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第76話迎え討とうとする絶望

今回75話書きました

シティオと対峙したセラフィンは、一歩も引かぬ表情で杖を構える。

「本当は……使う気はなかった。

だが、致し方ない」

深く息を吸い込み――

「能力解放──エンジェルボイス!」

瞬間、彼女の背に神々しい光の翼が生え広がる。

大気が震え、力が収束していく。

「埋まれッ!!」

天に響く声が落ちた途端、周囲の死体――そしてシティオが立つ地面までが大きく沈み始めた。

「なっ……!?」

死体たちは音もなく土に呑み込まれていく。

続けざまに、セラフィンは冷たい視線で言い放つ。

「燃えろ」

次の瞬間、地面から爆焔が立ち上った。

死体の山を炎が呑み込み、その炎はシティオをも襲う。

身を焦がされながらシティオが気づく。

「これは……この能力の弱点……死体が必要……!」

翼が霧散し、人の姿に戻ったセラフィンは横目もくれず歩みを進めた。

「そうだ。お前は死体に乗り移る。

なら、燃やしてしまえばいいだけ」

シティオは絶叫を残し、灰となった。

「お見事……と言うしかないな……」

一方その頃、王イグニスは苦戦していた。

得意の素早さが発揮できない。

相手――幹部グルドの能力のせいだ。

「くそ……鬱陶しい能力だな」

拳を振るうが(かす)りもしない。

逆に相手の攻撃だけが確実に当たる。

「ほらほら~どうしたんですかぁ?

そのへなちょこパンチ、当たりませんよぉ?」

嘲笑と共に振るわれる拳。

しかし――

長引いた攻防は、終わりを告げる。

グルドが拳を大きく振りかざしたその刹那。

イグニスは不敵に笑った。

「能力解放──エンペラータイム」

――世界が凍った。

視界一面、瞬時に氷。

グルドでさえ、顔だけを残して完全に凍結していた。

「な、なぜだ……さっきまで満身創痍だったのに……!」

イグニスは静かに語る。

「私の力は、範囲が広すぎる。

だから住民を避難させていた。

今、その報告が届いた――遠慮はいらん」

「いい能力だった。じゃあな」

氷の巨像を、王の一蹴が粉砕した。

同時刻。

遠く離れた玉座では、主人が荒れ狂っていた。

「今、何人の手下が残っている……?」

「すでに九人……討伐されています」

その言葉に、主人の座る玉座が軋み、ひび割れる。

「奴ら……何をしている?」

怒りと殺意が、空間を黒く染めた。

「残りは……六体。その六体は……とてつもなく強い幹部です」

「そうか……面白くなってきたじゃないか」

不敵な笑み。地獄の幕開け。

その頃、蓮は群がる敵を薙ぎ払いながら走っていた。

(合流しないと……!)

鋭く魔力を察知。

その先には――

「おーい!みんなー!」

カケル、カイル、ライガ、エレナ。仲間が集結していた。

「どうだった、蓮?」とカイル。

「はい!七カ国をまわって、近くの敵は全部殲滅しました!

でも敵が多すぎます。主人の居場所も掴めなくて」

「短時間で七カ国……やはりお前は規格外だな」

蓮は謙虚な笑みを返す。

「まだ終わっていません。ここからが本番です」

その時だった。

空が震えた。

「っ!?みんな伏せて!!」

ドォンッ!!

地鳴りとともに、六つの巨大な魔力が降り立つ。

立ち上る禍々しいオーラ。

「ここから先は……我らが相手だ」

六体の怪物幹部が、一斉に殺気を放つ。

カイルが叫ぶ。

「落ち着け!定位置に付け!

蓮、状況を他の王に伝えられるか!」

「任せてください!――発動、テレパシー!」

(ヴァルドリン王!まずいです!)

(わかっておる。全王に召集をかけている)

「他の王たちも向かってきています!」

「よし!全員――迎え撃つぞ!!」

地獄の激戦が、今始まる。

次回も楽しみに

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