第39話 出し惜しみなしの一戦
今回39話書きました
翌日、僕は朝早くに起きてスキルの確認をしていた。
今できるスキルをすぐに発動できるよう、手順を頭の中で整理しておく。
「これとこれを混ぜたら良さそう……あ、これも!」
そう言いながら組み合わせを試していたら、あっという間に会場に向かわないといけない時間になっていた。
慌てて支度をして、急いで控室へ向かう。
そこにはライガがいた。
「あ! 蓮の兄貴、今回は負けませんよ! お互い出し惜しみなしでいきましょう!」
「うん、もちろん。悔いのない戦いをしよう」
握手を交わしてから、僕たちは入場口へと向かった。
――観客席はすでに熱気に包まれていた。
お互いに武器を構えると、周りの観客たちは静かに固唾をのんで見守っている。
その光景に、僕は久しぶりに緊張を覚えた。
ライガが笑って聞いてくる。
「もしかして緊張してるんですか?」
「そうなんだよ……こんなに大勢に見られるとなると、簡単には負けられないなって思って」
「あなたとあろう方が何弱腰になってるんですか! もっと自信持ってくださいよ!」
その言葉に、少しだけ緊張がほぐれた。
そして僕は深呼吸をして、再び武器を構える。
「――始めっ!」
審判の声と同時に、僕は走り出した。
一瞬で距離を詰め、斬撃を放つ。
しかしライガは軽やかに避け、すぐに反撃。
僕も体を捻ってそれをかわし、激しい斬り合いが始まった。
だが、ここで試したいことがあった。
「ファイアー × ウィング、二種混合魔法――ファイアーストーム!」
炎を纏った風がライガとの間に発生し、渦を巻く。
ライガは素早く後方へ跳び退き、それを避けた。
「ステルス × チェイン、二種混合魔法――ステルスチェイン!」
姿を消しつつ鎖を放つ。
ライガは避けきれず、体勢を崩したまま拘束される。
会場にカウントが響く――だが、ライガは笑っていた。
「やっぱり一筋縄ではいきませんね。仕方ない……この技を使います! モード・ウォーター!!」
青いオーラがライガを包み、その姿を変える。
次の瞬間、目の前に拳が迫った。
「――っ!」
剣で受け止めるが、衝撃に吹き飛ばされる。
視線を戻すと、水のような蒼いオーラを纏ったライガがそこにいた。
「なるほど、水のような速さを得たってわけか。威力はレッドの時より少し劣るが、すごい力だ」
「そう言ってくれて光栄です。さあ、あなたも本気を見せてください!」
「――わかった!」
僕は走り出し、魔法を連続で詠唱する。
「ファイヤー × サンダー × ウィング付与混合スキル――風雷火斬!!」
だが、ライガはそれを回避。
次の瞬間、横合いに回り込んで叫んだ。
「行け! ブルー・ブラスター!!」
目にも止まらぬ速さで拳が飛ぶ。
僕は笑いながら魔法を詠唱した。
「チェイン × スモーク――二種混合魔法、スモークチェイン!」
煙が辺りを覆い、その中から無数の鎖が現れる。
ライガの拳が当たった瞬間、「痛っ!」と顔を歪めた。
煙が全て鎖になっていて、攻撃を防いでいたのだ。
僕はすかさず武器をナックルに変え、全力の魔法を放つ。
「ウォーター × ウィング × サンダー × ファイヤー、四種付与混合スキル――風雷火水破弾!!!」
風・雷・火・水、全ての属性を纏った拳がライガに襲いかかる。
最初は捌いていたライガも、次第に押され始め――ついに吹き飛ばされた。
その隙にスモークチェインでライガを再び拘束。
カウントが進み、審判が叫ぶ。
「――勝負あり! 勝者、蓮!!」
歓声が爆発する中、僕はライガのもとへ駆け寄った。
「ライガ! 大丈夫!?」
「な、なんとか……大丈夫です。できれば、もうちょっと手加減してほしかったな」
そう言いながらも、ライガは立ち上がり笑った。
「やっぱりあなたには敵いません。でも、戦えてよかった。ありがとうございました」
僕たちは笑い合い、固く握手を交わす。
その瞬間、観客席からさらに大きな歓声が上がったのだった。
いよいよ出し惜しみなしの戦いが始まるお楽しみに




