表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/96

第66話 あなた一人の命じゃないから

今回65話書きました

十五カ国共同で“主人”への対抗が決まり、会議は幕を閉じた。

僕たちはすぐにヴァルセインへ戻り、戦力をどう集めるか会議を進めていた。

「このままじゃ数が足りねぇ」

全員が頭を抱えていたその時──。

コンコン、と扉を叩く音。

「入れ」とカイルさんが告げると、俺と同じくらいの年の男の子が入ってきた。

「……お前、カイか?」

ライガが驚いたように立ち上がる。

「はい、ライガさん。お久しぶりです」

カイは深く頭を下げた。

「昔助けてもらった村の者たちが、恩返しをさせてほしいと言っています。

腕の立つ者、ざっと四千人……!

あなたにもらった命です。この世界の未来に賭けさせてください!」

「……最悪死ぬぞ。相手は全てを敵に回す化け物だぞ?」

ライガの問いに、カイは迷いなく言った。

「覚悟なら、とうに決まってます。

あの日、救ってもらえなければ僕はとっくに死んでいた。

今返さずしていつ返すんですか!」

その強い声は、部屋の空気を一瞬で変えた。

僕たちは顔を見合わせ──

「分かった。力を貸してほしい。ただし……命を最優先に動け」

そう伝えると、カイは晴れやかな表情で頭を下げた。

「ありがとうございます!全力で戦います!」

そう言い残し、部屋を出ていった。

「ライガ、いつの間にそんなことしてたの?」

僕が問うと、ライガは頭をかきながら答えた。

「昔な……無性に腹が立ってた時に、魔物に襲われてる村を見かけたんだ。

……気づいたら全滅させてた。それだけだ」

「どおりで帰りが遅いと思ったぜ」

カイルさんが笑う。

「理由を絶対言わなかったが……まさか一人で魔物軍団を相手にしてたとはな」

「礼なんざいらねぇ。どうせなら本番でたっぷり聞かせてくださいよ」

ライガがニッと笑うと、場の空気が一気に明るくなった。

会議が終わり、家に戻るとアンシャが迎えてくれた。

「どうだった?会議」

「実はさ、昔ライガが助けた村が四千人連れて参加してくれるらしいんだ」

「よ、四千人!? そんなに……!」

アンシャの目が大きく見開かれる。

「多分ここからもっと増えるよ」

少し笑って答えたが──

心の奥では不安が渦巻いていた。

装備を整えていると、アンシャが小さくつぶやいた。

「ねえ、本当に行くの?」

「行くよ。みんなの命がかかってるんだ」

アンシャは唇を噛み、涙を堪える。

「言わない方がいいと思ったけど……

やっぱり、死んでほしくない。

ここに残ってほしい……」

その言葉は、胸を締めつけた。

だけど僕は、はっきり伝える。

「アンシャと同じくらい大切な人たちがいる。

その笑顔を守るために、俺は行くんだ」

アンシャは涙をあふれさせながら微笑んだ。

「絶対、生きて帰ってきて。

あなたの命は……もうあなた一人のものじゃないんだから」

「もちろん。必ず帰る」

僕は彼女の手を強く握りしめた。

そう誓ったのだ。

――そして、戦いの幕が上がる。

――――――――――


次回も楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