が不安すぎるわ····· 私もついて行くわ、なんかあったらさすがに免許取り消しにするから見守らせて貰うわよ?」


「はーい」



 というわけで、私は校長先生を引き連れて厩舎近くの馬車置き場へと向かった。





 この学校の馬車置き場は正門から入って左側の奥の方にある。

 私は既にこの中の比較的小型の車庫みたいになった所を借りている。


 そしてその車庫の前に到着すると、すでに『なかよし組』のメンバーが揃って待っていた。



「みんなー!おまたせー!」


「あっ!ソフィちゃん来たよ!」

「今度は何やるの?怒られるような事しないでよ?」

「不安ね····· 私たちまで巻き込むのはやめてよ?」

「わくわく·····」

「何やら男心をくすぐられそうな予感なのじゃ」


「んっふっふー、きっとフィーロ君とエビちゃんは好きだと思うよ!」


「「マジで!?」」


「じゃあちょっと出してくる!みんな出入口の前に居ないでね!轢いちゃうからっ!」


 私は布が掛かって見えないようになっている車庫の中に入っていった。



 さて、私が開発・設計・製造を開始してから苦節6年、ようやくコイツが完成したっ!!


「『ガレージオープン』!悪路も戦地も終末世界をも駆け抜けた伝説のバイクよ!次は異世界だよっ!」


 亜空間車庫『ガレージ』の中には、おおよそバイクとは思えないへんちくりんな形をした1台の車両が鎮座していた。


 全長:3000mm / 幅:1000mm / 高さ:1200mm

 重量:約1,700kg(重力制御時)

 動力:魔導力式エンジンシステム

 速度:最高時速140km

 駆動輪:無限軌道(キャタピラ)


 そして超信地旋回を獲得し、現世での欠点を全て魔法で解決し、組み込まれた数々の魔法により魔改造され新生したこの車両の名は·····


「いくよ『ケッテンクラートII』!起動っ!!」


 私は車両前方部にある操縦席に乗り込み、バイクのようなハンドルを握って私の魔力を車両全体へと供給し、ケッテンクラートを起動した。


 ガルルンッ!ガルルルルルルルルッ!!


 ギュポーン!


 ガソリンエンジンでは無いが、それにそっくりな音を鳴り響かせてケッテンクラートの魔導力式エンジン

が始動し、モノアイのようなライトが点灯した。



「各種計器展開」


 ヴォンッ


 ここからは私の『ケッテンクラートII』、正式名称『Kettenkrad II Die Zauberflöte』独自の機能だ。


 私の『ステータスウィンドウ』のシステムを弄って作った、ホログラムディスプレイで地図&ナビ機能とか、速度などの計器類を展開!


 そして·····


「各種障壁展開」


 ヴォンッ!


 操縦席に乗る私や、後部の乗員や荷物を守るように透明な結界が展開された。


 ケッテンクラートはその構造上、操縦者や搭乗者がむき出しになってしまい風雨に晒されてしまう。

 この世界ではどこから弓矢や魔法が飛んでくるかわからないので、こうして結界を張って防御できるように魔改造してある。


 ちなみに今日は普通に風を感じたいので、風避けの結界は無しにしている。


「はぁ、緊張するなぁ·····」


 実はコレ、半年くらい前に既に完成はしていたのだが、今までは『ディメンションルーム』内の実験場でしか走行してなかった。

 だって運転が難しくて何度も事故ってたんだもん·····

 

 だから、こうしてみんなにお披露目して、許可を得て、現実世界を走るのは初めてなのだ。


 よしっ!準備OK!


 私はバイクのようなハンドルを捻って魔力を流し込んで、エンジン出力を上昇させる。


 ガルォン!ガルォン!!


「うん、エンジンのいい音、昔を思い出すなぁ·····」


 私は前世では普通のだけど大型バイクにも乗ってたので、この感覚が懐かしい。


「さぁ、いくよケッテンクラート!!」


 魔力供給120%!


 ドゥルルン!ドゥルルルルルルルッッン!!!


 カタカタカタ·····


 ギュルァアァァァァァァアアアアッ!!!


 私は床が傷付くのも厭わずキャタピラを唸らせ、いきなり全速前進で『ガレージ』の外へと走行し·····


 バッサァァアアッ!!



