第31話 未来を見通す力 —蓮とライガの初任務—
31話書きました
フィルナ公国に滞在して二日目。
僕とライガは朝早くからリュシアさんの城に向かっていた。
部屋に着くと、リュシアさんはすでに待っていた。
「リュシアさん、早いですね」
「さっき来たところやで。じゃあ始めよか。蓮くんには手伝ってもらうで」
「具体的にはどうしたらいいですか?」
「蓮くん、魔力感知使えるやろ? それを僕の魔法と合体させるんや。息を合わせてや」
僕はリュシアさんの横に立ち、息を合わせて魔法を発動した。
「サーチ×魔力感知! 合体魔法、パーフェクトロードマップ!!」
手が勝手に動き、近くの紙に地形情報を書き記していく。
十数分後、手が止まり魔法は解除された。
「お疲れさん」
リュシアさんは笑顔で僕に言った。
紙を見ると、この国全体の地図が出来上がっていた。
「あの、この魔法は一体…?」
「この魔法は、範囲内の地形を瞬時に記録し、邪悪な心を持つ人がいる場所にマークまでつけるんや」
僕は驚いた。
「この国全体をカバーできるんですか…?」
「そう、十数分で作れたんや」
僕が魔力を使い果たしたと思ったけど、リュシアさんは元気そのものだった。
「僕は生まれつき魔力量が常人の五倍や。こんなちょっとじゃ魔力切れは起こらんよ」
「え…常人の五倍!?」
ライガも驚きを隠せなかった。
「おかげで敵の位置がだいたい割れた。蓮くんはその情報を家まで届けてくれ。ライガくんは僕と一緒に、街で悪さをしている奴に挨拶しに行こうか」
僕はライガに背負ってもらい、家に戻った。
アンシャとエレナさんは僕の様子に驚いていた。
「大丈夫?! 今にも倒れそうじゃない!」
「はい、大丈夫ではないです」
二人に肩を貸してもらい、家に入った。
リュシアさんとライガは街に向かう。
「ここや、ここにおそらく敵がおるな」
ライガが指したのは、廃屋のような家だった。
「本当にここにいるんですか?」
「そうや」
リュシアさんが扉を蹴破ると、30人余りの男たちが現れた。
「何するつもりだ?」
男の一人が言う。「関係ねぇだろ」
「関係大有りや。国民を捕まえて魔力を抜き取り、高国の闇市に流すつもりやろ?」
男たちは顔を青くして黙った。
「じゃあ、やる前に片付けよか」
リュシアさんは敵の前に立ち、ライガも全力で追う。
ライガでも追えない速さで、リュシアさんは敵を薙ぎ倒す。
前を見ながら後ろの攻撃をノールックで避け、反撃していたのだ。
ものの数分で、敵全員は倒れ、外で待機していた兵が連行した。
戦闘後、ライガはリュシアさんに聞いた。
「なんで見ずに敵を倒せるんですか?」
「僕の固有スキル『予知』や。少し先の未来を見て相手の動きを捉えられるんよ」
常人の五倍の魔力で、ほぼ常時、人の少し先の未来を見ることができる……。
ライガは思った。
「……この人が敵じゃなくてよかった」
リュシアさんは再び歩き出す。
「あの、どこに行くんですか?」
「同じような奴が三つほどあるから、残りも片付けてしまおう」
ライガは急いで後を追った。
僕は家でアンシャとエレナさんと合流した。
「蓮、大丈夫?」
「はい。無理しすぎたけど、ライガとリュシアさんなら大丈夫そうでした」
アンシャは笑顔で僕の頭を撫でながら言った。
「蓮、今日もお疲れ様。後で一緒にご飯食べようね」
「はい、楽しみにしてます」
こうして僕たちは、フィルナ公国での初日を無事終えた。
とうとうリュシアの能力が明かされるぜひ読んでお確かめください




