第22話 怒りと悲しみ
今回22話書きましたぜひ見てください
アンシャさんと出かけて数日後、僕は変わらず何でも屋の仕事をしていた。
あれからライガは最近、僕の仕事を手伝ってくれている。なので、何でも屋の従業員は僕とライガの二人だけになった。
今日は草むしりの依頼が来ていたので、ライガと一緒に現場に向かい、作業を始めた。
しばらくして、ライガが口を開く。
「蓮の兄貴、こんなことずっとやってるんですか?」
「うん、そうだよ。最初はこんなことになるとは思わなかったけど、戦わずにできる仕事の中で、自分にできることを見つけたんだ。それを続けていたら、今はとても楽しい」と僕。
ライガは首をかしげて、「なんて人なんだ……俺だったらこんな仕事、絶対やりたくないです」と言った。
僕は少し真剣な顔になり、「こういうやりたくないことを黙々とやることで、目に見えないつながりが生まれるんだ。それが巡り巡って自分のためになる。今ならそう言い切れる。だって、この仕事をしていなかったら、おそらく国際会議で殺されていたからね」と答えた。
「やっぱりそうですよね。蓮の兄貴が言うから説得力がすごいです。俺も頑張って、蓮の兄貴みたいに国民に慕われる人になりたいです」とライガ。
僕はふと疑問に思い、聞いてみた。
「そういや、なんでライガはカイルさんの言うことを聞くの?」
ライガは少し考えてから語り始めた。
「俺の生まれは知ってますよね。貴族の家の一人っ子です。だから家を継ぐことになる。でも親父がとても厳しくて、関わってくる人はみんなこの家のことしか見ていなかったんです。俺のことはただの道具だと思っていた。だから反抗して、戦う人間になってしまったんです。
そんな時、まだ国王になる前のカイルさんが、俺が誰かと戦っているところに現れて……拳を止めて『お前、やりすぎだ。その辺にしておけ』って言ってくれたんです。でもそのときの俺は、『うるせー!俺のやることにケチをつけるな!』って感じで殴りかかりました。まあ、結果は俺が一方的にボコされたんですけどね。
その後、カイルさんは『お前、面白いやつだな。よし、これからうちの騎士団に入れ。お前の力を誰かを守るために使え』と言ってくれたんです。初めて自分自身を認めてもらった嬉しさから、俺はその命令に従うようになりました。それからずっと、あの人の下でやってきたんです」
「すごい壮絶な人生だね」と僕は感心しながら答えた。
その時、エレナさんが駆け込んできた。
「蓮! 孤児院の人たちが攫われた! 早く来て!」
「!! 本当ですか? すぐに向かいます、ライガ!」
「はい! 向かいましょう!」
現場に着くと、孤児院は炎に包まれ、消火活動が行われていた。
「アンシャさんは?!」と聞くと、エレナさんは「私が燃え広がる前に連れ出したから大丈夫。でも子供たちはいなかったの」と答えた。
僕は急いでアンシャさんのいる病院に向かうと、そこには全身傷だらけのアンシャさんがベッドに横たわっていた。
「アンシャさん!」と駆け寄る。
「蓮……さん……来てくれたんですね」と弱々しく返事をするアンシャさん。
「何があったんですか?」
「顔の見えない全身黒の服装の人が急に入ってきて、子供たちを攫っていったの。私も抵抗したけど、何もできなくて……あの人、とても強かった。気をつけて」と目を閉じたまま言う。
僕は堪えきれず、「アンシャさん!」と呼びかけたが、反応はなかった。
エレナさんがそっと、「気絶したみたい」と囁く。
僕は怒りと悲しみで胸がいっぱいになった。
孤児院の子供たちを攫い、火をつけたこと、アンシャさんを傷つけたこと……。許せない。必ず見つけてやる。
ライガが静かに言った。
「蓮の兄貴、俺も手伝います。今から中を探索します。蓮の兄貴はアンシャさんのそばにいてください。そして、怒りの感情は押さえて。もしアンシャさんに知られたら、きっと悲しみます。だから笑ってあげていてください」
僕は頷いた。
「分かった。進展があったら教えてくれ」と言い、病院でアンシャさんのそばに座る。
数日が経ち、僕は休むことも忘れ、怒りと悲しみを胸に抱えながら過ごしていた。
エレナさんが優しく言う。
「大丈夫? もう何日も寝てないでしょ。蓮が怒るのもわかるけど、今は休んだほうがいいよ」
「そうはいきません。ライガも頑張ってくれている。必ず見つけて助けます」と僕は返す。
「だって……心配じゃないですか! あれからずっと気を失ったままだ。それに一番近くにいた僕が守れなかったのが許せない! だから、せめてこうしてそばにいたいんです!」
その言葉に、エレナさんは黙って抱きしめてくれた。
その温もりに包まれたまま、僕はその場で眠りについた。
いよいよ話が展開してきましたさあ孤児院の子供達は無事なのか蓮たちはどうなるか次回もお楽しみに