「どけどけー!!魔改造ケッテンクラート様のお通りだー!!」



『『うわぁぁぁあああっ!?』』


「ひゃっはーー!!」


 私のケッテンクラートは入口の布をぶっ飛ばし、そのままの勢いで現実世界へと飛び出て異世界の太陽の下にそのカーキ色、黄色と茶色の中間の色の車体を晒した。


 ギャリギャリィィィイイイッ!!


「よいしょー!!」


 そして私は魔法で無理やり車体を横向きにして、スライドブレーキで停止した。


「ふふん!これが私の愛車『ケッテンクラートII』だよっ!凄いでショパンッ!?」


「ソフィちゃん、地面が抉れてるのちゃんと直しなさい!というか地面を抉らないの!」


「はーい·····」


 ちぇっ·····

 出鼻をくじかれた·····



「·····で、ソフィちゃんこれは何?戦車?バイク?それとも貴方が開発したのかしら?」


「いや、これはケッテンクラートっていう実在した『半装軌車』をモデルに魔導的に改造した『半魔装軌車』っていう車両ですよ!名前は『Kettenkrad II Die Zauberflöte』です!」


「·····なんて?」


「『Kettenkrad II Die Zauberflöte』」


「「かっ····· カッコイイ!!」」


 ふっ·····

 やっぱりフィーロ君とエビちゃんは食いついたな。


 私はケッテンクラートを動かして2人の前にやってきて·····


「乗るかい?2人までなら座って乗れるよ」


「「乗るー!!」」


「せんせー!校庭なら走っていいですよね!走った跡は魔法で直すので!」


「·····まぁ良いわ、私も走ってる所を見てみたいわ」


「じゃあしゅっぱーつ!!」


 ギュルルルルルルッ!!


「「わーー!!」」


 私は2人を乗せたまま、校庭へとケッテンクラートを走らせた。


「えっ、早っ!それそんなに早いの!?」


『『まってー!!』』


「「「ひゃっはー!!」」」



 私のケッテンクラートの最高時速は140kmだが、街中での走行では最高でも時速15kmにしている。

 理由は馬車の移動速度と同等にしているからだ。


 この街の道は車道と歩道が別れてないから、早く走ると絶対交通事故を起こすと思う。


 ちなみに、さっきまでは時速30kmで走ってた。


「凄いのじゃ!特にこのドゥルル!っていう音がたまらんのじゃっ!」


「これってどういう仕組みなの!?カッコイイ!」


「んっふっふー!これは『星核合金』と魔導希少金属3種とかを組み合わせて作った最高傑作だよっ!仕組みはね〜」


「ふんふん·····」


 校庭に到着した私は、同乗者の2人にメカニックの説明とかをしていた。


 そしてみんなが遅れて校庭にやってきた。


「はぁ····· はぁ····· どうなってんのよソレ·····」


「はぁ、めちゃくちゃ早かった····· 走り疲れた·····」


「うんうん!馬車より早そうだった!」


「はひー····· はひー····· み、みな、はやすぎる、わよ·····!」


「·····グラ、あなた体力が足りないんじゃないの?」


「う゛っ····· う、運動は、してるわ、ます·····」


 何故か知らないけどグラちゃんがとばっちりを受けていた。

 まぁそんなこと知ったこっちゃない。


「じゃあ2人ともちょっと降りて?本気の走行テストするから」


 私は股の間にあるギアハンドルを2に移動し、通常走行モードに切り替えた。


 ちなみに1は街中走行モードだ。


 ドゥルゥァァァァアアアアアア!!!


「「うわっ!?」」


 うーん、やっぱり2速は音が違うねぇ·····


「ソフィ、いっきまーすっ!」


 ギャリギャリギャリギャリ!!


 実は魔力操作で動かしてるから、捻る必要も動かす必要も無いお飾りのハンドルを私は動かして、無限軌道を唸らせて前進し始めた。


「うっひょー!!はっやーい!!」


 2速の最高時速は70km、普通のケッテンクラートと同等の最高速度だ。


 この世界の馬車は平均時速10kmほど、早馬なら時速50kmほどだから、この時点で私のケッテンクラートは世界最速を誇るっ!


「っし!時速68.3km!カーブ!!」


 私はほぼ最高速度が出たのを確認し、ハンドルを切ってカーブを行う。


 ギュリリリリリッ!!!


