第78話 みんなで繋いだ道
今回77話書きました
蓮が“主人”のもとへ向かって走り去るのを見送ったカイルは、ひとり敵幹部と対峙していた。
「お前、名前は?」
敵は薄く笑いながら答える。
「我が名は──デスペリオン」
「そうか。なら早速やろうじゃねえか」
互いに臨戦態勢。
先に動いたのはカイルだった。
(もうすぐ日が暮れる……その前に決着をつける!)
竜巻ブレードとサンシャインブレード、二刀を構え猛スピードで斬りかかる。
しかしデスペリオンは全てを容易く回避する。
「遅いな」
放たれた蹴りを紙一重で避け、カイルは距離を取った。
(くそ……全然当たらねぇ。さすがは幹部……!)
再びカイルは踏み込む。
「二刀流――天照神速ッ!!」
瞬間、カイルの姿が掻き消えた。
次に見えたのは──デスペリオンの右腕が宙を舞う光景。
「何……! この私に傷を負わせるか……面白い」
不敵な笑みに、カイルは鼻で笑う。
「褒められても全然嬉しくねぇよ」
「ならば……本気を出しましょう」
デスペリオンが地面に手を置くと、大地が隆起し、巨大な岩塊がカイルを襲う!
カイルは軽々と避けたが、次の瞬間──。
「ぐっ!!」
背後からの一撃をまともに食らい、吹き飛ばされる。
(くそ……見えなかった……!)
満身創痍でも、カイルはゆっくりと起き上がる。
「そんな身体でまだ戦うつもりか。諦めろ」
「諦められるかよ。俺の想いを託した奴が頑張ってんだ……カッコ悪い姿見せられるか」
笑いながら再び構えるカイル。
竜巻ブレードを地に落とし、サンシャインブレード一本に。
「鈍刀一つで何ができるのです? メイドの土産に教えて差し上げましょう」
鉄塊を取り出すと能力を宣言する。
「錬成──銃弾」
無数の銃弾が生成され、凄まじい速度で飛び交う。
カイルは最小限の動きで全て避ける。
そして──
「一刀流……抜刀術・日輪」
静寂が走った。
デスペリオンは背後から近づき、勝利を確信して首へ手を伸ばした。
「あなたの負けです。お疲れ様」
その瞬間──視界が回転する。
気づけば、自分の身体が離れていく。
「……な、何が起きた……!?」
カイルは静かに告げる。
「簡単だ。お前が攻撃仕掛ける前に、俺が首を落とした」
「馬鹿な!? 後ろに回った私に気づいていなかっただろ!!」
「ああ。でも感知できたんだよ。
この技は一定範囲に入った敵を“容赦なく斬る”。
俺が苦手な抜刀術を、あえて使った切り札だ」
「ありえない!! 私が負けるなどぉぉぉぉ!!」
叫びながら、デスペリオンは塵となって消えた。
カイルは剣を肩に担いで言い放つ。
「一回死んで……今度は善人になって生き返ってこい」
まだ戦いは終わらない。
彼はすぐさま他の仲間の援護へ向かう。
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一方、蓮はなおも前へ。
“主人”が近づいている。
その目の前に、強烈な魔力を放つ魔物が立ち塞がった。
「くそ! 今相手してる暇なんて──」
「助太刀いたしましょう!」
声が上から響く。
見上げると、合流予定だった王たちが降り立っていた。
「イグニスさん! セラフィンさん! セリスさん! あと──」
「我らはいい。お前は親玉の元へ急げ!!ここは我々が担う!」
「ありがとうございます!お気をつけて!
あとこれ、僕の魔力を凝縮した粒です。
魔力切れになったら使ってください!」
粒を手渡し、蓮は再び駆け始めた。
――すべては仲間が繋いだ道。
――“主人”の元へ、まっすぐに!
次回も楽しみに




