祝☆1歳の誕生日っ!
結局あのあと、戻ってきたお母さんたちに質問攻めにされたが、何とか乗り切る事に成功した。
私については『なんかそういうモノ』として受け入れられ、部屋に絵本を沢山置いてくれたりして学習の手伝いまでしてくれた。
そんなこんなで月日は流れ·····
◆
建国1214年9月9日
何を隠そう、今日は私の誕生日だ!!
「「ソフィ、誕生日おめでとう!!」」
「ありがとう!おとーさん、おかーさん!」
「·····ぼくは?」
やべっ、おにーちゃん忘れてた。
「もちろんおにーちゃんも!」
私が喋ったり歩けたりするのがバレて2ヶ月が経ち、私の家族は異常に成長する私に慣れてしまったようだ。
そして今日はそんな私の1歳の誕生日という事で、家族皆で誕生日パーティを行っている。
机の上には沢山の美味しそうな香りがする料理が並んでおり、両親は美味しそうな異世界のワインらしきお酒を手に持っている。
お母さんがいつに無くソワソワした様子なのは、まだ一応赤ちゃんの私がいつ母乳を必要とするか分からないので、大事をとってアルコール摂取を禁止されていたからだろう。
私が1歳になったのと、完全に乳離れして問題無いのが判明したから解禁されたようだ。
というか、異世界のワインの味がすっごく気になるんだけど飲ませてくれないかな?
前世では週末になると、よくオシャレな立ち飲みバーに行ってワインを呑んだり小洒落た料理を食べたりしていたのでめちゃくちゃ気になる。
もちろん私はこの体じゃ呑めないし、ジュウジュウと美味しそうな香りと音を立てて焼けている何かのステーキも食べられない。
·····今は効果を切った禁忌『オーバーグロウス』さんにもう一度ご登場願おうかな?
◆
「それじゃソフィの1歳の誕生日を記念して、乾杯!」
「「乾杯!」」「かんぱーい!」
家族皆で乾杯すると、私は一気にフルーツジュースを飲む。
むむっ、まろやかで口当たりの良く、程よく甘くて美味しいブドウジュースだ。
「「おいしー!」」
私とお母さんの声がピッタリ合った。
·····お母さんはワインだけど。
さてさて?
離乳食完了期になって出された料理は何かな·····
「いやー、本当に大変だったわね····· 成長が早い分ラクトより楽かと思ったけど、これはこれで手間がかかりすぎて試行錯誤が必要なのがホント·····」
おっ、なんか山梨の郷土料理の『みみ』みたいなのがある!!いただきまーす!!
·····コンソメ味の『みみ』だコレ!!
意外とウマっ!!
「まぁでも、ソフィが自分から指示を出してくれるからまだ楽じゃないか?」
「でも、普通の子なら今日は教会に『祝福』を受けて魔力を授けて貰いに行くのよ?」
さてさて、次はどれを食べよっかな〜
おっ?アレ魚のほぐし身っぽいぞ?
どれどれ·····?
うわ!?うっっっま!!
ふむふむ?鑑定によると『モスイート・フィッシュ』とな?
·····うん、たぶん鮎でしょ!!
「それなら27日のラクトの5歳の『祝福』のタイミングで連れてけば良いだろ?誕生日当日じゃなくても良いんだしな」
「でも、もう能力を持ってる場合ってどういう扱いになるのかしら·····?」
「レアケースだから分からんな····· ソフィ、どう思う?」
「むぐ?むぐむぐ····· わたしはおっけーだよー!」
やっべ、ご飯に夢中で聞いてなかったわ。
とりあえずテキトーに返事しとこ。
◇
いやー食った食った!
出された料理を全部食おうと思ったけど、この体じゃまだ全部食べるのは無理だった。
でもやっぱり、ご飯ってサイコー!!
·····ん?
さっきから両親からの視線が突き刺さっている気がする·····
テーブルの向かいにいるお母さん達の方を見ると、何やら2人ともかしこまって私を見ている。
うん、こういう時は絶対に私関係で面倒な事が起きた時か、私に要求がある時だ。
ちなみに既に両手で数え切れないくらいあの目で見られてる。
「さてソフィ、1つお願いがあるんだけど·····」
ほらやっぱりーー!!!
「やだ!」
「ダメだ今回は強制だ、1歳児を演じてくれるだけでいいんだ!!」
·····ん?私、一応1歳児だよ····· ね?
◆
詳しく話を聞いたところ、どうやら今夜は親戚が集まって私の誕生日を祝うパーティが行われるらしい。
そして、親戚には私が走り回ったり喋れるのを見られると凄く面倒な事になるので、絶対にやめて欲しいと言われた。
その後お母さんたちと協議した結果、以下の事が決まった。
・喋らない
・走らない
・歩き回らない
・勝手に魔法を使わない
・出された料理を食べ過ぎない
・明らかにおかしい行動を起こさない
逆にやって欲しい事としては
・たまーに1人で立って数歩だけフラフラと歩く
・親戚があやして来たら笑ってあげる
・親戚が話しかけて来たら軽く反応する
・喋る単語は数種類に限定して、たまに喋る
・お母さんがサインを出したら魔法(光球)を使う
・後は状況によって、私の判断でアドリブで行動する
◇
うわぁ·····
めんどくさ·····
避難訓練のやっちゃいけないアレかよ·····
「こらソフィ!『めんどくさ·····』みたいな顔しないの!後で聞きたいことあったら何でも教えるから!」
ん?今
「あっ、今のは失言だったわね····· いい?親戚たちの前でそんな悪巧みしてそうな顔をしない、OK?」
「はーい·····」
◇
そして時間はあっという間に過ぎ、日が暮れ始めた頃になると家に親戚らしき人がゾロゾロと20人ほど集まってきた。
·····まって?なんかやたら多くない?
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:1歳
ひと言コメント
「はぁ、パーティめんどくさ·····」




