7話
次にミンチにしてもらったお肉でミンチカツとハンバーグ種を作る。ケンとジンも手が空いたのでこちらの方を手伝ってもらう。
「最初にミンチカツの種から作るわね。初めにオニーオをみじん切りにするわ、細かすぎても大きすぎてもダメよ。切り終わったらボウルにオークとバイソンのミンチ肉、みじん切りしたオニーオ、卵、擦ったアーリオ、塩、胡椒、お酒を少々加え、手で混ぜ合わせる」
ちなみにオニーオは玉ねぎ、アーリオはニンニクのことね。
「混ざったら成形に入るわ。今回は食べ応えがあるようにするから、大体1つ120gくらいに丸めて、片手から片手へ空気を抜くように数回パタパタする。最後に丸い形に成形してバットに乗せていく。では、これらをひたすら繰り返してね」
「はいっす!」
「終わったら冷蔵庫にどんどん入れていって」
「わっかりやした!」
「では次にハンバーグ種を作っていきましょう。ハンバーグ種は先ほど切ったオニーオのみじん切りをバターで飴色になるまで炒めていく。
炒めたら冷まして、ボウルにミンチ肉を入れ、塩少々も加える。次に木べらで練り上げて、ひと塊りに重くなったら、冷やしたオニーオを入れ、混ぜる。最後に胡椒を入れ、ひと塊りになるまで練り上げる。
成形に移るけど、手に油を塗ってから大体200gぐらいとって先ほどと同じようにパタパタと空気を抜いていく。これをするとひび割れしにくくなるのよ、最後に楕円形に整え、真ん中を1cmほど窪ませたら完成よ」
「お嬢様、なんで窪ませるんですか?」
「それは、今回の配合だと水分量が少なくて中心が膨らみやすくなるのね。そうなってしまうと焼きムラができてしまうから、それを防ぐためよ」
「へぇ、そうなんですね」
「新しい知識ばかりですね」
ジンと料理長は感心したように頷いていた。
「それではジンは残りを作ってもらってもいいかしら?」
「はい、かしこまりました」
「では料理長は私の方を手伝ってくださいね」
「はい! どこまでもお手伝いします!」
「次に照り焼き丼を作っていくわ。こちらはバード肉を一口大に切って両面に、塩胡椒を振りかけ小麦粉をまぶす。フライパンに油を入れて熱し、温まったら皮目の方から焼いていく。焼き目がついたら裏に返してお酒を入れ、蓋をして2分ほど蒸し焼きにする。
時間になったら蓋を開け、ペーパーで油を取る。セーイとお酒、砂糖を混ぜたものをフライパンに入れ、煮詰める。とろりとしてきたら、火を止め、あとはリズの上に乗せるだけよ」
「これは、もうおしまいですか?」
「あともう一手間加えるわ。マヨネーズというソースを作るわ。始めに卵の黄身とお酢、塩をボウルに入れ混ぜる。あとは油を少しずつ入れながら乳化させる。これで味を整えて完成よ」
「簡単ですね!」
「そうよ、簡単でもすっごく美味しいんだから」
「それは、楽しみですね!」
「えぇ、そうね。あの2人は終わったかしら」
「そうですね、そろそろ終わりそうですね」
「では、あの2人にも仕上げをしてもらいましょう」
「2人とも終わったかしら?」
「「はい、いま終わりました!」」
「では仕上げに入るわよ。フライパンに油を入れ、火にかける。温めている時にミンチカツの種に衣をつける。
衣は卵と小麦粉、水を混ぜ合わせた物、バッター液というのだけど、それにくぐらせてからパン粉を満遍なくまぶす。そろそろ温まった頃だからあらかじめ冷蔵庫から出したオークカツを揚げていくわ
少量のパン粉を油に入れてシュワシュワ言ったら3枚から4枚ずつ入れていく。一気に入れると温度が下がっちゃうから注意してね」
「「「はい!」」」
「上下にひっくり返しながら4〜5分揚げていく。きつね色に上がったらしっかりと油を切ってペーパーの上に乗せる。じゃあ、あとはよろしくね。オークカツが終わったら呼んでね」
「うっす!」
「ジンと料理長は私の方を手伝って」
「「はい!」」
「では、スタミナ丼を作っていくわ。オーク肉を一口大に切って、鍋にお湯を沸かす。沸いたらお酒とお肉を入れて湯がく。ネーギを斜めに切って、フライパンにごま油を入れ、切ったネーギを入れ炒める。擦ったアーリオと湯がいたオーク肉を入れてある程度炒めたら、砂糖、セーイ、お酒、バードのガラスープ、胡椒を入れて完成よ」
「お嬢様、終わりましたー!」
「こっちもちょうど終わったから今行くわ。……スタミナ丼の具材はこれだけよ、簡単でしょ!」
「「はい!」」
「次はミンチカツね。ミンチカツは先ほどより低めの温度にして揚げていくわよ。大体7〜8分と長い間揚げるから、焦げないように低温にするのよ。あとはカツと一緒で上下に返しながら揚げていく」
「わっかりやした!」
「じゃあよろしくね」
「はいっす!」
「次はハンバーグを焼くわ。冷蔵庫に入れたハンバーグを取り出して、フライパンに油とアーリオを一欠片入れる。温まったらハンバーグを入れて焼き目をつける。5分ほどしたら裏に返して、少し焼き目がついたら蓋をして蒸し焼きにする。あとは火が通れば完成よ」
「わかりました」
「では残りをよろしくね」
「はい」
「あとは、生姜焼きね。生姜焼きはオーク肉の筋を切って両面に小麦粉をまぶす。ボウルにセーイ、お酒、砂糖、すりおろしたジンジャーを入れてよく混ぜる。
熱したフライパンにお肉を入れて両面焼き上げる。色がついたら先ほど作ったタレを入れて、絡めながら煮詰めたら完成よ」
「それでは料理長、任せてもいいですか?」
「はい、お任せください!」
「よろしくね、私は最後にカツ丼よ!」
「カツ丼のレシピも知りたいですが、今は生姜焼きを頑張ります!」
「えぇ! カツ丼は私に任せてちょうだい」
◇
「……これで全部の料理ができましたね!」
「やっと終わったわ! 結構時間かかるわね。もうお昼時だわ、食べましょう!」
「そうですね!」
今日作った試作料理は厨房で働いている料理人や使用人の賄いになるので大量に作る必要があった。夜、家族に出す分は別に取ってあるので作ったものは全て食べてもらう。
「それではみなさん召し上がれ! お好きなのを一品取ってくださいね! 定食の方はリズも取っていってくださいね!」
「「「はい!」」」




