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第8話 あなたは僕の唯一の家族だから

第八話なんとかかけましたぜひみてください

――温かい。

まぶたの裏に、柔らかな光が差し込んでいた。

ゆっくりと目を開けると、見慣れない天井が映った。

「ここは……どこだ?」

そう思った瞬間、扉が開き、イリスさんとエレナさんが入ってきた。

エレナさんは走り寄ってきて、泣きそうな顔で言った。

「大丈夫? 無茶しすぎだよ……本当に心配したんだから」

その言葉に、胸が熱くなる。

イリスさんはベッドのそばに腰掛けながら、穏やかに微笑んだ。

「今回の模擬戦で、カイルもセリナも、あなたの力を認めました。

 カイルに至っては、“今度一緒に酒を飲む”とまで言っていましたよ」

「……そうですか。では、そのお二人を呼んでいただけますか?」

僕がそう頼むと、イリスさんは頷いて部屋を出ていった。

広い部屋に、僕とエレナさんだけが残った。

「本当にすみません。あの人が強すぎて、奥の手を使うしかなくて……。

 まさかあんなに魔力を消耗するとは思いませんでした」

「うん、知ってる。でも……あれくらいしないと、カイルさんは納得しないよ」

そう言ってエレナさんは笑った。

「でも、無事でよかった。本当に……」

その一言に、胸がじんとした。

ほどなくしてカイルさんとセリナさんが部屋に入ってきた。

「よう、蓮。元気そうだな。急に模擬戦なんてして悪かった」

「私も……あの時、神を冒涜するなどと口走ってしまって。本当にすまなかった」

「いえ、この通り、五体満足ですから」

そう言うと、三人ともほっとした表情を見せた。

だが、僕の心にはまだ、あの“風雷火弾”の爆発の感触が残っていた。

「……俺の力、危険ですよね」

そうつぶやくと、イリスさんが首を傾げた。

「危険?」

「使い方を間違えたら、誰かを傷つける。

 あの三種混合魔法も、もし制御できなかったら……闘技場ごと吹き飛ばしてました」

イリスさんは少し考えてから、静かに言った。

「ええ、確かに危険です。でも――あなたがそれを怖がっている限り、大丈夫だと思います」

「え……?」

「力を恐れる人ほど、力を正しく使える。

 あなたが“誰も傷つけたくない”と思っているなら、その魔法はきっと人を救う力になります」

カイルさんが笑って言った。

「もし誰か文句言ってきたら、言えよ? 俺がそいつを黙らせてやる」

セリナさんも微笑んで言った。

「あなたは私たち三人の信頼を得ました。誰も、あなたを蔑んだりはしません」

その言葉に、僕は声にならない涙を流した。

――よかった。本当によかった。

だがその直後、エレナさんが口を開いた。

「イリス、お願いがあるの。このまま蓮をこの国に住まわせてほしいの」

「え?」僕は驚いた。

「どういうことですか?」

「あなたは魔法の扱いが上手い。だから、あまり魔法が使えないヴァルセインより、

 ここで学んだ方がきっといいと思ったの」

確かに、それは理にかなっていた。僕も剣術は得意じゃない。

だから、迷惑をかけるよりは……と、思わず口にした。

「……わかりました」

イリスさんは頷き、「手続きを進めます。ただ、その前に少し来てほしい場所があります」と言った。

そして僕は、カイルさんに連れられてバーへ向かうことになった。

「お前、本当にあれでよかったのか?」とカイルさんが尋ねる。

「……本当は僕もヴァルセイン帝国に戻りたいです。

 でも、僕は剣術が不得意で、エレナさんに迷惑をかけるかもしれません。だから――」

「なるほどな。けどな、エレナは寂しがり屋なんだぜ」

「え? そうは見えませんけど……」

「俺はエレナの師匠なんだ。アイツのことはよく知ってる」

「えっ!? 師匠だったんですか!?」

「そうだ。あいつ、本当は嘘をついてる。お前と一緒にいたいに決まってるさ」

「今日は俺の奢りだ。明日、もう一度本音で話してこい」

「……わかりました。ありがとうございます」

その夜、イリスさんとエレナさんは話していた。

「なんで嘘なんてついたの? 本当は一緒にいたいんでしょ?」

「やっぱりあなたには隠し事できませんね。……でも、蓮のためだと思ったの」

イリスさんはくすっと笑った。

「彼の心、読んでみたけど――“エレナと一緒に帰りたい”って思ってたわよ?」

「本当ですか!?」

「私が読んでるんだから、間違いないわ」

そして翌朝。

僕はエレナさんと同じ時間に目を覚まし、勇気を出して言った。

「エレナさん、少し話していいですか?」

「んー? 何?」

「実は昨日のことで……僕はやっぱりヴァルセイン帝国に戻りたいと思います。

 名前も、過去も何も覚えていない僕に、“蓮”という名前と帰る場所をくれた。

 エレナさんは僕にとって、唯一の家族なんですから」

エレナさんは涙を流しながら笑った。

「……そうだよね。本当にごめんなさい。あなたのためと思ったけど、違ったのね。

 分かった、一緒にヴァルセイン帝国に帰りましょう」

「はい!」

僕は笑顔で答えた。

朝の光が差し込む中、二人は再び、故郷への道を歩き出した。

楽しんで頂けたでしょうか書いていた僕自身も楽しくなってしまってますこれからも応援よろしくお願いします

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