第84話 私のせいだ
今回83話書きました
カイルたちは蓮のいる場所に到着した。
だが、目の前に広がっていた光景はあまりにも残酷だった。
どうしてこうなったのか──これはカイルが着く数分前に遡る。
蓮がチェインの拘束を解いた後、アンシャともう一人の僕の間に割って入った。
その瞬間、鈍い音が響き、アンシャの顔に何かが飛んだ。それでアンシャは目を覚ました。
「ん、あれ? 私眠ってたの?」と目を開けると、そこには蓮がいた。
「あれ、蓮終わったの?」と笑顔で聞く。
「う、うん……あんなやつ倒したよ。」
そう言って蓮は倒れ、アンシャが後ろを見ると、蓮の体から血が流れていた。
「蓮!!」
叫んで駆け寄ると、蓮は息をしていたものの、今にも死んでしまいそうな状態だった。
「なんで! なんで!」と叫ぶアンシャ。
そこへ声が落ちてくる。
「こいつはお前を庇って代わりに刺されたんだよ。バカだよ、本当に。求めた優しさに殺されるなんてな。」
アンシャが上を見ると、蓮と全く同じ姿をした男が立っていた。
「あなたは?」
「俺の名前はレンだ。この世界を滅ぼそうとしている者だ。たった今、救世主を殺したところだ。」
その言葉で事の重大さに気づき、アンシャは蓮を揺さぶる。
「蓮! 蓮! お願いだから目を覚ましてよ! ねぇ! ねぇってば!!」
しかし蓮が目を開ける気配はなかった。
その時、カイルたちが到着した。
蓮の姿を見たカイルは怒りを爆発させる。
「お前!! うちのもんに何してんだ!!!」
凄まじい覇気と共に、信じられない速さでレンへ切りかかった。
レンは軽く避け、お互い距離を取る。
「アンシャ、蓮をやったのはあいつか?」とカイルが問うと、
「……はい。」とアンシャは震えながら答えた。
「もう容赦しねぇぞ……! あいつ、姿まで真似しやがって!!」
殺意むき出しでカイルが斬りかかり、戦いが始まる。
その間にカケルたちが手助けしてくれ、蓮を皆のところへ運んだ。
その血まみれの姿を見た仲間たちは驚愕する。
「なんで!?」と問われたアンシャは涙を流しながら言う。
「私の……私のせいだ。私があいつに捕まらなかったら、蓮が庇うこともなかったのに!」
その言葉に、エレナがアンシャの前に立った。
「同じこともう一回言ってみて。蓮の気持ちを考えて発言して! とりあえず容体を見るよ!」
イリスが蓮を診る。しかし──イリスの表情が青ざめた。
「どうしたの?」とリュシヤが聞く。
「……心臓が止まった。」
「え? 嘘でしょ!? ねぇ、嘘って言ってよ!!」
叫んでも結果は変わらなかった。
アンシャはその場に崩れ落ち、自責の念に押しつぶされる。
仲間たちも怒りを抑えられなかった。
「兄貴、待っていてください。あいつの首、取ってきます。」
「蓮、お前の頑張り、無駄にはしない!」
彼らもまたレンへ攻撃しに向かった。
―――――
その頃、蓮の意識は暗闇を落ちていた。
「死んだかな……あの刺し傷は深かったもんな。」
でも、心にひとつだけ満足があった。
「最後に……最愛の人を守れたんだ。悔いはない。」
そう思った瞬間、蓮はまた真っ白な空間に辿り着いた。
「ここは……僕の精神世界かな?」
そう思ったが、何かが違う。
辺りを歩いてみたが何もない。本当に何もなかった。
しばらく進むと、人影が見えた。
近づくと、その子は振り返った。
そして蓮は驚愕する。
それは──“子供の頃の自分”だった。
次回も楽しみに




