祝☆私の誕生日っ!
【9月9日 11:23】
「ふんふふ〜んっ♪」
私は『天使の服』を着て、久しぶりに街の中を上機嫌でスキップしながら移動していた。
なぜこんなにテンションが高いのかって?
だって、みんなが今朝『今日は遊べる』って言ってくれたからだよっ☆
「みんなと遊ぶなんて久しぶりだなぁ·····はぁ、何食べよっかなぁ」
なんて考えながら、私はみんなと待ち合わせをしている場所へと向かっていた。
ちなみに、待ち合わせ場所は特に広場とかそういう場所じゃなくて、通りの中途半端な場所だ。
一瞬なんでだろうと思ったけど、たぶんアルムちゃんオススメの店でも近くにあるのだろう。
◇
【9月9日11:28】
「ええと、地図だとここら辺だけど·····」
寮から歩いて約10分、私はみんなとの待ち合わせの場所に到着した。
·····が、まだ誰も来ていない。
「よし!めずらしく私が一番のりだっ!」
待ち合わせ時間は11:30なので、2分ほど早く到着した感じかな?
にしてもみんなが遅刻とは珍しい。
まぁ、最近忙しかったみたいだから仕方ないよね。
うんうん、寛大な私が許してあげようじゃないか。
「はぁ、今日は何····· あれ?えっ、なんで私縛られ·····きゃっ!?何っ!?」
私はズレてたワンピースの肩紐を戻そうと思って、手をあげようとしたら動かなかった。
それどころか、足も手も縄でぐるぐる巻きにされて身動きが取れなくなっていた。
そして気付いたと同時に視界が真っ暗になり、私は袋を被らされた事に気がついた。
誘拐だ。
「きゃぁぁああーー!!助けてーー!誘拐だー!」
だが、私の叫びも虚しく3人組の小柄な誘拐犯に私は担ぎ上げられたが、最後の抵抗とばかりにモゾモゾと暴れた。
すると、私の体は上半身を持ち上げていた犯人の手からすっぽ抜け·····
ザクッ!!
グサッ!!
「いっだぁぁあいっ!!?」
「のじゃあだっ!?」
誘拐犯の頭上に落っこちた私の背中の2ヶ所に何かがぶっ刺さった。
くそ〜·····多分ツノが刺さったな·····
犯人は魔族·····
「ん?ツノ?魔族?小柄?」
「コチョコチョ·····」
「あひゃひひはははははっ!ひゃめっ!足の裏くすぐるのらめっ!!あひゃひゃひゃひゃひゃっ!」
くすぐったいいいぃぃいいい!!
くっ!?縛られてるから動けないっ!あーー!足を掻かせてー!!かゆいー!!くすぐったいー!!
だが悶絶する私の事はお構い無しに犯人たちは私をどこかに連れ去ってしまった。
◇
「ココニスワレ!」
「むぐっ!?」
そのままどこかの部屋に連れ去られた私は、縛られたままソファに座らせられた。
くっそー·····
身体の自由を奪って拷問するなんて卑怯だぞ·····
犯人は女っぽいけど、たぶん声を変えてるから誰か分からない·····
「何をする気なの!酷い目に合わせるつもりでしょう!【自主規制】同人みたいに!」
『ボソボソ·····』
「くっ!殺せ!」
ばさっ!
「ぷはっ!?何をするっ!·····へ?」
私の頭に被らされていた袋が何者かによって剥がされ、景色が見えるようになると·····
『『ソフィちゃん!お誕生日おめでとう!!』』
子供が手作りした感満載だけど、煌びやかに飾り付けられたパーティー会場と、大量に積まれた私の大好物の揚げドーナツ、そして·····
「みんな·····?」
今日待ち合わせして遊びに行くはずだった、『なかよし組』のみんなが集まっていた。
◇
·····まぁ、ぶっちゃけ言うと分かってたんだけどね?
