第15話:心配と再会
今回15話書きました語り手目線になってますすいません
それから僕は城を後にし、アンナさんの家に戻ってエレナさんと合流した。
「蓮、なんか顔色悪いよ。何かあったの?」
「大丈夫ですよ。僕、そんなに顔色悪かったですか?」
僕は笑ってごまかした。――流石に、あんなことは言えないよな……そう思いながら。
遡ること数分前。
僕は会議への参加を決めたところだった。
「それと、これも伝えておきましょう。今回の議題なんですけど――あなたについてです!」
その言葉に、僕は息を呑んだ。
「……具体的に、どういうことですか?」
「今回、あなたの存在が“邪悪”なのか、そうではないのかを決める会議です。最悪、あなたはその場で殺されるかもしれません。」
その言葉が頭の中をぐるぐると回っていた。
――どうして自分が……。
その後もずっと、最悪の展開ばかりを考えてしまっていた。
こんなこと、エレナさんにも、誰にも言えるはずがなかった。
そして現在。
僕とエレナさんはヴァルセイン帝国へ戻っていた。
数日後――。
「……まただ。」
そう呟いて僕は起き上がる。
ここ数日、まともに眠れていない。
夢の中で何度も、会議の場で自分が殺される悪夢を見てしまうのだ。
そのせいで目の下には濃いクマができていた。
それを見たエレナさんが、心配そうに言う。
「大丈夫? クマすごいよ。本当に無理してない?」
「大丈夫ですよ」
僕はそう言って避けた。
その日、エレナさんは蓮のことを心配しながら街を歩いていた。
考えごとをしていたせいか、誰かとぶつかってしまった。
「いてっ!」
「きゃー!」
エレナさんはすぐに立ち上がり、「本当にすみません!」と頭を下げた。
その相手の顔を見て、驚きの声を上げた。
「アンシャ?!」
「えっ、エレナさん!」
――昔、同じ孤児院で育ったアンシャだった。
「あなた、目が見えなかったんじゃ……?」
そう尋ねると、アンシャは微笑んで言った。
「あなた、蓮さんって人知ってる? 蓮さんが“再生魔法”っていう魔法で治してくれたの。おかげでまた見えるようになったんだ」
それを聞いたエレナは、なるほどと頷いた。
(だからあのとき、カイルさんから魔物退治の依頼を受けていたのか……でも“再生魔法”なんて、そんなすごい魔法が使えるなんて……)
心の中でそう呟いていた。
「それでエレナさん、どうしたの? なんだか暗い顔してるけど」
「実はね……蓮が最近眠れてないみたいで、目の下のクマがすごいの。理由を聞いても教えてくれないのよ」
アンシャさんは眉をひそめ、心配そうに言った。
「そんなだったんですね……あの、蓮さんって今どこにいますか?」
「今は確か、依頼で荷物運びをしていたはずよ」
その言葉を聞くと、アンシャはすぐに駆け出した。
やがてアンシャは、蓮のいる現場にたどり着いた。
そして、蓮を見つけた瞬間、息を呑んだ。
目の下には深いクマ。
虚ろな瞳。
すぐに駆け寄り、蓮の体を支えた。
「お願いだから休んで、蓮さん! 本当に何日寝てないんですか? 今にも倒れそうじゃないですか!」
「ここ最近……ずっと眠れてないですね」
その言葉に、アンシャは絶句した。
ただでさえ寝不足で力が出ないのに、それでも仕事を続けていたのだ。
気づけば、アンシャは蓮を抱きしめていた。
「何かあったんですか? よければ話してください。もう驚きません」
蓮は少しだけ安心して、ぽつりぽつりと語り始めた。
「先日、魔法国家アルシエルに行ったんです。王女様に呼ばれて話を聞いたら……近々、たくさんの国が集まる“国際会議”を開くらしくて。僕も呼ばれることになりました。
でも、その議題が――僕についてなんです。
僕って記憶喪失で素性が分からないし、得体の知れないスキルを使うじゃないですか。だから、よく思わない国もあるらしくて……最悪、会議の結果次第では、僕は殺されるかもしれないんです。」
アンシャは静かに頷いた。
――そういうことだったんだ。眠れなかったのは、死の恐怖のせい。
「そうだったんですね……確かに、死にたくないですよね。私だってそうです。でも、必ずどうにかなりますよ。だから今はゆっくり休んでください」
その言葉に安心したのか、蓮は少しして眠りについた
蓮が眠ったのを確認すると、アンシャはエレナを呼び、全てを話した。
会議のこと、その結果次第では蓮が殺されてしまうこと。
エレナは言葉を失った。
そして話が終わったころ、蓮が目を覚ました。
「おはようございます」
エレナは蓮を抱きしめ、震える声で言った。
「まさかそんなことになっていたなんて……気づかなくてごめんね」
「ありがとうございます。安心しました」
その後、蓮とエレナはカイルに呼び出され、城へ向かった。
「よう来たか」
カイルが迎えてくれる。
「明後日、国際会議に俺たちも出る。護衛としてついてきてくれ」
「分かりました。準備します」
――どうなるのだろう、この会議。
胸の奥に、波乱の予感が渦巻いていた。
か語り手目線になってますすいません




