第90話 必ず貴方を守るから
今回89話書きました
みんなと勝利を噛み締めた後、ようやく戦いが終わった。
兵士達は歓喜の雄叫びをあげ、ライガに至っては嬉しすぎてボロボロの状態で涙を流していた。その横でカイルさんも手で顔を覆い、勝利に喜んでいた。
兄貴とノイルさんは、僕がダッシュで医療班に渡して診察してもらった結果、骨がいたるところ折れていた。治りはするけど、当分はまともに戦うことも動くことも出来ないと言われた。
そのことを聞いた僕は、申し訳なさでいっぱいだった。
気づけば兄貴達の病室に着いていた。
ノックをして部屋に入ると、意識が回復した二人が座っていた。
「おう!蓮か。無事で何よりだ」
兄貴はそう言った。
「ありがとう兄貴。でも……」
するとノイルさんが言った。
「蓮さん、私たちは貴方のせいでなんて微塵も思っていませんよ。むしろあなたのために命をかけれたこと、この上ないくらいの幸せです」
「そう言ってもらえて嬉しいです。でも僕がもっと強ければ、二人ともこんなふうにはならなかったなって思って……」
そう言うと兄貴は言った。
「そうか……でもお前は誰よりも戦い、人を助けた。それに比べればこんな怪我どうってことない。もっと胸を張れ」
その時、横に飾られている花が目に入った。
ガザニアだった。花言葉は――あなたを誇りに思う。
「この花、置いたの兄貴?」
「ああ?いや、それを置いたのはアンシャだ」
僕が来る前に来て、この花を置いて行ったらしい。
「絶対蓮は、自分のことを不甲斐ないとか言うから、その時はこの花を見せてあげてって言われてな」
「意味は分かるか?」
「うん……あなたを誇りに思う、だよ」
「俺たちも同じ気持ちだ」
「そうですよ、あなたほど勇敢な人、この世界探してもそういませんからね」
その言葉を聞いて、心のつっかえが取れた気がした。
「ありがとう、二人とも」
病室を出た後、ノイルとカケルが話している声が聞こえた。
「本当に素晴らしい人ですね」
「どれだけ心を救われたことか……」
その頃、僕はライガと会っていた。
イリスさんの魔法のおかげで歩けるようになっていた。
「蓮の兄貴!本当に良かったですよ!」
「ありがとう」
「心臓が止まったって聞いた時は、この世の終わりかと思いましたよ。もっと自分を大切にしてください」
「アンシャは?」
「医療班と一緒に動いてると思います」
その後、カイルさんに呼ばれ、兵士達を各国へテレポートさせた。
そして最後に、僕たちはヴァルセインへ戻ってきた。
戻った途端、胸の奥で声が響いた。
「よう、さっきぶりだな。もう一人の俺」
「どうした?」
「この街を、少し回ってくれないか?」
孤児院、行きつけの花屋。
花を一本買い、家へ帰った。
家にはアンシャがいた。
「ただいま」
「……ごめん!」
アンシャは、僕が命を懸けることを責め、泣きながら抱きしめてきた。
「お願い……自分のことも大切にして」
「分かったよ」
赤いガーベラを渡すと、アンシャは微笑んだ。
それはもう一人の僕からのプレゼントだった。
「ねぇ、もう一人の蓮に変われる?」
心に問いかけると、答えが返ってきた。
そして――
フランネルフラワーを渡した。
「花言葉は、変わらぬ愛だ」
「俺は、君に本当の想いを伝えられなかった。だから今、言わせてくれ」
「アンシャ。俺は君が好きだ。これからも一緒にいてくれ。
必ず、必ず今度こそ――君を守る。誓うよ」
アンシャは笑って頷いた。
その笑顔を見て、レンは再び涙を流したのだった。
今回ので第1章終わりです次は外伝などを書いていきますこれからもよろしくお願いします。




