第37話 ライガの覚醒
今回37話書きましたがよろしくお願いします
僕の試合が終わってしばらくして、次のカード――ライガとアンフェンスさんの試合が始まろうとしていた。
お互いが闘技場の中央に立ち、片手剣を構える。
「試合、開始ッ!」
審判の声と同時に、二人は走り出した。
激しい斬り合い。一般の観客には見えないほどの速度で剣戟が交錯する。
しかし、次の瞬間アンフェンスさんの蹴りがライガの腹部を捉え、ライガは吹き飛ばされた。
体勢を立て直す暇もなく、アンフェンスさんが追撃に入る。
その瞬間、闘技場に煙が立ち込めた。
「……まさか!」
煙の中から、赤いオーラが溢れ出す。
煙が晴れた時、ライガの全身は燃えるような炎に包まれていた。
「ヒートモード、発動!」
ライガの一撃――ラッドブラストが炸裂する!
アンフェンスさんの剣が粉々に砕け、さらに鳩尾を直撃した。観客がどよめく。
倒れた相手に追撃を仕掛けようとしたその時、ライガの体がピタリと止まった。
「あれは……アンフェンスの固有スキル《スペシャルワイヤー》よ」
観戦していたエレナさんが説明する。
「戦う相手に合わせて、切れない特殊な糸を生成するの。今回は炎に耐える素材を選んだんだわ」
確かに、よく見ると細いワイヤーがライガの体に絡みついていた。
だが――ライガは笑っていた。
「まだ終わってませんよ」
次の瞬間、ライガの体が青いオーラに包まれる。
その力でワイヤーが一気に断ち切られ、アンフェンスさんは意識を失って倒れた。
審判が叫ぶ。
「勝者、ライガ!」
歓声が響き渡る中、控室に戻ってきたライガに僕は尋ねた。
「ライガ、あの青いオーラ……一体何だったの?」
「まだ完成してないけど、俺の新しい能力です。次に戦う時に説明します」
そう言って微笑む彼に、僕は心の底から「頼もしいな」と思った。
それから数試合が終わり、休憩時間に入った。僕たちは一度外へ出る。
すると出口の近くで、アンシャが男たちに絡まれていた。
「おい! お前ら、何してる!」
僕が声を上げると、男の一人がニヤリと笑う。
「ちょっとこの可愛い嬢ちゃんを食事に誘おうとしてただけだよ」
その瞬間、拳を振り上げてきた。
僕はその手を掴み、後ろに投げ飛ばす。
地面に叩きつけられた男はそのまま気絶。
もう一人は腰を抜かし、青ざめた顔で逃げていった。
「ふぅ……ごめん、アンシャ。怖い思いさせたね」
僕がそう言うと、彼女は涙をこぼしながら抱きついてきた。
「ありがとう。すごく怖かったけど……怒ってる蓮も、かっこよかったよ」
「ありがとう」
そんなやり取りを見ていたライガが、エレナさんに小声で話す。
「なぁエレナ、あの二人って付き合ってるのか?」
「うん、そうだよ。アンシャ、今は蓮の部屋に住んでるんだ」
「えっ!? マジか! 兄貴、羨ましすぎる……」
「青春してるわねぇ」とエレナさんが笑う。
その後、四人で近くの食堂へ行き、食事をとった。
「蓮の試合、すごくよかったよ」とアンシャ。
「まさか煙幕で相手の動きを封じるなんて、私だったら絶対思いつかないよ」
「ありがとう。でも、まだまだ修行が足りないな」
そう笑い合いながら、僕たちは控室へ戻った。
そして間もなく、次の試合――エレナさんの出番が告げられる。
「エレナさん、頑張ってください! 応援してます!」
「ありがとう、勝ってくる!」
そう言って彼女は入場口へ向かっていった。
ライガの新能力の片鱗が見えた是非次回もお楽しみ