「うぐぐぐっ!!」


 さすがに急カーブしすぎて、Gがやばいっ!


 だけどさすが無限軌道っ!片方のキャタピラを減速して曲がりきったぁ!!


「さぁ、いくよ!3速!!」


 ガコンッ!!


 キュィィイイイイインッ!!


 3速は速度リミッター無し!

 エンジンを限界までブン回して無限軌道を唸らせて出るその速度は時速140kmっ!!


 この街からフシ町までたった30分くらいで移動できる、とんでもない爆速だっ!!


「はっや!!やっぱ速いっ!!サイコー!!あははははははっ!!」



 少し日が傾いた青空の下では、私の笑い声とケッテンクラートIIの駆動音が学校中に響き渡っていた。





 ドタドタドタドタ·····


 バァンッ!!


「おいっ!部長!!校庭!校庭に来いっ!!『校庭にやべえの居るらしい』って俺の友達の知り合いの友達が誰かが話してたのを盗み聞きしたのをオレの友達と友達が話してたのを俺が盗み聞きした!!」


「なんだァ?うるせえな·····」


 オレが部室のベンチで寝ていると、副部長が部室のドアを勢いよく開けてきやがった。


「魔動車だ!魔動車がウチの校庭(ナワバリ)で勝手に走ってやがる!!·····って聞いたぞ」


「なんだと!?ウチの部のヤツか!?」


「『説教部屋の住人』だって!たぶん私物だ!」


「マジかよ!負けてらんねぇ!ウチの魔動車も出すぞ!」


 オレは『魔動車部』で作っている魔動車に魔石を入れ、オレの魔力も流して魔動車に燃料の魔力を供給し始めた。


 ·····ぃぃいいいん


「よし!動かせるぞ!お前は後ろを押せ!」


「あいよっ!」


 副部長に後ろから押して貰い、車体が動き始めて車輪が回転し始めたところで魔動機関を作動させて車輪を魔法の力で回転させると、車体が加速し始めた。

 

「ふっ·····何者かは知らねぇが、魔動車大会最速のオレたち魔動車部とコイツが黙ってる思うなよ!」


 副部長が部室のシャッターを開き、大会最速記録で4度も優勝している『マグウェル魔法学校 魔動車部』のエースでオレの愛車『ワイルドキャッツ』が太陽の下に出てきてギラッと輝いた。


「っし!テメェら行くぞっ!」

「「応っ!!」」


 例え相手が『説教部屋の住人』だろうが、オレの『ワイルドキャッツ』は負けねぇぜ!!



名前:ソフィ・シュテイン

年齢:12歳

ひと言コメント

「ちなみに『Die Zauberflöte』は『魔笛』って意味だよ!最高速にすると魔力駆動の音が大きくなってきて笛みたいな音が鳴り始めるからこう名付けたんだっ☆ あとケッテンクラートの形にしたのは、この世界って道の整備が進んでなくて、タイヤを使う車だと通れないような所が多かったから、無限軌道があって小回りも効くし魔改造しやすそうなケッテンクラートを選んだんだよっ☆ 元々この形が好きだったのもあるけどねっ☆」


名前:アルム

年齢:12歳

ひと言コメント

「ソフィちゃんとフィーロ君とエビちゃんが荒ぶってる····· 何がいいのアレ」


名前:フィーロ

年齢:12歳

ひと言コメント

「速い!轟音!メカ!漢が興奮しない訳がないっ!!サイコー!!」


名前:グラちゃん

年齢:11歳

ひと言コメント

「はぁ、走り疲れたわ····· 性能とかどうでもいいから帰りに乗せてくれないかしら」


名前:ウナちゃん(※ウェアちゃんお休み中)

年齢:12歳

ひと言コメント

「うーん·····わたしはうるさくて苦手かも」


名前:エビちゃん

年齢:12歳

ひと言コメント

「エネルギッシュでストレングスな強いフォースの力こそパワーなのじゃ!!パワーは高ければ高いほど良いのじゃっ!!」


名前:???

年齢:16歳

ひと言コメント

「ん?何だこのコーナー·····えっオレに取材!?決めゼリフでもいいか?『オレのワイルドキャッツは止まらねぇ!』·····え?時速80km以下になったら爆発するのかって?する訳ねぇだろ!というかなんで爆発しなきゃいけねぇんだよ!!」


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