第12話「花言葉」
第12話描きました良かったらみてくださいお願いします
翌日、僕はエレナさんが率いる騎士団に所属することになった。とはいえ、これまでと変わらず“何でも屋”としての仕事も続けている。
というのも、昨日カイルさんにこう言われたのだ。「これからもよろしく頼む。ただし、蓮。お前は騎士団の連中と常に行動しなくていい。」理由を尋ねると、彼は真剣な表情で続けた。「お前の力は、他国も注目している。そんな奴がうちの国の騎士団に常時いると、国同士の均衡が崩れかねん。だから俺やエレナが必要な時に呼ぶ。それ以外は今まで通り、何でも屋として動け。」
――まさか自分がそんなに注目されていたなんて。少し驚きながらも、その言葉に頷いた。
その日の午後、急に入った依頼を片付けたあと、僕は待ちに待ったアンシャさんとの約束の場所へ向かった。到着すると、すでに彼女が待っていた。
「アンシャさん、来ましたよ。」声をかけると、彼女は笑いながら駆け寄ってきた。「やっと来た! 遅かったじゃないですか〜。」「すみません、急な依頼が入ってて……。」「いいですよ。その代わり、お花は蓮さんが選んでくださいね。」「了解です。じゃあ、行きましょうか。」
僕たちは並んで花屋へと向かった。店に入ると、色とりどりの花が並び、優しい香りが広がった。
「この花、綺麗ですね。」「確かに。どれも素敵です。」
そう言いながら、どの花を買おうか一緒に見て回った。エレナさんにも何か買って帰ろうと思いながら花を眺めていると、アンシャさんが尋ねてきた。
「私に似合う花は見つかりました?」「はい、この花なんてどうでしょうか。」
僕が手に取ったのはチューリップ。「花言葉は“美しい瞳”“思いやり”です。アンシャさんは本当に綺麗な瞳をしていますし、子供たちへの優しさもある。ぴったりだと思いました。」「ありがとう……そんなふうに言ってもらえたの、久しぶり。嬉しいです。」
頬を少し赤くして笑う彼女を見て、胸の奥が温かくなった。
「よかったら、今度は僕の分をアンシャさんに選んでほしいな。」「えっ……はい、もちろん!」
彼女が選んでいる間、僕はエレナさんに渡す花を選んでいた。「これがいいな。」僕が選んだのは、5本のバラ。花言葉は「あなたに出会えて本当に良かった」。
しばらくして、アンシャさんが戻ってきた。「これ、蓮さんに似合うと思って。」彼女が差し出したのは、ミモザとピンクのバラ。
「ありがとうございます。アンシャさん、花言葉知ってますか?」「いえ、色で選びました。綺麗だったので。」「ピンクのバラは“感謝”、ミモザは“思いやり”なんですよ。」「……え? 全部、蓮さんにぴったりじゃないですか。」
そう言うと、彼女は少し潤んだ目で笑った。「だってあなた、優しすぎるんだもん。見ず知らずの私のために命をかけて……。感謝しても足りません。」
僕は少し照れながら、受け取った花を見つめた。そして店を出るとき、彼女が小さな声で言った。
「……また、一緒にどこか行ってくれますか?」答えは決まっていた。「もちろんですよ。次はアンシャさんの行きたいところに行きましょう。考えといてくださいね。」
そう言って僕たちは別れた。
宿舎に戻ると、エレナさんが出迎えてくれた。「蓮、おかえり。どうしたの?」「実は渡したいものがあって。」
僕はラッピングされた5本のバラを差し出した。「これです。」「ありがとう。大事にするね。……花言葉は?」「“あなたに出会えて本当に良かった”です。」
少し間を置いて、僕は続けた。「僕は記憶もなく、どこに行けばいいのかも分からなかった。そんな僕に“帰る場所”をくれて、名前もくれたのがエレナさんです。だから、この言葉がぴったりだと思いました。」
エレナさんは目を潤ませ、僕を強く抱きしめた。「……蓮、ありがとう。」
その腕の温もりの中で、僕は静かに微笑んだ。
今回はアンシャさんと花を買いに行きますぜひみてください




