65話 共同連合
今回64話書きました
翌朝、カイルさんに呼ばれ、僕たちは再びアルシエルへと向かった。
会議室へ入ると、すでに各国の王が勢揃いしていた。
その中に見慣れた背中。
「よ、兄貴」
振り返ったのはカケルだった。
「久しぶりだな蓮。王の仕事は大変だが……やりがいはある。あの国をもっと良くしていけるよう頑張るつもりだ」
頼もしい笑み。王となった彼の成長が眩しい。
席につこうと辺りを見回すと、イリスさんの姿があった。
「活躍、聞いてますよ蓮さん。すごいです!」
「ありがとうございます。これからも力になりますよ」
そう言って席に着き、会議が始まった。
まず報告として呼ばれたのはアンナさん。
手にしていたのは、僕のスキルを応用した装置だった。
「これは……?」
「蓮さんのスキルを利用して、誰でも魔法を扱えるようにした装置です」
アンナさんが炎、水、風を生み出すとーー
場内は歓声に包まれた。
「素晴らしい!」
「近い未来、これが世界中に行き渡ります」ヴァルドリン王が誇らしげに言う。
胸が熱くなる。
僕のやってきたことは……ちゃんと意味があったんだ。
その時、リュシアさんが立ち上がり深く頭を下げた。
「蓮さん、本当に申し訳なかった。
今こうして国民が笑えているのは、あなたの尽力あってこそ。
国を代表して礼を言わせてほしい。ありがとう」
慌てて僕は言った。
「気にしないでください!
それに……やっぱり、人間は泣いてるより笑ってる方が良いじゃないですか」
拍手が湧き上がった。
その音に、心が軽くなる。
議題は“主人”のことへ移る。
「奴は本体とほぼ同等の分身を作ります。
しかも……僕らと戦った時は、本気ではなかったはずです。
肉弾戦だけでここまで強い。それがあいつです」
会議室が静まり返った、その時ーー
《……あー、テステス。聞こえているか?》
スピーカーから嫌な声。
「私は‘主人’の手下だ。この世界を蹂躙する。
対象はもちろん……貴様ら十五カ国全てだ!」
皆がスピーカー室へ走るが、すでに空っぽ。
重い空気が場を支配した。
沈黙を破ったのはカイルさん。
「なぁ。敵はこんな連中だ。
だったら……この十五カ国で一つの軍を作らないか?
共に協力して、奴らを倒さないか!」
立ち上がったのはカケル。
「賛成だ。このままでは勝てない。
だからこそ……協力する!」
その声に、次々賛同が重なる。
ついに全ての国が手を取り合った。
ーーこうして、「15カ国共同の連合軍」が誕生した。
次回も楽しみに




