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13話「僕には帰るべき場所がある」

第13話書きましたこれからもぜひみていってください

翌日、僕は再びアンシャさんと会った。今回は孤児院での依頼で、手伝ってほしいことがあるという。孤児院に着くと、アンシャさんが笑顔で待っていた。

「アンシャさん、来ましたよ」

お馴染みの声かけに、アンシャさんは駆け寄ってきた。

「蓮さん、本当にありがとうございます……」

「いや、大丈夫ですよ。で、依頼って何ですか?」

「孤児院の子供たちの世話と、食べ物の買い出しを手伝ってほしいんです」

「分かりました。それなら料理僕も食べたいです」

「お安いご用です。それじゃあ、よろしくお願いします」

僕たちは市場に向かいながら、街の景色を見て歩いた。

「へー、こんなところもあるんだ」

「実は聞きたいことがあるんですが、蓮さんって、前に言っていた通り記憶喪失ですよね?」

「はい。名前も、どこから来たのかも、何も分かりません」

「怖くないんですか、記憶がなくて」

「怖いといえば怖いです。でも、それ以上に安心感があります」

「安心感?」

「はい。僕には帰る場所があり、名前もあります。エレナさんが『蓮』と名付けてくれたんです。それだけで、ここにいても自分を信じられる気持ちになる。他にもカイルさんは最初こそ色々ありましたが、今では僕のことを気にかけてくれる。そしてアンシャさんも、僕が何者か分からないのに、普通に接してくれる。だから僕には安心できる場所があるんです」

アンシャさんは笑顔で頷いた。

「そう思ってくれて、とても嬉しいです。困ったことがあれば、遠慮なく頼ってくださいね。力になりますから」

買い物を済ませ、孤児院に戻ると、子供たちが一斉に駆け寄ってきた。

「アンシャお姉ちゃん、遊んで!」

「今からご飯作るから、このお兄さんと遊ぼうね」

子供たちは目を輝かせながら僕の方へ走ってきた。

「何して遊ぶ?」

アンシャさんが提案した。

「あなたの魔法を見せてあげたらどうですか?」

僕は最近覚えた新しい魔法、「クラフト」を使った。

地面に落ちていた枯れ枝や葉が、僕の手元に集まり、子供たち用のシーソーに形を変えた。

「すごーい!シーソーできたー!乗っていい?」

「もちろんですよ。気をつけてください」

子供たちは笑顔でシーソーに乗り、楽しそうに遊んだ。

しばらくしてアンシャさんが声をかける。

「ご飯できましたよー」

今日の献立は豚汁。温かくて、香りだけでお腹が空いてくる。

「いただきます」

僕は感謝しながら味わった。

食後、アンシャさんは少し照れくさそうに言った。

「今日はありがとうございました。買い出しの時、あんなこと聞いちゃってごめんなさい。少し気になって」

「気にしないでください。これからも気軽に依頼してください。またお待ちしています」

ふと、僕は豚汁の脇に置かれた小さな花瓶に目をやった。

そこには黄色い小花が一輪、生けられていた。花言葉は「思いやり」——

子供たちの無邪気な笑顔と、孤児院の温かさを見て、自然に心が和んだ。

一礼して孤児院を後にする僕。

今日もがんばったな、と思いながら歩く。

心の中で小さくつぶやいた。

「僕には帰るべき場所がある――ここが、僕の安心できる場所なんだ」

そして、今日も僕は笑顔で帰るべき場所へと向かっていった。

今回も蓮とアンシャの話です良かったらみてくださいよろしくお願いします

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