表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/96

第18話 英雄としての夜明け

今回18話書きました

国際会議が終わり、ようやく静けさが戻った会議場。

 僕は椅子に腰を下ろし、まだ手が震えているのを感じた。

 エレナさんがそっと隣に座り、両手で僕の手を包み込む。

 「よかった……蓮、無事で……」

 その言葉を聞いた瞬間、張り詰めていた力が抜けていく。

 涙が頬を伝い、僕は小さく息を吐いた。

 「ありがとう、エレナさん……本当に、ありがとう」

 少し離れたところで、カイルさんが腕を組んだまま低くつぶやいた。

 「まだ……納得してないか……」

 その声を聞いた瞬間、胸の奥がチクリと痛んだ。

 そうだ。会議では結論こそ出たけれど、僕を快く思っていない国や人々はまだいる。

 その事実が、僕の心に影を落としていた。

 「でも……これで、少しは落ち着けるかな」

 エレナさんが優しく微笑む。

 僕もその笑顔に釣られて、小さくうなずいた。

 ――今日、僕は国際会議で命を狙われた。

 けれど、仲間たちが守ってくれた。

 カイルさん、イリスさん、セリナさん、アンナさん……。

 みんなが僕を信じ、支えてくれたのだ。

 改めて考える。

 僕はヴァルセイン帝国の“英雄”。

 その言葉の重みが、胸の奥でずしんと響いた。

 英雄とは――国や人々に必要とされる存在。

 でも、その責任は決して軽くない。

 「僕……ちゃんとみんなを守れるかな」

 思わず漏らした言葉に、エレナさんがそっと僕の肩に手を置く。

 「大丈夫だよ、蓮。あなたには、私たちがついている」

 その言葉に、心の奥がじんわりと温かくなった。

 ――誰かが信じてくれること。

 それが、これほど強い力になるなんて。

 会場を出ると、外には馬車が待っていた。

 僕たちはそれに乗り込み、アルシエルの街並みを静かに眺める。

 通りでは、市民たちが微笑みながら手を振ってくれていた。

 この世界には、まだ魔法を使えない人々が多くいる。

 でも今日、僕たちは新しい一歩を踏み出した。

 僕の魔法と、仲間の信頼があれば――未来はきっと変えられる。

 「……だが油断はするな」

 カイルさんが低い声で言う。

 「まだ、俺たちの知らない動きがあるかもしれない」

 その言葉に僕はうなずいた。

 確かに、国際会議は終わったが、世界の平和はまだ遠い。

 僕が“英雄”である限り、その責任はこれからも続く。

 けれど今は、仲間がいる。

 それだけで、前に進む勇気が湧いてくる。

 馬車が静かに進み、窓の外には朝日が差し込んでいた。

 黄金色の光が街を包み込み、すべてを優しく照らしていく。

 その景色を見ながら、僕は小さく呟いた。

 「よし……やるしかないか」

 次の冒険も、次の試練も、きっと待っている。

 でも今の僕は、恐れない。

 僕には仲間がいる。

 そして――僕は、ヴァルセイン帝国の英雄だから。

 今日という日を胸に刻みながら、

 僕の新たな戦いが、静かに始まろうとしていた。

18話国際会議終わりました次お楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