縛られてたのはウナ&ウェアちゃんのせいだったのか全然気が付かなかったけど、運び始めたあたりで普通に気が付いてた。
というか、力のあるエビちゃんが私の上半身を持ち上げる計画だったんだろうけど、私が抵抗したせいで手を滑らせちゃって、私はツノの上に落っこちたんだろう。
·····めっちゃ痛かった。
後で角の先削って丸くしてやる。
·····というか、そもそも袋の目が荒すぎて普通にエビちゃん達の顔が見えてたし、座らされた段階でもう全部見えていたと思う。
だから見えないよう目を瞑ってた私を褒めて欲しいくらいだ。
まぁ、その事はもちろん黙っておくけどねっ☆
「これ、みんなが用意してくれたの·····?」
「うん!ソフィちゃんと遊べなかったのは、これの準備のためだったんだ、ごめんね?」
「さすがに僕たちは料理とかできなかったから全部買ってきた物だけど、その代わりにソフィちゃんが好きそうな物を沢山かってきたよ!」
「ええ、あとこの飾り付けも私たちがやったのよ?」
「うん!わたしも飾り付けがんばったんだよ!」
「あとね!買い出しはソフィちゃんにバレないようにわたしたちが行ったんだ!」
「ワシは主に力仕事なのじゃ、あとみんなからプレゼントもあるから楽しみにしてるのじゃ!」
「ぐずっ····· ごめんね、みんな、わたしひどいこといっちゃって····· みんなありがとっ!!」
何かコソコソとやってると思ってたけど、私の誕生日の準備をしてくれてたなんて·····
私は本当にいい友達を·····
「みんなっ!ありがっ·····やばっ!?ぐえっ!!?」
\ドゴスッ!!!!/
『『あっ!!』』
私はみんなにハグしに行こうと立ち上がったが、縛られたことを忘れてて足をもつれさせてすっ転んだ。
そして頭をテーブルの角にぶつけて·····
「ばたんきゅー·····」
『『ソフィちゃぁぁあああん!!?』』
気絶した。
◇
◇
◇
◇
◇
·····
「はっ!!」
知らない天井だ·····
「大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だよ、ありがとフィーロ君」
うぅ、おでこをぶつけた所がめっちゃ痛い·····
そういえば前にもこんなことあった気がする·····
「もうソフィちゃん!主役が気絶しちゃったらパーティーが進まないでしょ!」
「ソフィ、目眩とか立ちくらみとかは無いかしら?あったらパーティーを中断して診療所に連れていってあげるわよ」
「凄く痛そう·····」
「おでこに赤い横線があるの面白い!」
「ぶあはははっ!ほんとなのじゃ!額に赤い線が出来ておるではないか!·····お主大丈夫か?」
「あー、特に立ちくらみとかは無いよ、額はめっちゃ痛いけど·····」
「良かった、ソフィちゃんが無事で·····僕めっちゃ心配したんだよ?」
「ありがとっ!よいしょっと」
私は膝枕しながら心配してくれたフィーロ君にお礼を言って、勢いよく立ち上がった。
「じゃあ私の誕生日パーティーを再開しよー!」
『『おーー!』』
「まって····· 足が痺れた·····」
全員ズッコケた。
◇
私が気絶から目覚めた事でパーティーは再開され、私はみんなが買ってきてくれた料理に舌鼓をうって喜んでいた。
「おいしーーい!!なにこれ!?めっちゃくちゃ美味しいじゃん!」
「ふふふ····· それは『伝説の冒険者Sセット』よ、これは夜限定の不定期メニューだから普通は手に入らない希少なセットよ!お姉様の力を借りて特別に作ってもらった逸品よ!」
「まじ!?グラちゃんありがとう!」
伝説の冒険者Sセットは、私たちがプチ贅沢で食べる冒険者Aセットとは格が全く違った。
内容は、なんと付け合せさえ無いステーキ1つだ。
だが、その肉はランクがもう桁違いに高い。
普通のナイフなのに、触れるだけで切れてしまうほど柔らかく、切った面から肉汁がじゅわっと溢れ出てくる。
「い、いただきます····· はむっ!っ!?」
私は今本当に肉を食べたのか?
