第1話 後編「僕の名前は、蓮」
今回第一話の後編を書かせていただきました
バタン……
「う……?」
目を開けると、見慣れない天井が目に入った。
昨日の森での戦いの余韻と、全身のだるさが同時に襲ってくる。立ち上がろうとするが、体はまだ重い。
「蓮、起きてる?」
扉が開き、エレナが入ってきた。優しい笑顔に少し胸が温かくなる。
「おはようございます、エレナさん……先日はありがとうございました」
「急に倒れたからびっくりしたんだからね」
「あ、す、すいません」
「ところで、何か思い出した?」とエレナさんが聞いてきた。
「いえ……何も思い出せません。本当にすみません」と僕は答える。
「そっか。大丈夫だよ、全然」と、エレナさんはにっこり笑った。
でも、僕はどうしようか悩んでいた。名前も、自分のこともまだはっきりしていない。
――そうだ、思いついた。
「あの、エレナさん……良かったら、僕に名前をつけてくれませんか?」
「私が?つけていいの、名前?」
「はい、大丈夫です」
「なら……『蓮』なんてどう?」
蓮――その名前でいいんだ。自然とそう思えた。
「じゃあ、それでお願いします!これからよろしくお願いします」
「よろしくね」
二人は握手を交わした。
名前をもらった瞬間、世界が少しだけ鮮やかになった気がした。
それから僕は、ヴァルセイン帝国騎士団の宿舎に住めることになった。
僕がヴァルセイン帝国に来て、数日が経った。
その間にわかったことがある。
まず——ガチャは毎朝7時にしか引けない。
どうやら、1日に3回という制限に加えて“時間指定”まであるらしい。
それから、同じスキルを引いた場合、
同じスキル同士を合成するとバッジの色が変わり、レアリティが上がるのだ。
しかも、強化されたスキルには“追加能力”まで付与されるという。
さらに、僕はついに自分のステータスも確認できた。
現在のレベルは【2】。
魔法を使うにはMP(魔力ポイント)が必要で、僕の最大MPは35。
しかし、使える魔法の多くは消費20前後。
「くそ……全然魔法を撃てないじゃないか!」
思わずそう呟いた。
そのとき——頭の中に、またあの声が響いた。
「魔力を上げるには経験値を集めなさい」
「経験値……ってどうやって?」
「街の人のお願いや魔物を倒すことで貯められるよ」
「なるほど、ありがとうございます!」
「さて……貯め方はわかった。これからどうするか――この能力、エレナさんに伝えるか?」
僕は少し考えて、決心した。
――「伝えるか」
その瞬間、エレナさんが部屋に入ってきた。
「蓮、起きてる? ご飯食べに行こう」
「起きてますよ、エレナさん。実は伝えたいことがありまして……」
僕はスキルのことを説明した。
エレナさんは驚きの表情で目を見開く。
「私は魔法は使えないけど……見たことはある。
でも、そんなスキルは聞いたことも見たこともない!」
そして少し考え込むようにしてから、にっこりと笑った。
「ねえ、実は友好国で会わせたい人がいるの。
王女様の護衛として、蓮もついてきてもらえないかしら?」
「友好国……どこですか?」
「アルシエル王国よ。魔法国家なんだ」
僕の心は少し緊張したけれど、それ以上にワクワクが膨らんでいった。
新しい冒険が、もう目の前に広がっている――
後編も楽しんでくれましたか?これからも書いていくのでよろしくお願いします




