2章4話 集まる仲間
今回2章4話を書きました
家に帰ると、ベッドに眠っている光君の姿が目に入った。起こさないように、そっと靴を脱ぐ。
するとアンシャが微笑んで言った。
「おかえり。光君は今、お昼寝してるよ」
「そうか……どうだった?」
「ご飯を食べてる時ね、蓮と同じこと言ってたの。『こんなに美味しいご飯、初めてです』って泣いてた」
そう聞いて、思わず光君のほうを見る。
初めて会った時の彼は、もう誰も助けてくれないと諦めきった顔をしていた。
けれど今は、幸せそうな笑みを浮かべ、よだれまで垂らして眠っている。
「……なんか、昔の僕に似てる気がしてさ」
「どういうこと?」
「この世界に来る前の僕も、毎日殴られてばかりだった。
光君がしてた、あの諦めた顔と同じだったよ。
でも僕はこの世界で人の温かさを知れた。……けど、もう一人の僕はそれが叶わなかった。だから敵になったんだ」
アンシャは静かにうなずいた。
「だから僕は、光君にはそんな思いをしてほしくない」
「……あなたらしいね」
その言葉に、少しだけ胸が軽くなる。
「そうだ、カイルさんから頼まれててさ。光君の魔力を探知できるか試してほしいって」
そう言って魔力探知を発動すると、黒と白、二つの魔力が感じ取れた。
「どうだった?」
「しっかり探知できた。
明日、アルシエルに向かう。イリスさんに会って、光君が監禁されていた場所を探るんだ」
「わかった。準備しとくね」
その時、光君が目を覚ました。
「おはよう、光君」
「おはようございます、蓮さん」
「これから街に行くけど、一緒に行く?」
「はい!」
準備を終え、二人で街へ向かう。
見慣れた街も、光君にとっては初めての世界。目を輝かせて辺りを見回していた。
「すごいですね……いろんなものがある」
「じゃあまず腹ごしらえだな」
近くの食堂に入ると、店員が声をかけてきた。
「おっ、蓮さん! 今日はお連れさんですか?」
「訳あって、僕が面倒を見てる光君だ」
「なるほど。ご注文は?」
「おすすめを一つ。光君は?」
「ステーキ定食で!」
料理を待つ間、光君が不思議そうに聞いてきた。
「蓮さんって……何をしてる人なんですか?」
「花屋の店員だよ。あとは、何でも屋かな」
すると店員が笑って口を挟む。
「何言ってるんですか。世界を救った英雄でしょう?
皆が尊敬するのは、その優しさと、命を救ってもらったからですよ」
料理が運ばれてきて、光君は目を輝かせた。
「いただきます!」
食事を終えた後、二人は闘技場へ向かった。
中では剣士たちが稽古をしており、僕の姿を見つけると一斉に駆け寄ってくる。
「蓮さん、稽古つけてくださいよ!」
「用が済んだら全員相手してやる!」
歓声が上がる中、ライガ、エレナさん、ルビを呼び出した。
「実は頼みたいことがあってさ……」
事情を話すと、三人の表情が一変する。
「……許せませんね」
「絶対に許さない」
ライガとエレナさんの目には、はっきりと怒りが宿っていた。
「明日、アルシエルについてきてほしい」
「当たり前じゃないですか、兄貴!」
「任せて。あの子をそんな目に遭わせたやつ、私が許さない」
その言葉に、胸が熱くなる。
次回も楽しみに