口の中に入れた瞬間、肉が消えた。
そう錯覚してしまうほど肉は柔らかく、とてもジューシーで、噛んだ瞬間甘い油と肉の旨味が口全体をドラゴンのブレスが如き勢いで蹂躙してきた。
「ごはん!!はふはふっ!!」
もうたまらないとばかりに私はインベントリにストックしてある炊きたて白米を取り出して、ジュワジュワといい音を立てて焼ける厚切りステーキを1切れ乗っけて一緒に口の中に掻き込む。
「うおォん、私がまるで人間火力発電所みたいになったみたいだっ!」
非常に柔らかいお肉はまたしても口に入れた途端ほぐれ、肉汁と旨味に変化して私の口を蹂躙しようとした·····が!今回は口の中に白米が居るから肉汁は逃さない!そして白米が肉汁をしっかり受け止め·····
「あぁ····· 美味しい·····」
【人間って、本当においしいものをたべたら 美味ししか出てこないんだよ】
著 ソフィ
「これ本当に美味しい····· 何の肉なの?」
「ドラゴンよ?」
「ちょっとドラゴン絶滅させてくる」
「待ちなさいっ!さすがにドラゴンはダメよ!」
「へえぃ·····」
ちっ·····
こんなに美味しいならドラゴンを絶滅させるまで狩って食い尽してやろうと思ったのに、グラちゃんに止められてしまった。
というかドラゴン程度私なら楽勝だから心配の必要ないんだけどなぁ·····
「まぁいいや!こんなに美味しいの私が独り占めするのは勿体ないから、みんなも食べていいよ!」
『『わーーいっ!!』』
みんなも食べたかったのか、私が食べていいよと言った瞬間食い付いてきた。
そしてみんなもこの美味しさで蕩けたような表情になってしまった。
◇
あっという間にドラゴン肉を平らげた私たちは、今度はお菓子に手を出して、いつも通りお喋りしながらワイワイと騒いでいた。
「にしても、今年の夏休みは色々あったから大変だったけど、楽しかったよねー」
「だね、ソフィちゃんとエビちゃんが大喧嘩して2人とも行方不明になった時はどうしようかと思ったよ」
「わかるわ、でも2人とも点呼の時間には一旦帰ってきてたのは物凄く面白かったわね」
「「その話はやめて·····」」
「あっそうだ、あのときソフィちゃんとエビちゃんってどこ行ってたの?」
「私は月に行ってた」
「ワシは魔王城····· あっ、ま、魔王城ではなくて、ええと、ワシの実家なのじゃ!魔王城とはなんも関係はなくてワシは魔王じゃなくてなのじゃ」
とうとうエビちゃんが、自分が魔王ということを自白というか自爆してしまった。
「そのっ!ワシは3000年前の魔王とは別人で·····違う!今も魔王じゃなくてなのじゃ、ええと」
「·····ぷっ」
『『あははははっ!』』
「な、なんじゃ?ワシは魔王なのじゃ·····なくて、普通の魔族なのじゃ?」
「ひーっ、お腹痛いっ、もうとっくの昔にみんなにエビちゃんが魔王って教えてるよ、というかエビちゃんが私の部屋に突っ込んできて荒らしたその日にみんなに教えてるよっ!うははははっ!変な顔っ!あーおっかしw」
「·····みんな知っておったのか?」
『『知ってた』』
「·····ソフィ?お主·····」
「·····てへぺろっ☆」
「うがぁぁああ!!ワシの黒歴史を易々とバラしおってー!!今日こそは許さんのじゃ!!【自主規制】にしてやるのじゃぁぁあああっ!!」
「キャー!こわーいっ!」
「まてー!!」
◇
〜5分後〜
「あへっ♡あへっ♡」
「ふんっ!エビちゃんが私に勝とうなんて100年早いわっ!」
勝者は私だった。
エビちゃんなんぞ逃げ回ってると見せ掛けて敏感な角を掴んで魔力を流してやればちょちょいのちょいよ。
「ねぇアルムちゃん、そろそろ目を開けてもいい?」
「あー·····もうちょっと待って!ウナちゃんウェアちゃん!エビちゃんの足持って!とりあえずそこのソファの裏に隠すよ!」
「「はーい!」」
「あひぃんっ♡ツノをっ♡ツノをもつなぁ·····っ♡」
