第6話「王女イリスとの出会い」
今回はいよいよ友好国の王女様ご対面です。読んでくれる嬉しいです
アンナさんの家を出たあと、エレナさんが受けていた護衛任務に同行することになった。何度か道で逸れかけたけど、どうにか目的地に到着。目の前にそびえ立つのは、白く輝く巨大な城――魔法国家アルシエルの中心だった。
「大きい……」と思わず口にする僕に、エレナさんが笑う。
城の中を歩きながら尋ねた。
「今から護衛する人って、どんな方なんですか?」
「とにかく明るくて、おっちょこちょいな人かな」
大きな扉の前に着き、エレナさんがそれを開ける。中には、美しい女性が立っていた。
「エレナー、今回も護衛を引き受けてくれてありがとう」
「いえいえ。久しぶりにお会いできて嬉しいです。今回は、言われていた蓮も連れてきました」
その女性がこちらを振り向き、丁寧にお辞儀をした。
「初めまして、蓮さん。私は魔法国家アルシエルの王女、イリス・アルシエルです」
王女――? 若い。僕とそう変わらない。
「初めまして。蓮と申します。今日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします。失礼ですが、年齢をお聞きしても?」
「僕は19歳です」
「まあ、私と1つしか違わないのね。私は20歳です」
若くして王女なんて、と驚いていると、イリスさんは静かに微笑んだ。
「幼い頃に両親を亡くしたので、私が跡を継ぐことになりました」
「……すみません。そんなことを聞くつもりじゃ」
「気にしないでください」
だが、僕が考えていたことに対して返事をしているような……? 不思議に思っていると、エレナさんが言った。
「イリスさん、蓮が困惑してます。ちゃんと説明してあげてください」
「あら、そうだったわね。私の魔法は“読心術”。相手の考えていることをそのまま読むことができるんです」
「なるほど……それで、僕が質問する前に答えられたんですね」
「ええ。それで、よければあなたの魔法も見せてもらえる?」
「もちろんです」
僕は武器召喚のスキルを発動した。
「まあ! 本当に何もないところから剣が現れた……!」
イリスさんが感嘆の声を上げる。
「面白い魔法ですね」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
握手を交わすと、イリスさんは柔らかく微笑んだ。
「これからよろしくお願いします、蓮さん」
「こちらこそ」
その後、僕たちは護衛任務の説明を受けた。
「明日から“魔法祭”が開かれます。各国の要人が集まる会談の護衛をお願いしたいのです」
「わかりました。全力で守らせていただきます」
エレナさんも頷いた。
夜、イリスさんが部屋を出たあと、エレナさんが僕に言った。
「蓮、あまり無理はしないでね。あなたには傷ついてほしくないの」
「わかりました。エレナさんも無茶しないでくださいね」
翌朝。エレナさんより先に目を覚ました僕は、外で見覚えのある顔を見つけた。
「アンナさん!?」
「やぁ、これ出来たから渡そうと思って」
袋の中には、黒いグローブが入っていた。
「これを装備して頭の中でスキルのマークを思い浮かべてみて。バッジが自動的に手に転移するようになってる」
「そんなこと、どうやって……?」
「君の武器召喚の仕組みを応用したのよ」
「ありがとうございます。これで今日の任務、なんとかこなせそうです」
「ふふっ、頑張ってね」
僕は笑顔で礼を言い、走って王女のもとへ向かった。
そしてエレナ、イリスと共に――会談護衛任務が、いよいよ始まる。
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