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第54話 目覚めと恋の行方

今回54話書きました投稿遅くなってすみません

翌朝、僕は病院に向かった。

心配だった——エレナさんのことが。

受付を済ませ、彼女の病室の前に立つ。ノックをしても反応がなかった。

仕方なくそっと扉を開けると、エレナさんとライガが気持ちよさそうに眠っていた。

僕は静かに扉を閉め、近くの椅子に腰を下ろした。

だが、その音が少し大きかったのか、ライガが目を覚ました。

「ん……? あ、蓮の兄貴。おはようございます」

「おはよう、ライガ。エレナさんは?」

「昨日、蓮の兄貴が帰ったあと、しばらくして目を覚ましましたよ」

「そうか。良かった」と、僕は胸を撫で下ろした。

ほっとしたその時、ふと見るとライガの顔がやけに赤い。

「ライガ、どうした? 顔赤いぞ?」

「あ、マジすか……実はですね、昨日エレナが起きてから告白されて、それを……受けたんですよ」

顔を真っ赤にしながら言うライガ。

僕は思わず笑って「良かったじゃん」と肩を叩いた。

そして心の中で——“エレナさん、想いが届いて本当に良かったですね”——と思った。

少しして、エレナさんも目を覚ました。

僕はヴァルドリン王を呼びに行き、事情を説明した。

「王、今回のエレナさんの暴走ですが——?」

「うむ。エレナ殿を魔法で視たところ、強力な精神魔法の痕跡が見つかった。

その魔法は“対象者の強い思いや感情を増幅させる”効果があるようだ。

つまり……エレナ殿の中で何かしらの強い感情が膨れ上がり、今回のような事態を引き起こしたのだろう」

それを聞いて僕は思った。

——やはり、ライガへの想いが増幅したのだろう。

でなければ、僕ではなくライガだけを狙った理由がつかない。

「エレナ殿、蓮殿と別れたあとの記憶はあるか?」

王の問いに、エレナさんは首をかしげながら答えた。

「えっと……あのあと走って、少し休んで……眠くなって寝ちゃったの。その後の記憶はないの」

「そうか」と王は頷く。

「もう少し思い出してくれ」とライガが言うと、エレナさんは少し考えて——

「……あ! そういえば、意識を失う前に“あのお方のために働いてもらうぞ”って、男の人の声が聞こえた気がするの」

その言葉に、僕たちは顔を見合わせた。

また“あのお方”か——いったい誰なんだ?

僕は魔力感知を発動し、エレナさんの身体を調べた。

しかし、何も感じ取ることはできなかった。

「どうしたのだ?」と王が問う。

「魔力感知を使いましたが……何も反応がありませんでした」

「なるほど……蓮殿でも感知できぬか。これは、なかなか骨が折れそうだ」

そう言って、ヴァルドリン王は部屋を後にした。

残されたのは、僕とエレナさん、そしてライガの三人。

「あの、エレナさん。良かったですね」

そう言うと、エレナさんは優しく笑った。

「うん。話、聞いてくれてありがとうね」

ライガは首を傾げた。

「え、なんの話してるんです?」

「いや、エレナさんがライガのこと好きだって聞いてたからさ。恋が実ってよかったなって」

「うん、本当にね。ライガ、これからもよろしくね」

「も、もちろんだ! これからもよろしくな、エレナ!」

幸せそうな二人を見て、僕も思わず笑顔になった。

「にしても……これから大変なことになりそうだな」

「本当だ。次の戦いに備えて、俺ももっと強くなる。蓮の兄貴、この後、特訓付き合ってくださいよ!」

「おう、もちろんだ」

「私も!」とエレナさんが言い出した。

しかしライガは慌てて止めた。

「いや、エレナ。お前は家で大人しくしてろ。まだ起きて間もないんだから」

「でも私だって強くなりたいし、それに……私に魔法をかけたやつと絶対戦いたいの!」

「ダメなもんはダメだ。俺はエレナ、お前のことが大事なんだ。だから今は休んでてほしい」

その真剣な言葉に、エレナさんはようやく頷いた。

「……うん、わかったよ」

その後、僕とライガは闘技場に向かい、日が暮れるまで剣を振り続けた。

そして静かに夜が訪れた。

次回も楽しみにお願いします

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