乙女として有るまじき姿を晒しているエビちゃんは、アルムちゃんとウナ&ウェアちゃんの手でソファの裏に隠されてしまった。
というか、6歳の頃からお仕置でエビちゃんのツノとかを結構触ったりしてるから慣れたと思ったんだけど、やっぱりダメかぁ·····
「フィーロ君いいよー」
「はーい、じゃあソフィちゃんとエビちゃんのじゃれ合いは終わったし、そろそろプレゼントの時間にしよっか」
「そうね····· もう5時30分だから急がないと延長料金をとられるわ」
「6時だっけ?じゃあ早く渡そっ!」
「エビちゃんは放置でもいいかな?」
\ひどいのじゃぁ·····/
「プレゼント!?たのしみっ!!」
という訳で、待ちに待ったプレゼントの時間だっ!
◇
最初にプレゼントを渡しに来たのはアルムちゃんだった。
「誕生日おめでとうっ!ソフィちゃんはよく髪のケアしてるから、ちょっといいブラシとか髪のケア用品にしてみたよっ!」
「わっ!これなかなか手に入らない人気のやつじゃん!めっちゃ嬉しい!ありがとうアルムちゃん!大好きーっ!!」
実は、私がよく使っていたヘアブラシは実家から持ってきた物をずっと使っていて、そろそろくたびれて使いにくくなってたからものすごく嬉しいプレゼントだった。
んっふっふー、これでソフィちゃんがもっと可愛くなっちゃうぞー☆
アルムちゃんの次に来たのはフィーロ君だった。
「ソフィちゃん誕生日おめでとう!僕のプレゼントは、その、ソフィちゃんに似合いそうなマフラーにしてみたんだけど、どうかな?」
「やった!そろそろ寒くなるし新しいマフラーも欲しかったからんだ!それに、すっごく可愛いよっ!ありがとうフィーロ君っ!」
「気に入ってくれたみたいで良かった·····うわっ!?」
「·····手作りしてくれて嬉しいよ、ありがと」
「っ!っっ!ど、どういた、まして·····っっ!」
フィーロ君のプレゼントは、茶色とクリーム色の毛糸のマフラー、それも手編みのマフラーだ。
·····実は前に1度だけフィーロ君が秘密基地で寝落ちしちゃってるのを見た事があって、そのとき机の上に作り掛けのこのマフラーがあるのを見ちゃったのだ。
フィーロ君が自分で使う用だと言い聞かせてたけど、やっぱり私へのプレゼントだったか·····
そして抱きついてお礼を耳元で言ったら真っ赤になって放心状態になっちゃった☆
マフラーを自作したのがバレたくらいでセリフ噛むくらい恥ずかしがらなくてもいいのに·····
そんなフィーロ君はほっといて、次にプレゼントを渡しにきたのはグラちゃんだった。
「誕生日おめでとうソフィ、私からのプレゼントは豪華····· にしたかったのだけれど、その、ドラゴンの肉で予算がつきちゃったの····· だからあまり期待しないで欲しいわ·····」
「ううん!お金なんて関係ないよ!大事なのは気持ちだから····· え、いやこれ金じゃん·····!」
「本当はオリハルコンの予定だったのよ·····」
わぁお、さすが貴族の令嬢というだけあるわ·····
マジの金でできた星型のネックレスだし、なんならチェーンまで金じゃん·····
「あとは星の真ん中にソフィの目の色をした宝石を付ける予定だっのよ····· それも買えなかったわ·····」
「大丈夫!私に任せて!·····貰って早速だけど、ちょっとだけ改造しちゃうよ?」
「もちろん良いわ、それはもうソフィの物だから」
よし、言質は取った。
「『魔結晶生成』『ファセット』『フォーミング』『プロテクト』!」
このネックレスの形を崩さないよう変形は最低限にして、私は能力で私の魔力の結晶である魔結晶をファセット、宝石へと加工する魔法でブリリアントカットに加工、もちろん前世の知識を駆使して最も輝く角度でファセットしてるからとても良く輝く、そして完成したルースを星型のネックレスの中央に固定して、柔らかい金が変形したり傷つかないよう魔法で保護して完成!
