第7話 急な模擬戦
今回でこの小説も第七話ですこれからもできる時に新しいか話を出していくので何卒お願いします
僕たちは王宮の謁見室へと案内された。
そこには見たことのない人が二人いた。
一人は黒髪の青年。冷静で、どこか鋭い印象を持つ好青年。
もう一人は若い女性――透き通る金髪に蒼い瞳。その柔らかな笑みの裏に、王としての威厳を感じた。
「ようこそアルシエルへ。私はこの国の王女、イリス=フィル=アルシエルです」
イリスさんが自己紹介すると、黒髪の青年も立ち上がり、お辞儀をした。
「ヴァルセイン帝国代表、カイル=ヴァルセインだ」
ヴァルセイン帝国の代表!? 心の中で驚きながら聞いていると、もう一人の女性も続いた。
「聖教国ルミエールより参りました、神官セリナ=リュミエールです」
目の前には、三国を代表するトップたち。緊張しない方が無理だった。
一通りの紹介が終わり、三人は席に着いた。
「あなたが……蓮さんですね?」
セリナさんが僕に視線を向けて尋ねた。
「はい、そうです」
「では、あなたの“魔法”について少し聞かせてもらえますか?」
僕は手に持っていたバッジを見せながら説明した。
「僕はこのバッジを媒介にすることで、剣を出したり、魔法を使ったりできます」
その瞬間、セリナさんの表情が変わった。
目は冷たく光り、まるで凍てつくような気配を放つ。
「……その力、まるで神の奇跡を真似ているようですね」
張り詰めた空気。
カイルさんが眉をひそめた。
「模倣だと? もしそれが模倣なら、それもまた技術だ。興味深い」
セリナさんは冷たく返す。
「信仰を否定してまで理解しようとするなど、傲慢ではありませんか?」
カイルさんは静かに微笑んだ。
「理解しようとすること自体が、神への敬意だよ」
空気がピリピリと張り詰めていく。僕は思わず息を呑んだ。
――やばい、会談のはずなのに、まるで一触即発だ。
「お二人とも、落ち着いてください」
イリスさんの声が響いた瞬間、空気が一気に軽くなった。
「今日は対立のための場ではありません。新しい力を、どう受け止めるかを考える会談です」
そう言うと、カイルさんがこちらを見た。
「なら――一度、俺と手合わせしてみよう。実際にその力を見ればいいだろ?」
「え!? 今ここで戦うんですか!?」
僕とエレナさんが同時に声を上げる。
「戦う場所を用意します。ついてきてください」
イリスさんが立ち上がり、僕たちは闘技場へ向かった。
移動中、エレナさんが小声で言う。
「カイルさん、すっごく強いから気をつけて。私よりもずっと上だからね」
その言葉に、背筋がピンと伸びた。
やがて辿り着いたのは、円形の広い闘技場。
お互いに距離を取り、イリスさんの合図を待つ。
「構えて!」
僕は武器召喚のバッジを浮かべ、手のひらに引き寄せた。
そして――開始の声と同時に、短剣を二つ召喚。
「ノーモーションか。楽しめそうだな!」
カイルさんが笑う。
僕は一気に距離を詰め、斬りかかった。
「速いな!」
カイルさんが剣で受け止める。火花が散り、激しい斬り合いになる。
「さすがエレナに鍛えられてるだけある」
余裕の笑みを浮かべるカイルさん。
「早いかないですか?」とつい本音を漏らした瞬間――蹴りが飛んできた。
「ぐっ!」
まともに食らって吹き飛ぶ。
「まだまだこんなもんじゃないだろ?」
笑顔のまま挑発してくるカイルさん。
(強すぎる……仕方ない、あれを使うしかない!)
僕は短剣を解除し、息を整えた。
「降伏か?」
「違います。本気を出します!」
まずは「スモーク!」
白い霧が立ちこめる。視界が遮られた隙に、空中へ跳躍。
「ウォーター+ソイル――混合魔法《泥沼》!」
地面全体がうねり、足元が沈み始めた。
カイルさんの脚が太ももまで沈んでいるのを確認し、魔力で固定する。
「今だ……決める!」
両手を前に突き出し、魔法陣を三重展開。
「ウィング+サンダー+ファイア――三種混合魔法《風雷火弾!!》」
閃光と共に特大の爆発が起き、轟音が闘技場を揺らす。
僕は膝をつきながら呟いた。
「……これで、どうだ……?」
煙の中から、笑い声が響いた。
「はははっ! 二種類の魔法を同時に使ったかと思えば、三種混合とは……すごいな。今回は貴様の勝ちだ」
服がボロボロのカイルさんが立っていた。
そして、後ろで見ていたセリナさんが一歩前に出る。
「確かに、魔力の流れを一切感じなかった……。蓮さん、先ほどの無礼をお許しください。これからも、どうかよろしくお願いします」
差し出された手を握り返す。
「もちろんです。こちらこそ、よろしくお願いします」
安心した瞬間、力が抜けて、そのまま僕は倒れ込んだ。
――こうして、魔法国家アルシエルでの初めての試練は、幕を閉じた。
まさかの模擬戦でしたね今回の話も楽しんでもらえましたかこれからもどうかよろしくお願いします




