第46話 救った命、繋がる信頼
今回46話描きました是非見てください
ヴァルドリン王に協力をお願いし、承諾を得た僕たちは、王から渡された紙に書かれた場所へ向かっていた。
そこにあったのは──まるで王族が泊まるような、豪華なホテルのような建物だった。
「えっ、ここに泊まるの!?」
思わず僕がそう声を上げると、エレナさんもライガも目を丸くしていた。
中に入ると、フロントの人がすぐに声をかけてきた。
「蓮さんたちですね? 王からお話は伺っております。お部屋までご案内します」
僕たちは案内に従って進み、部屋に入った瞬間、息を呑んだ。
豪華な装飾、ふかふかのカーペット、そして見たこともないほど大きなベッド。
「……すごいな」
思わずため息が漏れた。
部屋に荷物を置き、少し落ち着いたところで、エレナさんが言った。
「これでヴァルドリン王への協力のお願いは、無事に終わったわね」
「そうですね。しばらくは、この国との交流を深めていきましょう」
そう話しているうちに、食事の時間になった。
スタッフに案内されて食堂へ向かうと、そこもまた目を疑うほど豪華だった。
緊張しながら席に座っていると、料理が運ばれてくる。
「今回ご用意したのは、この国が各地から仕入れた最高級の魚を使った刺身です」
説明を聞いて、僕はふと気になってしまい、口を開いた。
「ちなみに……この料理、どのくらいするんですか?」
「こちらは一人前、一万クルです」
一万クル。
前に神様から聞いた話では、クルは僕の世界でいう“円”とほぼ同じらしい。
つまり──一万クル=百万円。
「ひゃ、百万円!?」
思わず声を上げると、エレナさんもライガも顔が引きつっていた。
ヴァルドリン王……僕たちにこんな高級料理を振る舞うなんて、どれだけの厚意なんだ。
感謝の気持ちを噛みしめながら、僕たちはその料理をありがたく頂いた。
◆ ◆ ◆
翌日。
僕たちはオルディアの街を探索していた。
ヴァルセインよりも賑わっていて、近未来的な建物が立ち並んでいる。
「やっぱり、この国の科学力はすごいですね」
そう言って歩いていると──
「きゃあああああっ!」
遠くから、女性の悲鳴が聞こえた。
僕とライガはすぐに目を合わせ、駆け出す。
たどり着いた先では、刃物を持った男が女性を脅していた。
「おい! お前、何してる!」
僕が声を張り上げると、男がこちらを睨みつける。
「うるせぇ! お前には関係ねぇだろ!」
無視して女性に声をかける。
「大丈夫ですか? 何をされたんです?」
「い、いきなり刃物を突きつけてきて、『刺されたくなかったら言うことを聞け!』って……!」
その言葉を聞いた瞬間、僕の中で何かが切れた。
「ライガ、女性の方を頼む。俺はこっちをやる」
「了解しました。くれぐれもやりすぎないように」
僕はスモークを発生させて男の視界を奪い、その隙に回し蹴りを叩き込む。
男は一撃で倒れた。ライガは女性を安全な場所へ避難させてくれていた。
やがて衛兵が駆けつけ、男は連行されていった。
女性は震えながらも、僕に深々と頭を下げた。
「本当にありがとうございます。何かお礼を──」
「その前に、お名前を教えてもらっても?」
「あっ、ごめんなさい。私の名前は──」
その時、遠くから声がした。
「ルシア! 無事か!?」
振り向くと、そこに立っていたのは──ヴァルドリン王だった。
「パパ! 私は大丈夫。この人たちが助けてくれたの!」
女性──ルシアがそう言うと、僕は驚きで固まった。
「ま、まさか……」
「はい。私の父はヴァルドリン王です。私はルシア・オルディア。さっきは本当にありがとうございました!」
そのあと、ヴァルドリン王が僕に近づいてきて言った。
「君は……蓮殿とライガ殿ではないか! うちの娘を助けてくれて本当に感謝する。今から城に来てくれないか?」
「わかりました」
◆ ◆ ◆
城に戻ると、ヴァルドリン王は僕たちの前で深々と頭を下げた。
「このたびは、本当に娘を助けてくれてありがとう」
「頭を上げてください。人として当たり前のことをしただけです」
僕がそう言うと、王は少し微笑んで顔を上げた。
「何かお礼をしなければ」
「お礼なんていりませんよ。もしお礼をしたいのなら、ルシアさんが笑顔で過ごせるよう、身の安全を守ってあげてください」
そう言うと、王は感動したように頷いた。
「君は本当に素晴らしい人だ。これからも装置の研究など、さまざまなことで協力してほしい」
「もちろんです。こちらこそ、よろしくお願いします」
そう言って、僕は王と固く握手を交わした。
新たな信頼の絆が、ここに結ばれたのだった。
次回も楽しみに