「グラちゃんの作りたかったのはこれで合ってる?」
「あってるわ····· ごめんなさいねソフィに仕上げをやらせてしまって·····」
「いやいや!貰えるだけで本当に嬉しいよっ!それよりさ!似合ってる?」
「ふふ、ソフィは優しいわね、とても似合ってるわ」
「んふー、そりゃそうだよねっ!私だもの!!」
という訳で、グラちゃんから貰ったネックレスを早速身に付けて、いつのまにか近くに来ていたウナちゃんの方に向いた。
「ソフィちゃん!お誕生日おめでとうっ!あのね、ソフィちゃん宝石が好きって聞いたから、このまえ帰ったときにおじいちゃんとおばあちゃんから宝石もらってきたの!だからこれあげる!」
「おー!ありが·····トゥオッ!?」
ウナちゃんが渡してきた小袋に入っていたのは、なんかもうとんでもなく綺麗な色のブルーサファイアだった。
この色なら私も持っているけど、これは、正真正銘天然物で、ノーヒートで、肉眼ではクラックやインクルージョンや濁りも一切ない·····うわ、しかも10倍ルーペでも全く無い!?しかもキャラアップ!?
「う、ウナちゃん、これもらって、いいの?たぶん、こ、これ、家が建つくらいは、すっ、するハズなんだけど?」
私の足はもうプルップルしてる。
この色のサファイアは矢車菊の色に似ていることから『コーンフラワーブルーサファイア』と呼ばれ、前世では1粒で普通に車が買えるレベルの価格がする、幻の宝石のひとつだ。
特に、これのすごいところは、『魔導コランダム』ではない事、つまりミスリルの結晶とかじゃない、本物のコランダムなのだ。
私の持ってるのは、フシ町の地下深くの鉱脈から採った魔導サファイアで、色は私の魔力で着色したまがい物なのだ。
「ああぁ、ヤバい手まだ、まめ。、まれら、あやばい、ちょちょだとっとたんま」
「うわっ!ソフィちゃん大丈夫!?僕がもと
「ささわらないでっ、これはわたたわしががが·····」
私はプルプル震えながら、机の上に慎重にサファイアを置いた。
「っはぁぁぁぁああぁぁぁ·····怖かった·····」
「·····嫌だった?」
「いや、めっちゃくちゃ嬉しい····· 嬉しいんだけど、これ国宝だと思うんだけど?」
「うん!おじいちゃんこくおうさまだから!」
「·····国王?つつつつつつまり、こっ、これ、サークレット王からの、ひっ、ひいては、サークレット王国からの、プレ·····ゼント·····?」
「そうだよ?だからわたしはおひめさまだよ?」
『『えええええええええーーー!?!?!?』』
「それは知ってるの!こんなのを簡単にくれるおじいちゃん····· 国王様の考えが分からない····· 親バカなの?親バカなの?孫に飴をあげるおじいちゃん感覚なの?なんなの?」
「えっとね、おじいちゃんにソフィちゃんが宝石が好きって話したらくれたの!あとおじいちゃんがね!『ソフィちゃんには『ずっとこの国にいていいからね』って伝えて』って言ってたよ!」
「あ゛あ゛ーーーー····· わかったわ、じゃあ有難く頂戴させていただきますわ·····」
絶っっ対に校長先生経由で国王に私の能力の情報が漏れてるわ、これ滅茶苦茶な力を持ってる私をこの国から出れないようにするための脅しというか契約的なのだわ·····
·····うん、本人の口から明言されてハッキリしたけど、お母さんが元お付のメイドさんって事は黙っておこう。
絶対ややこしい事情があるわ、まだまだ子供な歳だけど言い触らしたら消される自信しかない。
·····うん、でも分かったわ、私の価値はこの程度ね。
石ころ1つ程度で飼い慣らされると思ってたら大間違いだ。
·····それはそうと、いい物はいい物なので私は普通に頂くけどね、うん、飼い慣らされる訳じゃないけど、欲しいから仕方ない。
インベントリから手袋と貴重なルースを入れる用の金属製のケースを取り出し、サファイアを慎重に摘んでケースにそっと入れて蓋を閉め、魔法でしっかり保護した。
「ウナちゃんありがとう、すっごく嬉しかったよ!それでね、凄いのくれたおじいちゃんに私からお礼がしたいんだ、次帰ったら、この袋をおじいちゃんにプレゼントして欲しいんだ」
私はかなり良い材質の袋に『星核合金』の1cm角のキューブを入れ、ウナちゃんに手渡した。
そして·····
「あとね、おじいちゃんにこう伝えてほしいの『サファイアは有難く頂戴致しました、お礼にこちらを献上致します、今後ともよろしくお願いします』やって感じね」
「うん!覚えたっ!」
私をたった1粒の宝石でこの国の戦力にしようなんて、全く最高じゃないか!
·····じゃなくて、酷い王様だよぷんぷん!
だからほんのり嫌がらせで、サファイアよりも価値がある『星核合金』を入れといてやったわ。
「まぁ何はともあれ、ウナちゃんありがとうね!私のためにおじいちゃんにお願いしてプレゼントを貰ってくれるなんて嬉しいよ!」
「うん!あと」
「わたしからもプレゼント!赤色だよー!」
「·····ウナちゃん、その袋にもう1粒これ入れといて」
今度はウェアちゃんがルビーを、たぶん『ピジョンブラッド』と呼ばれるルビーを渡してきた。
なので私はまた全身をプルコギさせながら慎重にルビーをルースケースに収めた。
そして最後は·····
「エビちゃーん、そろそろ回復した?」
「うむ····· ソフィはひどいのじゃ·····」
「ん〜?なんだって〜?」ワキワキ
「ひっ!?そ、その手をやめるのじゃ、次倒れたらもうプレゼントが渡せぬのじゃ·····」
ソファの裏で力尽きていたエビちゃんは何とか復活していて、私にプレゼントを渡してきた。
「ほれ、このまえ魔王城に行って持ってきた5000年物のワインじゃ、ワシが魔王城の地下にこっそり作ってたワイン蔵に保存してたモノなのじゃ」
エビちゃんが渡してきたのは、古びた瓶·····
「へっ?ごせんねん?」
「うむ!実はこれワシの前世の生まれ年のワインなのじゃ、確かワシが死んだときが1346歳の若造で、ワシが死んでから3678年は経っておるはず、計算すると約5024年なのじゃ、もちろん魔法で保護しておったから飲める事は保証するのじゃ」
「マジか!!在庫は?」
「ふっ、5000年もののワインでプールが出来るのじゃ」
「っしゃあ!!あー早く成人したい」
まだ私は未成年だから飲めないからなぁ·····
「未成年だから飲めないと言うと思ってもうひとつ用意しておるのじゃ!ふふふ、この前魔王城を整備してきたから、後で探索に行くのじゃ!」
「やったー!!ラスボスダンジョンの探索だー!」
エビちゃんの2つ目のプレゼントはなんと魔王城の探索権だった。
なんでも、元々ヤバい魔物が跋扈していたけどこの前行った時皆殺しにしたからもう大丈夫とのこと。
うわぁ·····
めちゃくちゃたのしみなんだけど·····
よし、みんなからプレゼントを貰ったし、私からみんなにお礼をいわなきゃ。
「みんな、プレゼントありがとう!私、すっごく嬉しいっ!!みんな大好きだよっ!!」
◇
プレゼントを丁寧にインベントリに保管した私は、パーティーの片付けを手伝った。
·····ていうのも、ウナちゃんのプレゼントで時間を取りすぎて、私まで片付けを手伝わないとパーティー用の貸し部屋の延長料金を取られてしまうからだ。
で、急いで片付けを終わらせた結果、ギリギリ延長料金を取られずに済んだ。
「はぁ〜疲れた、でも楽しかった!みんなありがとね!それじゃ私たちの寮に帰ろっか!」
「うん!でもその前に····· みんなせーのでいくよ!」
およ?なんかやるのかな?
私はみんなの方に振り向くと、みんなが私を囲むようにして立っていた。
どきどき·····
『『せーのっ!』』
『『ソフィちゃん12歳の誕生日おめでとう!』』
「ありがとうみんな!これからもよろしくっ☆」
建国1224年9月9日
私は12歳になった
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:12歳
ひと言コメント
「ふっふーん♪ソフィちゃんは12歳になったよっ☆みんなもお祝いしてねっ!!」
「ちなみに、マッスルマッシュ・ノーススターさんは7歳のときの誕生日に食べたけどめっちゃくちゃ美味しかったよ!あとキノコ神拳が覚醒したよ!」
名前:アルム
年齢:12歳
ひと言コメント
「ドラゴンのお肉すごく美味しかったなぁ·····でもあれひとつで1ヶ月のおやつ代超えるんだよね·····」
「あっ、ソフィちゃん誕生日おめでとう!またスイーツ食べに行こっ!」
名前:フィーロ
年齢:12歳
ひと言コメント
「急に時間が飛んだけど、ソフィちゃんはソフィちゃんだよ····· ほんともういい加減に裸でうろつくのやめて····· 僕が耐えきれない·····」
「ソフィちゃん誕生日おめでとう、これからはちゃんと恥じらいを覚えてね·····」
名前:グラシアル・ド・ウィザール
年齢:11歳
ひと言コメント
「ドラゴンの肉、お姉様が持っててよかったわ····· 無かったら私のお小遣いじゃ無理だったわ·····」
「ソフィ、誕生日おめでとう、これからもいつも通りのソフィでいてね」
名前:ウナ・ウェア・ラ・サークレット
年齢:12歳
ひと言コメント
「ソフィちゃん、わたしたちのプレゼント喜んでくれてよかった!!」
「お誕生日おめでとう!ソフィちゃんっ!これからもわたしたちと一緒にあそんでねっ!」
名前:エヴィリン・アマイモン・ファゴサイトーシス
年齢:12歳
ひと言コメント
「まさかこのワインが残っておるとは思っておらんかったのじゃ、5000年もののワイン····· じゅるり」
「ソフィよ、誕生日おめでとうなのじゃ、成人したらこのワイン、一緒に呑もうなのじゃ!」
『TS賢者は今日も逝くっ!』
第2章《TS賢者は魔法学校へ行くっ!》
~完~
【次回予告】
物語は12歳になったソフィ達が更にハチャメチャ学校生活を送る第3章へと突入っ!!
笑いあり涙ありの学校生活は卒業へと向かってどんどん進んで逝くっ!
そして、ソフィはみんなと過ごす残り少ない学校生活を全力で謳歌して行く·····
第3章《TS賢者はアイを知るっ!?》
へ続く!!




